見出し画像

高校時代を合唱に全てを捧げた40男が中学生向けに三部合唱を作った話 「旅人になる」F major


みなさんこんにちは!
今週もやってまいりました、「ミュージックタイフーン」のお時間です。
司会は私、旅して体重増え太郎(以下増え太郎)がお送りいたします、よろしくお願いします。
本日のゲストは、40歳にして突如合唱界に彗星の如く現れたという元小学校教職員であった作曲家のマチルダスムニダ先生(以下マチルダ)です!
本日はよろしくお願いします!


マチルダ:彗星は速攻で見えんくなるんだぞ?大丈夫か?


合唱曲を作るきっかけとは

増え太郎:今回初めて合唱曲の作曲に挑戦をされたということですが、何かきっかけはあったのですか?
マチルダ:あのなぁ、オレは高校3年間、とにかく合唱のために生活していた、と言っても過言ではない。クソチンケなクソ中学生時代、クラスの幼馴染の女子が歌のテストで褒めてくれたんだ。その時は「これだ!」って思ったよ。何せそれまで人に褒められることなんか一切なかったからな。

増え太郎:まさに○○ニー中毒の中学生だったと。

マチルダ:その通りよ。マスかきぐらいしか能のない中坊だった。
で、そこから合唱に興味が湧いたんだ。中3で合唱コンクールの指揮もした。オレは何とかそれからの進学の希望を見出し、合唱のできる高校に進学した。それがオレの最初の分かれ道だったかもしれんな。

増え太郎:めくるめく青春の始まりですね!

マチルダ:ああ。だが何事もそう最初からうまくはいかない。
意気揚々と入った合唱部だったが、先輩たちはむちゃくちゃうめえし、顧問は現役バリバリのバリトン歌手だときてやがった。楽譜も読めない、globeのKEIKOの歌ばかり歌っていたオレは、歌の基礎など全くなかった(KEIKOさんに責任は一切ない)。
顧問には「ひどいな、ひどすぎるな」と目の前で言われたもんだ。事実だから仕方ないよな。

増え太郎:女の子にもモテず、よく続けられましたね。

マチルダ:うるせえな! 確かに全くモテなかった。なぜかゴチゴチの黒ブチメガネで入学したしな…お前は何キャラでいきたかったんだよと当時のオレに言ってやりたい。

増え太郎:でもそのおかげで今があると。

マチルダ:まあそうだな。教員なんて真っ当な職に就いても結局こんな呪いのせいで職を手放しちまったしな。後戻りはできないんだ。

楽曲について

増え太郎:先生の与太話はこれぐらいにしておいて、曲のお話に入らせていただきます。

マチルダ:おめえが根掘り葉掘り聞いてきたんだろうが!

増え太郎:最近はポップス歌手がNHKコンクールの課題曲を書くのが定番になっています。

マチルダ:ああ。オレはいいことだとは思う。生徒の意欲が上がることもあるしな。ただ今の曲はメロディが不自然すぎて拒否反応を起こしてしまうことがよくある。突然五線を飛び越えるような高音が出てきたり、Aメロからいきなり高音が出てきたりな。古い人間にはしんどい。

増え太郎:ああ、もう耳がオジサン化していると。

マチルダ:だからオレは親しみやすく、歌っていて不自然ではないメロディを目指した。

増え太郎:「旅人になる」というタイトルですが、これはどのような意味を込めているのですか?

マチルダ:ああ。タイトルは歌詞を眺めているうちに浮かんだ。ターゲットはもちろん今を生きるティーンだ。歌詞を先に書いた。
よくありがちだろ?合唱曲で。「旅」って。

増え太郎:卒業式の定番曲にもありますね。

マチルダ:だろ。でもな、実際人生とは本当に旅なのか…そんなことをたまに考えるんだ。旅というものには必ず終着地があるんだよ。だからどんな道を辿ってこようが、最後は自分の納得できる終着地に辿り着かなければならない。今のオレには全く終着地の見えないものだがな。

増え太郎:のっけから希望があるのかないのかよく分からない返答ですが。

マチルダ:歌詞をまずは読んでほしい。話はそれからだ。

増え太郎:なるほど若者たちが自分たちの目線で語っているような描かれ方をしていますね。

マチルダ:オレは別に若者の代弁者じゃないけどな。ただ、次の世界は彼らの時代だ。オレはこれでも教職員だった時間が長い。だから目の前で、この厳しい時代にも関わらず楽しく、たくましく生きている姿を見てきた。
オレたち大人は子どものためを思ってという体で子どもにいろいろなことをさせる、いろいろとやかく言う、いろんな道を提案する。
しかし子どもはたくましい生き物で、どんな時代だろうが、それしか知らないからその時代でそれなりにたくましく生きていくもんなんだよ。
大人は子どもが間違えそうになったら、さりげなく軌道修正してやればいい。それだけだ。あとは金を稼いで子どもにいろんな世界を見せてやることだ。

