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沢山考えていくつも書いて、見つけた“原点” #幸せをテーマに書いてみよう

ここのところ、ずっと考えていた。
「幸せ」について、ショートショートも書いた。
でも、何か違う。
わたしが想う「幸せ」って、どんなかたちをしていたっけ。

わたしは「幸せ」を考えた時の“原点”を探していた。



答えは、わたしを形作った本の中にあった。
小学生の頃から読んでいる、母の所有している漫画。
大谷博子先生の「星くず」という作品。

「幸せ」とは、“生きている”こと



色んな考えがあると思う。
色んな意見があると思う。
そういうことを聴きたいんじゃないって思われると思う。

でもこれがわたしの“原点”なのです。

最初にこの漫画を読んだのは、小学校低学年だったと思う。
ジャンルは王道の少女漫画。
しかし内容は、ヒロインが男の子に恋をして紆余曲折ありながらもハッピーエンド、そんな生易しいものではなかった。
ストーリーの重さを理解したのは、中学生になった頃だったと思う。
主人公が向き合う出来事のひとつひとつ、ひとりひとり、ともすれば「いのち」に向き合うような感覚。
母はそれを教えたくて、まだ理解できない年齢の頃から繰り返し、この作品をわたしたち姉妹に読ませていたらしい。
それまでにも、およそ小学生が読むものではない漫画をこっそり読んではいたけれど(笑)
「星くず」シリーズは特別だった。

「幸せ」についてこんなに考えられるということは、わたしは今、幾つかの苦しみや吐き出しようのないつらさがあったとしても、決して自分のことを「不幸せ」とは思っていないのだと思う。
実際、わたしはなんて幸せ者だろうと思うこと、恵まれていると感謝することの方が多い。
特にここ、noteの街に身を置くようになってから。


どうしようもないことを、なんの希望も持てないような想いで書いた記事があった。
書いて公開した直後、消してしまおうかと何度も思った。
でもどこかに出してしまいたくて、書くことで自分の内側から切り取れたらと思って、公開した。

色んな言葉を贈っていただいた。
何人もの方が、言葉で抱きしめて寄り添って、わたしが泣くことを許してくれた。

ひとつひとつの言葉が嬉しくて、「いつでも会いに来て」と言ってくれた人もいて、わたしはもうその言葉だけで胸がいっぱいで、涙がどんどん溢れて、生きていてよかったと大袈裟ではなく思った。


もし、生きていなかったら。
その時の想いを吐き出せなくて、内側がどんどん歪んでどろどろになって、諦めてしまったら。

こんなに温かな想いや言葉で心が包まれることも
なかった。
胸がいっぱいになることもなかった。


痛みも辛さも苦しみも、生きているから感じる。
けれど反対に、温かさも優しさも煌めきも、生きていなければ出逢えない。

暗い言葉の方が頭の中には残りやすいけれど、生きていることで出逢う「光」も、ないなんて断言は誰にもできない。


美味しいご飯を大好きな人と食べること。
好きな本について好きな人と話をすること。
大切な人を笑顔にすること。
作った作品が誰かに喜ばれること。
大切な人を抱きしめること。

「幸せ」という言葉から連想するものは沢山ある。
人の数だけ、いやそれ以上にあると思う。
それは全部、“生きている”から成り立つ答えのように思う。


明日もまた苦しさが生まれるかもしれない。
吐き出さずにはいられなくなって、「前向き」とか「がんばる」という言葉が眩しすぎて目を背けたくなる日も、きっとまたあるんだろう。
それでもわたしは、悲劇のヒロインになりたい訳じゃないから、自分を憐れみたくないと思うから。


綺麗事でもいい。

“生きている”とこで感じられる、光を、これからも想いたい。



あきらとさん企画の #幸せをテーマに書いてみよう に参加させていただきました。
なかなかこんな風に自分の内側を向くことってないと思うので、改めて確認できてよかったです。



2019/11/14

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