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「ゆりかもめ」最初から最後まで乗ってみた。 海に浮かぶ理想郷のちぐはぐ

埋立地には、独特の空気がある。
計画的に作られた完全な世界でしか流れない時間がある。

雑多な街に飽きたら、整然とした埋立地を見に行こう。

新橋から「ゆりかもめ」で豊洲まで乗って、埋立地の空気を存分に吸ってみました。

新橋から「ゆりかもめ」へ

ゆりかもめ新橋駅ホーム

新橋駅のゆりかもめホームに来ました。
このホームも、近未来な感じがしてゾクゾクします。
そもそも、自動運転だし。運転手、いないんですよ。

終点の豊洲まで乗ります。

本日はゆりかもめにご乗車いただきありがとうございます。
この電車は豊洲行きです。

新橋駅車窓からのながめ
ゆりかもめ汐留~竹芝間

やっぱり、この辺りは東京らしい景色が存分に見れるので楽しいです。

さらば「東京」

竹芝を過ぎると、いよいよ東京の臨海エリアを走ります。
オフィス街の景色が一変して、物流倉庫が立ち並ぶ景色に。

日の出駅前
日の出水門
芝浦ふ頭駅前

ビル街はもはや遠く。
トラックが走り、サラリーマンのいない景色になりました。

この先、いよいよ海上を走ります。

臨海の終わり

ゆりかもめは自動運転中です。

いよいよ、レインボーブリッジに向かって海の上を走りだします。

その際に通るのが、ゆりかもめの「巨大ループ」。

ゆりかもめの走行路からレインボーブリッジまでの高さのギャップを埋めるためにあるそうです。

地図で見るとこんな感じになっています。

「巨大ループ」の内側

巨大ループを抜けて、いよいとレインボーブリッジを走ります。
首都高を高速で並走。

「この世界から出れない」

次は、お台場海浜公園です。

レインボーブリッジを抜けて、ついに埋立地に入りました。
有明清掃工場の煙突がシュールな光景。

有明清掃工場の煙突

あとは、タワマンもある。

お台場海浜公園前の「ザ・タワーズ台場」

その後はフジテレビ本社やグランドニッコー東京台場など名所が続きます。

フジテレビ本社
グランドニッコー東京台場

ところで、しばらく乗っていると、外に見える景色がほとんど変わらないことに気が付きました。沿線は、狭い埋立地の輪郭をなぞるように伸びていたのです。

地図で見るとこんな感じ。

同じような箇所をグルグル回っていて、シュールな感じ。

なんとなく、この世界から出れないような感覚に囚われて不思議な気分に。

お台場海浜公園~台場間から見える「ダイバーシティ東京プラザ」
東京国際クルーズターミナル駅前に移ってもかなり見える

いちいち広いのも湾岸エリアの特徴。
この広さが、人気のなさを演出しているんだな。

湾岸のユートピア

「滝の広場」

テレコムセンター駅前。
私はここで、ユートピアを目撃しました。

緑に囲まれた噴水。合理的なビル群。背景にはレインボーブリッジと東京タワー。その中心でかけっこをして遊ぶ家族……。

完全な景色。美しいものだけがある光景。
そこで暮らす仲睦まじい家族。兄と妹?子どもたちの笑い声が聞こえてきそうです。

理想と現実。埋立地のちぐはぐ

しかし、次の瞬間には景色が一変しました。
目の前に広がるのは殺風景な海。

青海~東京ビッグサイト間

ここは海に隔てられた人工島なのだと実感されられました。

完全な人工的世界とただの海。
2つの対極にある「非日常」が共存するのが埋立地。

ゆりかもめは台場を抜けて、今度は有明の埋立地に向かいます。

次は、東京ビッグサイトです。

ゆりかもめはまだまだ続きます。
有明テニスの森駅では、目の前に巨大な空き地が広がっていました。

左脇の道には「にぎわいロード」という名前があるらしいですが、そもそも人すら歩いていませんね。

美しく理想的な景色があるかと思ったら、次の瞬間には殺風景になる。
こうした街のちぐはぐさが、埋立地の独特な空気を生んでいるようです。

あとは、こんな景色も。
河川敷に遊歩道が整備されています。

川辺に降りるのでさえルートが定められている。

豊洲の理想郷

次は、終点豊洲です。

いよいよ終点に向かいます。

月島のタワマン群がよく見えます。

月島のタワマン群

あとは、住宅展示場があったり。

「スマートハウジング豊洲まちなみ公園」

そして、豊洲駅前にはまたユートピア的光景が広がっていました。

「豊洲公園」

空、タワマン、海……。
緑、公園、ファミリー、走り回る子どもたち。

ついさっきまで一切何もない土地が広がっていたのに、この変化。
高低差が激しすぎて混乱しそうになる……。

そんなこんなで、終点の豊洲駅に到着しました。
新橋からここまで35分ほど。

ゆりかもめ豊洲駅ホーム

埋立地には、独特の空気がある。
美しく理想的な景色があるかと思ったら、次の瞬間には殺風景になる。

また今度、夜景の時間にも来てみようと思いました。
夜こそ、殺風景な景色が覆い隠された更に完全な世界に浸れるのかもしれませんね。

※アイコン画像はオモコロアイコンジェネレーターを使用しました
※一部画像はGoogleピクセルの消しゴムマジックで加工しています


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