増え太郎:本当に子どもの少ない時代になりました。

マチルダ:国の舵取りをする連中がクソ野郎だらけだからな。悪態ついてるだけのオレたちも相当ザコ野郎ではあるが。
大人がカッコいいいとこ見せなきゃダメだろと、この歳になってさらに思うな。で、子どもが興味をもったことに真っ直ぐ進めるような社会を大人が整えるんだ。
でもどんな分野でも甘くはねえ。だからサビの頭にはそんな世の中の奥深さをいきなりブチ込んだ。そんな中でも自分がどれだけがんばったか、自分で認めてやれる図々しさも必要なのさ。
まあ、そんなとこだな。

金八先生との出会い

増え太郎:マチルダさんは、「金八先生シリーズ」が好きだとうかがいました。

マチルダ:そうだな。あの作品もまさにオレの青春だった。ちょうど中3のとき、第5シリーズだったよ。オレも3年B組だった。奇妙な縁だよな。
半年かけてじっくり見てたよ。んで、風間俊介さんたち不良の演技が上手いんだよな…当時のオレは正義感むき出しで彼らを憎んでいた。実は健二郎の家が一番の問題の温床だったというね。この歳になってもいろんなシーンが頭に浮かぶよ。むちゃくちゃきれいな女の子もいっぱいいたしな。

増え太郎:私は俄然安井ちはるちゃん派でした。

マチルダ:彼女は正統派美少女だったもんな。オレの友達にも人気があった。オレは佐伯蘭子派だった。めちゃかわいかった。あと地味に木館雪恵も美人だと思っていた。

増え太郎:話が大いに脱線しましたが…そんな金八シリーズの中でも、好きな歌があるとか。

マチルダ:第4シリーズの「スタートライン」だ。あれはいい歌だった。
当時再放送もやっていたのでよく見ていた。藤田瞳子さんは仮面ライダーアギトでむちゃくちゃ牛肉を食っていた。

増え太郎:いい加減にしろよ…

マチルダ:まあ待て。その「スタートライン」の歌詞で中坊の頃からずっと頭に残っている歌詞がある。
「今私達に 大切なものは 恋や夢を語り合う事じゃなく 一人ぼっちになる為のスタートライン」
どうだ。

増え太郎:若者が恋や夢を語り合うのは当然だと思うのですが…

マチルダ:だろ。しかしな、中学生高校生、自分の生き方に悩む最初の時間だ。だからこそ、人の真似をするのではなく、人に「これにしろ」と決められるのではなく、一人ぼっちになってよく考えてみろよ、ということを海援隊は言いたかったんじゃないかとオレは思うんだ。オレはこの歳になるまで独りだったが、ろくに考えもせずこんな生活になった。

増え太郎:マチルダ先生の歌詞にも「今必要なのは 独りだけの王国だ」という歌詞がありますね。丸パクリのような。

マチルダ:君ィ。明日の電車がいつも通り来ると思うなョ?

キーや調について

増え太郎:今回先生は、F major、つまりヘ長調と決めて作曲をしたのだとか。

マチルダ:そうだ。いろいろなジャンルの曲を作っている中で、合唱曲はFと決めていた。Fの響きは力強く、明るいんだ。だから中高生のようなエネルギーの塊のような存在にはぴったりなんだ。テンポも138とかなり速い。疾走する若者をイメージしている。

増え太郎:なるほど。確かに学生時代に歌った合唱曲も楽譜にフラット一つ…ヘ長調の曲が多かったように思います。しかし曲の入り出しはどう聴いても「夢をあきらめないで」に聴こえるのですが…

マチルダ:コード進行が似ているからだろう。Bメロやサビではかなり違いを出したがな。

増え太郎:サビに向けてどんどん転調していくのがおもしろいですね。

マチルダ:若者の心は常に変化しているんだ。高揚、焦り、不安、緊張、安心、謙遜、不敵、いろんな感情だ。そしてサビでFに戻り、確固たる決意をもって進むという、お決まりのパターンだな。

増え太郎:2番の後には、一転落ち着いたソロパートが。

マチルダ:どんな激しい感情も一旦は落ち着く場面がある。若者はここで旅で出会ったいろいろな人々のことを思い出す。それぞれの生き方や考え方をな。そんな場面を立体的に表現したかった。

増え太郎:なんという工夫ッッ!! なんという引き出しッッ!!

マチルダ:でぁーーーーーはっはっは!!!! 恐れ入ったか!!

増え太郎:ですが、先生。この「旅人になる」は楽譜を作っていらっしゃらないと聞いていますが?

マチルダ:ああ。今世界的に楽譜作りの業界がどえらいことになっている。オレもそれに飲まれて正式な楽譜を作りあぐねているところだ。

増え太郎:なるほど…残念です! もしこの「旅人になる」を演奏されたいという合唱関係者の方がいらっしゃいましたら、ぜひマチルダ先生にご一報を!!

マチルダ:ああ。処女作としては恥ずかしいが、本物の合唱団が歌ってくれることを望んでいるよ。今回の音源は全部オレが歌って女性パートは1オクターブ上げているだけだからな。
Sonarworks「SoundID VoiceAI」が実に気になっている。

※楽曲は10/5 12:00p.m.に公開予定です!
チャンネルはこちら!!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?