特集【日本の未来】①~熊本に某企業が進出する理由~戦争リスクを踏まえたビジネス転換
これからお話しする事は、ファンタジーとか夢で見た話か何かだと思って聞いてもらって構いません。
実際に起こる起こらないではなく、そういう話もある、くらいに切ってもらえれば幸いです。
結論から言うと、掲題の動きは台湾有事への備えの可能性があるという事です。
◆熊本へのは誘致は台湾有事への備え
これは是非覚えておいてほしいのですが、実は戦争と言うのは突如始まるのではなく、わかる人にはわかるように事前にメッセージが発信されているものなのです。
例えば、熊本県に台湾の某半導体関連企業の工場が誘致されるなど、今熊本が空前のバブル状態になっていますが、それは有事に備えて台湾国内のコンテンツやそれを扱う企業、国民そのものを避難させるための動きであると、一部で言われています。
ちなみにこの企業の工場移転は何年も前から決まっていて、ほぼその為と言ってもいいくらいに、県知事の指導のもと、熊本空港の改修工事まで行われました。
そう考えると、台湾有事が少なくとも数年以内、あるいは明日起きてもおかしくない状態だという事で、あまりこういう言い方はしたくないのですが、戦争が起こる前提での生活であったり、働き方、経営者の方であればこれからビジネスの方針を検討するべきだと考えておいた方がいいと思います。
少なくとも、一部の業界ではそういった動きがあるようです。
◆台湾有事リスクは高まっている
もちろん、現時点の中国には経済問題など、台湾よりも優先すべき課題が多くあり、武力行使をしてまですぐに台湾を獲得しようという意図はない、というのが専門家の見解です。
また、台湾や米国が中国の「レッドライン」を超えるような事をすれば武力衝突は不可避ですが、彼らが自らそのような事をするのはあり得ない、という見方が強いです。
但し、少なくとも中長期的な台湾有事リスクは上昇傾向にあると言えます。
中国は台湾侵攻に必要な「能力」の確保に注力しており、いずれ米軍と自衛隊が介入しても台湾侵攻を成功させる能力を獲得すると言われています。
また、中国社会におけるナショナリズムの台頭により、台湾を巡ってはタカ派の意見が主流になっています。
若い世代の政治指導者の中には、現政権よりも強硬な対外政策を求める人物が多く存在しますし、今後、経済の行き詰まりなどに直面した際、共産党の指導力を回復させるため、中国政府が台湾有事を選択することも否定しきれません。
◆米国が意図的に緊張感を演出している可能性もあるが・・・
一方で、「世界の工場」中国は日本企業にとって重要な生産基盤で、その位置づけは徐々に下がりつつあるものの、現在も高水準の投資が続いています。
中国を含む東アジア全域に張り巡らせてきたサプライチェーンを大きく変えざるを得ないとすると、それ自体にもかなりのリスクを伴います。
国分良成・慶応大学名誉教授は、最近の講演会で「米国で台湾有事の議論を主導しているのは、ワシントンにいる安全保障系の戦略家たちばかりだ。中国や台湾の内情を踏まえた分析はあまり見られない」と話しています。
冒頭の某企業の熊本進出にしても、「台湾の半導体供給が止まれば、世界経済は年間6000億〜1兆ドル以上の打撃を受ける可能性がある」という米国の国家情報長官の発言もあって、そのリスクを回避する動きだとも言えますし、実は熊本だけでなく、アメリカのアリゾナ州フェニックスにも工場建設の計画があります。
装備体系の更新を急ぎたい米軍が、「台湾有事が27年に迫っている」という緊張感を演出している可能性もあり、米国発の議論をそのまま受け取るのは良くないかもしれません。
◆コ〇ナ禍、ウク〇〇ナ侵攻の二の舞は避けたい
とはいえ、コ〇ナ禍、ウクラ〇〇侵攻の際の二の舞を避けたい、というのも事実です。
ロ〇アによるウ〇〇イナ侵攻の際、起きるかもしれないという予測はあったものの、専門家らが可能性を否定していた為、ロ〇アの行動を的確に予想できませんでした。
その例に倣えば、台湾有事に関しても、いつ起きてもおかしくないと考えるべきだと思います。
中国の在留邦人は10万人とも言われており、中国に拠点を置く企業は、平時から駐在員の安全の確保や避難体制を、中国当局や中国人社員に知られないようにしながら、社内で構築しておく必要があります。
また、コ〇ナ禍における生産停止などで損害を被ったにもかかわらず、未だにサプライチェーンの可視化を遂行できていない企業も多いので、有事の際にも売上、利益、株価のパフォーマンスを維持できる体制を、今のうちに確保しておく必要があります。
◆日本本土への攻撃の可能性は低いが・・・
ちなみに、台湾有事が起きた際、日本本土への攻撃もあり得るとしても、市民が避難するシェルターの整備などの物理的な備えは、現時点では優先順位が低いと言わざるを得ません。
ですが、いざその時が迫ってから準備しても間に合わないかもしれません。
次回投稿予定ですが、実際に日本の経済団体なども既に対策に動いています。
予算的な問題もありますし、時間があるうちに、首都圏からのオフィス移転であったり、従業員が地方移住などを自由にできるようにするなど、企業側も体制を徐々に変えていく必要があると思います。