【カタールW杯】日本代表が入ったグループEの展望は?
カタールワールドカップがついに始まりました!
メッシ擁するアルゼンチンがサウジアラビアに敗れるなども波乱も生まれていますが、本日22時には日本代表も初戦のドイツ戦を迎えます。
◆グループEのライバルたちはどんなチーム?
~前回大会の雪辱に燃えるドイツ~
前回大会ではメキシコや韓国に敗れるなどして、
グループリーグ敗退という屈辱を味わいました。
今大会ではその雪辱に燃えており、モチベーションは非常に高いです。
FCバイエルン・ミュンヘン所属の選手が多い中、そのチームが不調に陥ると、代表チームも同様に不調になりましたが、ワールドカップ直前で調子を戻してきており、日本代表にとっては非常に嬉しくない状況です。
監督のフリックは前代表監督のレーヴの右腕として、
8年間コーチを務め、バイエルンの監督時代には年間6冠を達成しました。
ハイプレス、カウンタープレスに関しては世界での随一で、
それに飲み込まれればひとたまりもありません。
恐らくブラジルに次ぐ、今大会の優勝候補と言えるでしょう。
不安材料としては、サプライズ選出されたFWのフュルクルクがインフルエンザで、MFのザネが膝のケガで初戦欠場が濃厚な事くらいでしょうか?
~伝統の堅守速攻で強豪国を苦しめる?コスタリカは侮れない~
今大会予選では非常に苦戦したものの、ベスト8進出を果たした2014年の主力は健在で、若手も台頭してきています。
また、監督のスアレスは2006年にエクアドルを率いて、ベスト16に導きました。
基本は4-4-2のシステムですが、強豪国相手には中盤のサイドの選手をDFラインに下げた5バックに変化させることが多く、日本代表に対しても格上という意識を持って臨んでくる可能性が高く、日本代表にとって、恐らく3チーム中で最もやりにくい苦手とするチームだと思います。
~組織力と若い力で優勝を狙うスペイン~
EURO2008、2010ワールドカップ、EURO2012と、史上初の主要大会3連覇を果たした時代と比べると、圧倒的な個の力を持った選手はいませんが、
高いポゼッション率で相手を圧倒し、奪われてもすぐに奪い返すスタイルはいまだに世界でもトップクラス。
また、監督のルイスエンリケは、スペイン代表のレジェンドでもあり、
指揮官としてFCバルセロナで3年間で9タイトルを獲得、
また、バルセロナのサッカースタイルを変えたと言われるくらい、
ポゼッションだけにこだわるのではなく、状況によって縦に早く攻めることもいとわないなど、現実的な路線を行く人物です。
ペドリなど東京五輪で対戦した若いメンバーも台頭してきており、
組織力と若き才能でワールドカップ優勝を狙います。
◆日本代表はどう戦う?
~日本代表の実力は?~
前回大会の善戦は我々の記憶に強く刻まれており、
ベスト16での2点先行からの逆転劇は非常に悔しいものでした。
今大会では初のベスト8進出を目標に戦うことになります。
中盤やディフェンス陣のタレントが豊富で、
歴代代表と比べても、一番といえるほどの人材がそろっています。
ですが、アジアカップ決勝での大敗やアジア予選での苦戦を見る限り、
そのタレントをうまく生かし切れているとはいいがたい状況です。
特に各方面から指摘されている、攻守の決め事が設定されておらず、個の選手同士のアドリブで戦っているように見える日本代表の戦い方には非常に不安があります。
特にグループEには組織力の高いチームが集まっており、それを個々のスキルとアドリブ力だけで打開するのは至難の業です。
また、直前で主力と目されていた大迫選手がメンバーから外れ、
センターフォワードの人選が白紙の状態になりました。
その影響なのか、移籍後に不調に陥ったものの、コンディションは徐々に戻ってきている南野選手も、以前はエースと目されていましたが、大迫選手不在の現在のチームの中ではあまり生かされていない印象です。
好材料としては、サプライズ選出に近い相馬選手が、親善試合で攻守にわたって活躍していた事くらいでしょうか?
また、ケガの山中選手の代わりに選出された町野選手がリーグ戦で好調でしたが、代表では果たしてどうでしょうか?
