【恋文】no title cinema
何気ない普通の雨の日に、
ふたりでひとつの傘をさして歩いていただけ。
足早に歩きながら
ただ普通に近くのお店まで行っただけ。
でもね、ひとつひとつの雨粒がスローモーションの様に見えたのね。
地面に落ちてパシャっとはじけて。
パシャパシャとはじけていくの。
不思議でしょ。
こんな何でもない事を
全て記憶にとどめておきたいの。
短編小説の映画みたいに
ひとつひとつを残していきたいの。
い つ も 見 上 げ る と 貴 方 が 見 つ め 返 し て く れ る 。
コ ト ン と 肩 に 頭 を 乗 せ た ら い つ も そ っ と キ ス を し て く れ る。
断片の短いシーンを集めてはつなぎ合わせて
私は貴方と私の映画を編集しているの。
タイトルはそうね、、、、 今はまだ思いつかないわ。
名前なんてない、ありふれた映画かもしれない。
でもね、貴方と私が出ているの。
素敵なキャスティングよね。
私の人生が終わったその時に
ひとり小さな映画館に座って
ポップコーンを沢山用意して
その素敵な映画を見るの。
何度も何度も。
何度も何度も。
きっと
いつも同じところで泣いて
いつも同じところで笑うのよ。
そしてその映画はね、
映画の最後にはね、
to be continued....
ね。素敵だと思わない?