社会に仕掛ける学びの到来。
学びを社会につなげ、世界を変える力
こんにちは、アプレンティス高等学院 (2026.4開校予定)代表のKATAYAMAです。
まもなく発表されるiPhone SE第4世代。
テクノロジーは目覚ましい進化を遂げ、私たちの生活を豊かにしています。
しかし、その豊かさの裏には、
私たちが本当に求めている「幸せ」とは何かという問いが潜んでいます。
テクノロジーの進化が必ずしも「幸せ」に直結するとは限りません。
大切なのは、豊かに生き、自分自身の「幸せ」を実感できる生き方を見つけることではないでしょうか。
そして、その生き方を社会と結びつけることこそが、これからの時代を生きる私たちに求められています。
「学びながら働く」という新しい価値観
「学びながら働く」ことは、決して新しい概念ではありません。
ヨーロッパの「ギルド制度」や江戸時代の「奉公」のように、かつては社会の中で手を動かしながら知識や技術を身につけることが当たり前でした。しかし、近代化が進むにつれて、「学ぶことは学校で、働くことは社会に出てから」という考え方が一般的になりました。
皮肉なことに、私はこの変化が「教育制度の充実」によるものだと考えています。
教育制度が整備されたことで、学ぶための場が学校に集中し、働くことは学校を卒業してからという図式が確立されたのです。
変化する社会と曖昧になる境界線
しかし、現代社会では、学ぶことと働くことの境界線が曖昧になりつつあります。
情報化社会の到来により、情報の流れは加速し、変化のスピードはかつてないほど速くなっています。
学校で学んだ知識が、社会に出る頃にはすでに陳腐化していることも珍しくありません。
どれだけ深く考え、仮説を立て、探究を進めても、それが社会にインパクトを与えなければ、単なる知的活動に留まってしまいます。
社会が求めているのは、思考の質だけでなく、
実際に生み出される価値です。
探究学習だけでは社会は変えられない
近年、多くの学校が「探究学習」に力を入れています。
自ら問いを立て、情報を収集し、仮説を立て、検証したものを世界へ発信する。
こうした学びは、これからの社会で必要とされる力を養うために非常に重要です。
しかし、いくら優れたアイデアや研究成果が生まれたとしても、それが社会の中で実践されなければ、実際に役立つかどうかは分かりません。
学びとして完結してしまい、社会にインパクトを与えるまでには至らないのです。
例えば、今でこそ当たり前のように行われている「リユース」は、環境保全にもつながる取り組みです。しかし、日本が成長期だった頃は、他人が使ったものを自分が利用するなんて考えは、ほとんどありませんでした。「リユース」の概念を社会に浸透させたのは、メルカリのようなフリマアプリです。新しいアイデアは最初から完璧なものではなく、小さな実践と改善を積み重ねることで、大きな変化を生み出すのです。
探究学習では、仮説を立てて、確かめることが重要です。
しかし、社会では、「どんな成果を生み出したのか」が問われます。
学びの中で終わらせるのではなく、実際に社会に働きかけ、試行錯誤することが必要なのです。
社会に仕掛ける、そして変化を起こす
「社会に仕掛ける」とは、自分のアイデアを世の中に出し、周りの反応を見ながら改善していくことです。
私は、教員として、教育現場でモヤモヤした気持ちを抱いてきました。
「キャリア教育」は、「生き方を考える学習」という意味として生徒らに指導するのですが、結局は机上での学びから外に出ることはありません。
座学は座学として意味がありますが、実践的な知識やスキルが圧倒的に不足しています。
私は、教え子たちと数年後に再会して、改めてその重要性を感じています。
どれだけ机上で社会について熱く語ろうとも、それは「学校の中の話」でしかありません。
社会に出てはじめて、自分の考えを整理し、行動計画を立てて、実行するようになります。しかし、実際にやってみると、予想外のことが起こり、修正したり、また試したりを繰り返すことが求められます。
こうした経験を通して、知識をただ得るだけでなく、それをどう活かすかが大切だと教え子たちは言います。(まったくもって素晴らしい成長を遂げています。)
学校は守られた場所なので、「安心安全」です。
それはとてもいいことです。
一方で、社会の荒波を経験することなく、ある時を境に、社会の荒波を一気に受け止めなければならない今の社会接続の在り方では、難しくなってきていることも事実として受け止めなければいけません。
学ぶことと働くことは切り離されたものではなく、お互いに影響し合いながら成長を促すものです。
高校生も社会に仕掛けることができる
高校生も、社会に仕掛ける経験を積むことができます。「働くこと」は大人のものだけではありません。
高校生も、自分のアイデアを社会に発信し、働きながら新しいことを学んでいくことができます。
最近では、新しいスキルを学ぶ「リスキリング」や、学び直す「リカレント教育」が注目されています。
これは、もはや「学ぶのは子どもの時だけ」「社会に出たら学びは終わり」という時代ではなくなったことを意味しています。
高校生も、社会に向けて自分の考えを伝え、働く経験を通して、新しい学びを得ることができるのです。
「考える」ことから「行動する」へ
大切なのは、仮説を立てるだけで満足せず、実際に行動を起こすことです。
考えたことを形にし、社会に働きかけることで、新しい価値が生まれます。
学びを社会につなげ、世界に変化を生み出すことこそ、これからの時代に必要な力ではないでしょうか。