ケルベロスのやっていること全体像
ご覧いただき、ありがとうございます。
再度、お邪魔します。Think@の小崎です。
これまでのアドベントカレンダーで、ケルベロスについていろいろな角度からメンバーが投稿してくれているので、改めてそれらを面として全体像を紹介します。業界関係者の方、アカツキに興味を持っている方、アカツキのメンバーの方、いろいろな方に理解を深めてもらい、興味を持ってもらえれば幸いです。
全体像
ケルベロスでは、以下のメニューでゲーム事業を支援しています。社内外の人からアドバイスを頂いたり、経験より他社の事例を見て、いろいろ積み上げてきました。とはいえ、突飛なことをしていることはなく、おそらく他の会社さんもやっているメニューが多いと思います。
各メニューの説明
1.クリティカルチェック
[目的]
リリース後の運営で発生するクリティカルリスクを回避します。
[内容]
法令面、デザイン面、サーバー面、クライアント面、運営機能面、ビジネス面の様々な観点からチェックを行います。各観点での専門職能が窓口となり、チェックリストをベースにチェックを行っていきます。
開発初期段階では、チェック方法や進め方をすり合わせておき、タイミングがきたら定点チェックを行ったり、非同期コミュニケーションで情報をやりとりして、確認します(なお、ケルベロスは、全体統括・法令面・運営機能面を担っています)。
このチェックで大事なのは「本当にクリティカルな事項かどうか」。プロダクトの性質によってもクリティカルな事項は変わってくるので、機械的なチェックではなく、プロダクトメンバーと対話をしつつ、適宜、判断を入れて対応していきます。
2.品質改善(TF)
[目的]
運営中のプロダクトの品質を根本から改善します。一時的な改善ではなく、恒久的な改善。なので、現状の役割定義やワークフローを見直しを行い、定着までトラッキングします。この取り組みは、タスクフォース(TF)的な動きで、チームの品質が安定してきたらフェードアウトする形をとっています。
[内容]
The 課題解決アプローチです。「現状把握」→「課題抽出」→「あるべき定義」→「計画」→「実行」→「評価」→「見直し」→「定着」。3か月のミッションもあれば半年や1年に及ぶミッションもあります。
3.QRチェック
[目的]
第三者チェック。プロダクトチームの品質保証とは別の目で法令観点を中心にチェックを行い、インシデント発生リスクの低減を図ります。
[内容]
タイミングは検証環境・本番環境。プロダクトの検証後に防波堤的な役割で最終確認を行います。
なお、プロダクト側と情報の連携はしますが、プロダクト側のチェック項目には依存させません。あくまで第三者であることを大事にしています。
(関連記事:CAPS-QRチームって何をやっているの?、在台灣展開風險管理的回顧)
4.リーガルQ&A
[目的]
法令やレギュレーションに関する質問をスピーディーに回答します。
[内容]
質問は、これから実装しようとしている機能のリスク度合いであったり、ユーザー様とのコミュニケーション方法、またプラットフォーム規約変更に対する対応方針を議論したり、幅広く取り扱っています。
この運用で大事にしているのは、「質問のしやすさ」です。情報の共有の観点より、基本はオープンなチャネルでのコミュニケーションとなりますが、情報の秘匿性が高い場合や、多くの人がいるチャネルでの質問の心理的ハードルが高い人もいるので、その場合は特定のチャネルを設けてコミュニケーションします。
5.インシデントマネジメント
[目的]
発生したインシデントに対して、リスク評価と対応の意思決定を行います。また、その際に有識者を巻き込んだり、情報提供を呼び掛け、精度の高い対応を目指します。
[内容]
プロジェクトチームが、影響の大きいと思われるインシデントを、有識者やマネジメント層がいるチャネルに投稿します。その後、我々ケルベロスがリスク評価を行いつつ、リスクレベルに応じて経営層に意思決定を仰ぎます。
このチャネルでは、各プロダクトのインシデントに加え、共通に発生するようなインシデント(プラットフォーム起因による課金障害)も扱います。最新情報や対応方針がチームをまたいで共有されるため、割とスピード感高く、精度の高い対応に近づけられているのではないかなと思っています。
(関連記事:ゲーム運用のリスクは正直しんどい)
6.レギュレーションwiki
[目的]
ゲーム開発・運営ルールがまとめられています。品質基準の可視化、共通言語としての役割に加え、ノウハウを蓄積するための媒体として使っています。また、ガイド情報も蓄積しており、開発・運営の作業効率化の役割も担っています。
[内容]
法令・業界ガイドライン・過去実績・他社事例を根拠に、フェーズ毎に必要な情報をまとめています。アカツキは外部の会社と一緒に共同開発するときもあるのですが、その際にも使ってもらっています。
(関連記事:ケルベロスの最初の取り組み)
7.ラーニング支援
[目的]
法令やレギュレーションのメンバーへの浸透です。
[内容]
ワークショップ、座学、ラーニング動画コンテンツによる視聴で、メンバーの理解を深めています。入社時のオリエンテーションに組み込んだり、プロジェクトからの要望があれば随時開催します。弊社、法務メンバーがYoutuber張りの活躍をしてくれています。
(関連記事:法務からみたケルベロスのいい感じな部分を話してみる)
今後
アカツキはグローバルに突き抜け、IPを軸としたビジネスを加速しようとしています。そのためにケルベロスは、これまで積み上げたノウハウや仕組みをさらに深めて広げる必要があり、それを来年の目標にしようと思っています。
来年の目標
・現状の仕組みの更なるレベルアップ(網羅性UP、水準UP)
・グローバルレギュレーション確立
・ケルベロス領域のキャリア確立(教育プラン、キャリアパス設計)
・人材獲得に向けたケルベロスのブランディング強化
上記の過程で、会社の垣根を越えた取り組みができればと思っています。もし興味ある方はご連絡くださいませ。
来年のアドベントカレンダー(やるかどうかはわからんが)?でまた報告します~。では、よいお年を。
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