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ウィスキー「超」入門。(11/20執筆)
ウィスキーと聞くといつも、
渋いオジさまがバーボンを片手にバーテンダーと語り合う様子が目に浮かぶ。
映画『シャイニング』の影響だろうか。
ここ数年は、ドラマなどの影響でウィスキーを飲む人が増えているようだ。
「酒好き」を自称するわたしとしてはとても嬉しい。
蒸留酒ということもあり取っ付きにくい印象を持たれがちだが、
実は種類や飲み方の多様性に富んでおり、飲み手に寄り添う親しみやすさも魅力のひとつだ。
そう、いまやウィスキーはナイスミドルの為だけでなく、
若い世代も一緒に楽しめるお酒になっているのだ。
でも、角瓶やトリスだけでは芸がない。今回は、そんなウィスキーをもっと知りたい人へ、
もしくはまだ知らない人に勧める人に、
外さないウィスキーの種類と飲み方を「超」簡単にお教えするので、覚えておいてほしい。
「若い女性は
バーボンをハイボールで。
背伸びしたい男性は
スコッチをロックで。
贈り物には、
ジャパニーズウィスキーが
外れナシ。」
人にもよるが、酒好きには大体あてはまる法則である。
バーボンとは主にアメリカで作られるウィスキーのことを指す。
バーボンの特徴は甘みだ。ウィスキーの主原料である麦(モルト)だけでなく、他の穀物(グレーン)のお酒も混ざっている(これをブレンデッドという)ため甘みが生まれ、クセが比較的少なく飲みやすい。
具体的には、フォアローゼズのイエローラベルやハーパーあたりが、ウィスキーらしい香りと甘みを兼ね備えているのでおすすめである。
これをどんな食事にも合わせやすいハイボールで飲めば、食いしん坊の若い女性も飲む手が止まらないだろう。
また、バーボンは女性が大好きなチョコレートとも相性がいい。
ちなみに、ウィスキー独特の香り自体が苦手だという人はカナディアンを試してほしい。
こちらはバーボンより穀物(グレーン)の割合が多いので、クセが少なくすっきりしている。
こちらもハイボールで、レモンを添えればさらに爽快感が増し、香りも紛らわすことができる。
背伸びしたい男性にはぜひスコッチにトライしてほしい。
スコッチとは、ウィスキーの本場・イギリスのスコットランドで作られたウィスキーのことで、
バーボンと違い麦(モルト)の蒸留酒のみを使った「シングルモルト」の銘柄が多い。
かつてのバイト先のジャズバーの店長いわく、
「音楽に例えるなら、
ブレンデッドはオーケストラで
シングルモルトはソリスト」
だという。
多くの味が調和しあって繊細な味を作り出す前者に対し、
後者はひとりだからこその力強さと個性がある、ということだ。
その言葉の通り、スコッチは銘柄によって味が全く異なる。
だからこそ、食事と共にではなく、そのものの味をロックで楽しんでほしい。もちろんチェイサーも忘れずに。
スコッチの中でお気に入りの一杯ができると「お、わかってるな」と思ってもらえる。
スコッチの中でも取っ付きやすいのはマッカランだろう。ロールスロイスとも称されるその味はスマートで芳醇だ。甘みも強いので素直に美味しいと思えるはず。
スコッチらしいクセに挑戦したい人は、はじめにグレンモーレンジやグレンフィデックから始めるといいだろう。鼻に抜けるスモーキーさと舌に残る旨みが絶妙なバランスだ。
さらにスモーキーさを求めるなら、スコッチの中でもアイラ島で作られる「アイラモルト」と呼ばれる種類の銘柄に挑んでもいいだろう。
まずはボウモア。まるで燻製の煙をそのまま吸っているかのようなスモーキーさに驚くはずだ。
これが気に入れば、ラフロイグの免許皆伝である。日本人にとっては「正露丸のにおい」とも言われるその香りは、苦手な人はとことん苦手だが、好きな人はどハマりするらしい。
最後に、ジャパニーズウィスキー。
これは言わずもがな日本で作られたウィスキーだが、実は日本のウィスキーは世界5大ウィスキーに数えられるほどクオリティが高い。
スコッチの伝統的なウィスキーの味を継承しつつも、日本人らしい繊細で重層的な味わいが世界でも高く評価されている。
また、日本人の舌に合うように作られているため、相手の好みがわからない場合でも外れることが少ないのが嬉しい。
年の近い人には、山崎や白州、余市などを贈って、美味しいお酒を自宅で気軽に楽しんでもらう。
両親や目上の方、ご年配の方には上記銘柄の年代物や響、竹鶴などの高級なものを贈ってみよう。
ウィスキー好きならきっと喜んでくださるはず。そこからオススメの銘柄や好みの味を聞いたりして、次の贈り物にも活かせる。
ぜひ参考にしてみてほしい。