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金融機関の経営環境

金融機関の置かれた経営環境についての論点の考察です。

1.金利環境は低金利の時代 → インフレ・利上げの時代へ遷移:
・利上げ分の調達金利を顧客に貸出金利として転嫁できるのか。がポイント。

2.コロナ禍・A I技術の進化 → ニューノーマル(非対面化・リモートワーク化)、デジタル化の進展:
・店舗に行かない・自宅で完結。A I・インターネット検索を活用すれば、情報の非対称性は減少、人による金融サービスのアドバイスの必要な領域は減少(高度なコンサル領域のみ)。公表情報にない専門知識や経験に基づく付加価値がなければ、金融機関は活用されない、または手数料勝負での選択となる。

3.人材の流動化
・金融機関は、選ぶ立場でなく選ばれる時代へ、就職での人気の低下。新卒、中途採用とも優秀層の確保は困難。人の固定化→流動化のトレンドの中で、長期在籍担当者を前提に営業できない可能性あり、どのように取引先へのサービスレベルを維持するのか。

4.競争の激化(新興勢力の参入)の進展→大手銀行証券保険不要・フィンテックの台頭:
・既存大手のサービスは代替されるか、フィンテックを傘下に入れるか。

5.外圧とオポチュニティ
・資本コストの増加(バーゼルⅣ資本規制強化・必要資本増加)。ルール上、内部管理よりも高い資本コストをコントロールするために、自社でそのビジネスを保有するかどうかも含め、組織・エンティティのリストラクチャリングが必要。
資産運用立国(貯蓄から投資へ)の後押しがある。貯蓄から投資へは過去何度も言われていたテーマ。個人の投資マインドの醸成・向上となるのか。
・資金ニーズのある先への資金の振り向けで、社会がWin-Winとなる必要。株式投資資金流入で東証のトップ企業の株価だけ上がっても意味がない。大企業はM&Aやトランスフォーメーションの資金、中小企業もシェアを取りにいくための成長投資(R&D・設備)、スタートアップも市場を創って売り上げていくための資金などの社会と市場成長に資金循環していく必要あり。最終的には目利き力。しかし、目利きを育てる力と優秀な人材を確保する魅力があるのか。それを作っていくのがポイント。

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