~まずはドイツとどう戦うか?~
グループEの4チームの中で、日本代表は最も状態が悪く、
特に選手のコンディションに非常に不安があります。
ケガで離脱していた、富安、守田選手がおそらく初戦に間に合いそうになく、同じくケガで離脱していた板倉選手や遠藤選手、体調不良で合流が遅れた三苫選手など、主力メンバーで状態があまりよくない選手が多く、
ベストな状態で初戦に臨むことは不可能になりました。
5人に増えた交代枠をうまく活かして、戦況を見ながら対応していく必要があるでしょう。
日本代表は恐らく親善試合のアメリカ戦の前半のように、前線からのハイプレスでボールを奪いに行くでしょうが、ドイツ代表の一番怖いところはボールを奪われた後のカウンタープレスが以上に早いことです。
フリック監督のサッカーは正確につなぐことよりも、ボールを奪われたら奪い返せばいいというスタイルです。
ピッチ全域をカバーするというよりは、ボール中心に人を寄せてボールを奪いに来ます。
そのため、恐らくほとんどのケースで奪い返されることが予想され、ほとんどボールを保持することはできないでしょう。
しかし、それをかいくぐれば逆に大チャンスであり、ドイツ代表にとっては最大のリスクと言えます。
ですが、日本がハイプレスを仕掛けた際に、ロングボールを使われ、日本の自陣深いところでカウンタープレスを仕掛けられると、前線に人を多く割いている分、後ろが手薄になりピンチを迎えます。
なので、むやみにボールを追いかけるのも非常に危険で、注意したいところです。
また、ドイツの前線の人選も気になるところです。
純粋な1対1の局面が多くなれば日本の選手も守りやすいですが、
ムシアラやハフェルツ、ミュラーのような捕まえにくい選手が起用される方が厄介で、前述の通り、フュルクルク選手やザネ選手がケガで初戦を欠場することも、日本代表にとってはあまり好材料ではありません。
ドイツの守備でいうと、右サイドバックのクロスターマンがケガで初戦欠場が濃厚で、もう1人の右サイドバックのケーラー選手や本来センターバックのジューレ選手、本来前線の選手であるホフマン選手が入ってくる可能性があります。ドイツの右サイドの人選も注目です。
~ドイツ戦のメンバーは?~
ドイツ戦のスタメンについては、特にディフェンスについては、監督がぎりぎりまで悩むことになるでしょうが、恐らくセンターバックは吉田選手と谷口選手がスタメンになると思われます。
右サイドは恐らく酒井選手、左サイドは高さを生かすなら伊藤選手、経験と強さを生かすなら長友選手、どちらもあり得ると思います。
ゴールキーパーについては、これまでのスタメンは権田選手でしたが、
森保監督率いる日本代表がGKを含むビルドアップに取り組んでこなかった事(恐らく一番の懸念点)や、セットプレイの守備などを考えると、単純に最も背の高いシュミット・ダニエル選手を起用する方が個人的には良いと思います。
中盤についてはまず、ダブルボランチの理想は遠藤、守田選手のコンビですが、守田選手が間に合わなければ、田中碧選手を推したいです。
中盤の前の方では、右は伊東選手、トップ下は鎌田選手が当確だと思いますが、左はコンディションを考えると久保選手でしょうか。
1トップはハイプレスに行くことも考えると、前線からのプレッシングに特化した前田選手一択でしょう。
~ドイツ戦のキーパーソンは?~
中盤でいえば守田選手と遠藤選手のバランスが非常によく、
特に、ボールを奪われた瞬間の守田選手のプレスやこぼれ球を拾うなどのプレーが先のアメリカ戦などでもすごく効いており、左サイドの久保選手ともよい距離感でプレーできていた印象があります。
守田選手が間に合った場合、前述のムシアラ選手やミュラー選手を守田選手が抑えられるかどうかがカギとなります。
間に合わなかった場合は、前線の守備、前田選手などがうまくプレスを仕掛けて、万が一ラッキーなアクシデントが起きたりすれば、1点先取して有利に進めることも可能かもしれません。
欲を言えば、この間のカナダ戦のような3バックを試しておければ、
ドイツは割とそういうチームに苦戦するところもあるので、時間があれば・・・という感じですが、そんなことも言ってられません。
今回は初の冬のワールドカップということで、準備期間が短くなってしまったのはほかのチームも同じです。
賽は投げられましたので、引き返すことはできません。
あとは選手たちを信じるのみです。