運転免許
僕は19才のときに、難関資格のひとつ。
原付免許を取得した。
本当は車の免許を取りたかったが、お金と時間がなかったので、ゴルフ場までの移動手段として、とりあえず原付免許を取ることにした。
といっても普通ゴルフ場に原付で来るやつはいない。
ゴルフは紳士のスポーツ。お金持ちのスポーツなので、原付とは対局の存在だと思う。
でも、ゴルフにしがみつくために、ゴルフバックは極力細くして、クラブの本数も削り、なんとか原付ゴルファーの道を開いた。
原付の免許は車とは違って、いきなり免許センターに行って、早朝から筆記試験を受ける。
合格した者だけが、午後からの実車講習に参加でき、その講習を受講した者だけが、見事に原付免許取得となる。
僕は門真の運転免許センターに原付免許を取りに行った。
朝8時ごろに行ったが、車やバイクの学科試験、免許の更新なども同時に行われているので受付に行列ができていた。
ほとんどの運転免許センターの受付には鬼みたいなおばさんがいる。
なんであんなに怒ってんねん。
たしかにこんないっぱいの若者の相手するんはダルいのんはわかる。
でも、それが仕事やねんから。
怒りすぎやろ。
運転免許センターの所長ってエンマ大王なん?
僕は、受験申し込み票、受験料、年ごろの娘を差し出してなんとか試験会場に通してもらった。
筆記試験は無事通過。
午後から講習を受ける。
その日の受講者は10人くらい。
講習が行われる場所はバイク置き場の前、大型トラックの教習の隣、大通りに面した場所にある。
恥ずかしさからか全員すごいふてこい。
こんなん講習せんでも乗れます感がにじみ出してる。
そらおばさんも鬼なるわ。
その後はなんとか針山地獄、血の池地獄、灼熱地獄を突破し、無事難関資格の原付免許を取得した。
そして、20才のとき、普通自動車の免許を取得した。
オートマ限定かマニュアルか迷っていたが、母が「男の子はマニュアルやで!」と言うのでマニュアルで申し込んだ。
通い始めてすぐ後悔した。
男の子だろうが女の子だろうが、ほとんどオートマ限定でマニュアルで受けている人は1割くらいしかいない。
時間はかかるし、お金も高いし、難しいしメリットはほぼないように思う。
車の運転なんて簡単だろうと思っていたがとても苦戦した。
アイテムボックスはどこにも無いし、きのこを食べても加速しない。
脱輪したらジュゲムが吊り上げてくれると思っていたがいくら待ってもジュゲムは現れない。
どこにおったんやろ。
長期休暇やったんかな。
加速床はどこにしまってたんやろう。
教習所に通っていると教官も大変だなと思った。
一定期間通うと教官についてのアンケートが行われ、嫌な教官をNGにすることができる。
今の時代ちょっとでも怒ったり注意したりするとすぐNGにされそうだ。
すごい気つかってはるんやろう。
口が臭かったです。なんて書かれた日には出社できないだろう。
そんなこんなで卒検の日。
ここまでノーミスで来たので軽い気持ちで望んだ。
検定員は芋洗坂係長のドッペルゲンガー。
開始後3分くらい。
右折する際に対向車の妨害をしたとして強制終了になった。
なんでやねん。おおめに見てよ。大丈夫ですやん。と思って一瞬ムッとした。
でもそこはこの検定員もそれが仕事やねんから。
ほんまは合格さしたいはずや。
しかたなかったんや。
という気持ちでグッと堪えた。
最後降りるときに「次がんばって!操作は上手いから!」って言われて全力の引きつった笑顔で「ありがとうございました!次がんばります!」と言って好青年を演じた。
帰りに自分へのご褒美にチョコボールを買って帰った。
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