香りで広がる世界観
香りがもたらす世界観ってあると思います。
香りの専門店というか、香りを販売しているブランドはたくさんありますね。香りもの好きのわたしは、たくさんのお店を見てきました。
そのなかでも私のとてもともてすきな、オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリーについてちょっと話たいと思います。
(上写真:アイテムの入っていた箱。手書きのカリグラフィーで名前を入れてくれます。)
代官山にあるそのお店は、少しの階段を下りた先に扉があります。扉をあければもうそこはパラダイス。まざりあった香りの協奏曲がぶわっと押し寄せてきます。それで、BGMはクラシック。ゴシック調の重厚感のある音楽がより一層その空間をピシッとさせているよう。床も壁もアーチ状の変わった窓も目を見張るもの・・しばらく店内をながめていたい、そんな空間です。
理科の実験のような瓶やオイルの入った小瓶、整然とならべられた櫛、マッサージ用の天然石。テンション上がっているのをこらえるのに必死です。(アヤシイヒトと思われないようにするのは大変です)ここに通いすぎていく回数を意図的に減らして我慢したりしていたほど。
肝心の一つ一つの香りについてですが、これまたうっとりするようなフローラルのいい香りから、独特で不思議な香り、さまざまございます。これはぜひお店に嗅ぎに行っていただきたい。
何といっても、かおりのイメージの説明がもうなんとも私にとってもツボなのです。
今はショップの冊子が変わり、説明も微妙に違っていますがそのなかで特にお気に入りの表現
「教会堂の湿った外壁」(※オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー旧冊子P31より。下写真右)
これは、ルームフレグランス「サクル」の香りについての説明です。湿った外壁!それを香りのたとえに使うだなんて・・・と衝撃を受けました。目を瞑って香ってみるともう、まさにそう思えてくるのです。
教会堂は、ゴシック式の古いもので外壁は黒くなっているもの。頂上には天使のオブジェ・・。手で外壁に触れてみるとかすかに湿っている。
勝手に脳内に世界観が作りあがっていきます。
こんな風な表現を香りで示し想像力をかきたてる・・・説明文の表現力とそ香りによる世界観の創造・・・・。
たとえその場に居なくとも、こうして香りによって頭の中に世界観を広げているだなんて・・・
そんな感動を経て、私自身アクセサリーを作るにあたって、部屋全体をイメージする香りに満たしてそこから世界観をすでに演出していくことを、もうずいぶん前からしています。音楽、そして香りで世界観を作ってそれを作品に反映させる。「反映させる」というより、「勝手に反映」されるのです。
ぜひ、私の作品たちの世界観はなにから影響されたのか反映されたのか、想像しながらご覧いただけると嬉しいです。
それは、あくまでも皆様ひとりひとりの想像のまま、で良いと思っております。詳しく説明したりしているものもありますが、そうでないものもありますので。
香りのほかにも影響されるものはたくさんありますので、それは後日・・・。
最後までお読みくださってありがとうございました。
eriko