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市民が心肺蘇生を行うことはこんなに効果が!

心停止が起こった際、現場に居合わせた一般市民が行う心肺蘇生法(CPR)は、患者の生存率を劇的に向上させます。
今回は市民の方が心停止した人に対して心肺蘇生を行うことでどれだけ心停止した人の予後がよくなるかを示した研究を紹介します。


1. 研究の背景

この研究は、デンマークで2001年から2014年の間に発生した病院外で心停止した患者のデータを分析し、心停止が公共の場と住宅のどちらで発生したかによるCPRの実施率と生存率を調査・分析しました。

2. 主な結果

25,505例が対象になりました(公共の場: 6,738例, 住宅: 18,767例)
現場に居合わせた一般市民が行うCPRの効果は、

30日後の生存率でみると
公共の場では、一般市民のCPRがなし7.6% vs CPRあり25.9% 
住宅では、一般市民のCPRがなし3.3% vs CPRあり10.0%

一般市民が行うCPR により3倍以上生存率が変わることがわかります。

14年間のデータの分析でデンマークでは一般市民のCPR実施率が大きく向上したこともわかりました。

CPRの実施率の向上:
公共の場では、2001年の36.4% ⇒ 2014年の83.1%に増加
住宅では、2001年の16.0% ⇒ 2014年の61.0%に増加

30日後の生存率の向上:
公共の場では、6.4% ⇒ 25.2%に増加
住宅では、2.9% ⇒ 10.0%に増加

公共の場の方がCPRの実施率が高く、生存率も高い結果になっています。
心停止になって倒れた瞬間を目撃されているかどうかや、年齢などが関連しているようです。

3. 結論

この研究は、現場に居合わせた一般市民が行うCPRが病院外で心停止になった患者の生存率を大幅に向上させることを示しています。特に公共の場での効果が顕著です。
日本の一般市民のCPR実施率は59.2%(令和4年)と欧米に比べてまだ低い状況です。
日本もデンマークに負けず、CPRの実施率を向上させたいですね。

もっと知りたい方へ

この研究の詳細については、European Heart Journalに掲載された論文を参照ください。

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参考文献
Kathrine B Sondergaard, et al, Bystander cardiopulmonary resuscitation and long-term outcomes in out-of-hospital cardiac arrest according to location of arrest. European Heart Journal, Volume 40, Issue 3, 14 January 2019, Pages 309–318
令和5年版 救急・救助の現況 総務省消防庁

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