フランスの夜行バス(BlaBlaCar)で全荷物を失くして取り返してきた話
表題の通りなのですが、ニースからパリへ帰る夜行バスで、凡ミスによりパスポートを含む全荷物をなくし、5日後くらいに無事に引き取ってきたので、自省をこめて事の顛末を記します。荷物なくして絶望しているどこかの誰かの希望になれますように。
安くて快適なフランスの夜行バス
フランスに来てからちょくちょく愛用しているのが夜行バス。
何といっても安く、バルセロナ→マルセイユを11€で移動できたこともありました。飛行機みたいに面倒なチェックインや荷物検査もないし、着いたら朝なので1日中観光を楽しむことができます。座席は4列シートですが、欧米人は身体が大きいので席も日本よりゆったりめで快適に過ごせます。
フランスでは自動車相乗りサービスを展開するBlaBlaCarとスペインの格安バス会社FlexiBusがよく使われています。私は飛行機、電車、バスの交通費が比較できるOmioというアプリで最初に検索し、チケットは各バス会社のアプリから購入するようにしています。
OMIO ヨーロッパ電車、バス、航空券の料金比較、空席照会
https://www.omio.jp/
深夜乗り継ぎで荷物を別のバスに入れてしまった・・・!
今回は、ニース→パリの夜行バス。ニース→パリ間は飛行機が最も早く1時間、電車が5時間程度ですが、荷物が機内持ち込みの範囲を超えていること、日中はニースを満喫したかったことからバスを選択しました。
直行便は無いので今回は深夜のリヨン乗り継ぎです。次のバスまで1時間程度待ち時間があるので座っていると、発車予定時刻の30分ほど前にパリ行きのBlaBlacarが到着。少し早いけど中で待てるのかな?と荷物を下のトランクに入れて運転手さんにQRコードを見せると「Non c'est pas ça」と一言行ってr次の人へ。
「あれ〜違うのかあ〜・・・てか荷物!!!!!!!」
深夜の回らない頭で気づいた時にはトランクも乗車扉も閉められバス発車体制。ガラス越しに「荷物出したい!」とアピールするも完全に無視され、バスは去っていったのでした。
幸いにして財布と携帯、イヤホンだけはボディバッグに持っていたため、とりあえず「フランス バス 荷物無くした」と検索。フランスの交通機関で忘れ物をするとまず返ってこない、という日本人の方のブログをいくつか見つけ絶望。次にBlaBlaCarのカスタマーサービスを検索し、ChatGPTを使ってフォームに概要を書き込む。そして、次のバスの運転手に事情を説明するためにひらすらそれを話す練習をして待つ、待つ、、、
しかしこの日は運悪くバスは30分遅れで到着。乗客は殺気立っていてとてもゆっくり話せる感じではなかったため、事情は話せずとりあえず乗り込みました。不安で眠れない・・・かと思いきやもう特にできることはないと諦めの境地に入り、ぐっすり寝込みました。笑
※後から見たら、BlaBlaCarのチケットには当日のみ有効な電話番号が書いてありました。24時間通じるようなのでそちらにかけてみてもいいかもしれません
とりあえず家を探してひたすら待つ・・・
そんなこんなで翌朝パリ・ベルシーの巨大なバスターミナルに1時間遅れで到着。やっと運転手に事情を説明するも何いってんだこいつみたいな感じで「Je ne sais pas」。次にBlaBlaCarのチケット売り場に赴くも同じカスタマーサービスを案内されがっくし。メールを見たら夜中に送ったフォーム問い合わせに内容の控えもなく「Bien recu!」とだけ返信が来ていてさらにがっくし。
この日はモナコで出会ったオーストラリア人の旅人と朝食を食べる約束をしていたので、荷物ないけどとりあえず向かい、存分に笑われて少し心が軽くなりました。
今回ちょうど出発するタイミングで家を引き払っていたのでそもそも今夜の家がない状態。とりあえずnannybagで預けていた大荷物を取りに行き、ホステルを探してチェックイン。パスポートはなくしたリュックの中なので事情を説明し、携帯の中の写真でチェックインさせてもらいました。
数日後、「見つけたよ!」の報。パリ郊外の謎の倉庫に取りに行く
そこからはひたすら待ち続ける日々。。
化粧品がないので人に会ったり観光する気にもなれず、ひたすら近所の公園で時間をつぶしたり、来月からの家を探したり、、。
そしてBlablacarに「パスポートがなくて本当に困っています。できるだけ早い返事を待っています」という熱いメッセージを毎日送り続けました。
PCが無いのでいろいろ調べようにも逐一時間がかかるのが辛かった。泣
他の荷物はともあれとにかくパスポート紛失は一大事なのでそろそろ大使館に連絡しないとまずいかな。。と思っていた矢先、BlaBlaCarから「Bonne nouvelle !」とやけにテンション高いメールが!荷物が見つかったからここに電話してね、という内容でした。営業時間は過ぎていたけどすぐに電話し、「Je voudrais récuperer mes baggages que j'ai oublié dans BlaBlaCar…」
あんまり伝わっていなかったけど「BlaBlaCar」で意図は伝わったようで、明日の10時以降に取りにきて、みたいなことを言われました。
翌朝、倉庫の場所をGoogleMapで検索し、人生初めてのパリ郊外へ。パリ市外はticket +が使えないことを知らずに改札ブロックされ、通りがかりのお姉さんに出してもらうなどいろいろありましたが、無事に荷物を回収することができました!
フランスでは物をなくしてはいけない
今回のケース、本当幸運だったと思います。どこで失くしたかクリアな状況で、カードやパスポートの手続きをする前に荷物が見つかり、幸い保管場所もパリ近郊ですぐに取りに行くことができました。他の方のブログでは、1ヶ月後に荷物が見つかったり、長距離列車の中で失くして、全く知らない街に保管されていたケースもありました。
それでも数日間でも音沙汰なしで待ち続けるのはなかなか精神的に堪えるものがありました。そして、パスポートを失うと自分を証明するものが何も無くなってしまうことが身に沁みました。