見出し画像

🏙兵庫県民が斎藤県知事のリコールで盛り上がらない特殊な事情

氷河期世代の選ばれしエリートである斎藤元彦知事は、イケメンおねだり体質で非常に高い人気があります。
兵庫県庁には斎藤知事に対するラブコールが5000件も殺到するなど、その高い人気は留まることを知りません。

ネットを見ればもう「斎藤やめろヤメロ辞めろ!!」と熱愛を送られていてイケメンであることの大変さというのもを感じます。

しかし、斎藤県知事を愛してやまない人は主に関東や大阪に多く、兵庫県内では、あまり話題になる様子はありません。
神戸に移住して兵庫県内で働くようになっても、オフラインの世界で斎藤県知事に対するリコールで盛り上がると言ったことは全くなく、みな自分の日常を謳歌しております。
となると、県庁にラブコールを寄せたのべ5000人の方々は、多くが県外の住人で占められている可能性が高くなります。

「なんで兵庫県民はこんなのを知事にして呑気でいられるんや!!」

1都7県の住民や大阪府民からは多大なるお叱りをいただいており、これらの声が聞こえないよう、兵庫県民は耳栓をし、神戸市民は今日のコーディネートに命を賭けております。

📢なぜ斎藤県知事へリコールが起こらないか

さて、では何故斎藤県知事に対するリコールが起こらないかを思考実験してみます。
まず大区分として、日本人自体が政治運動を嫌う傾向があるため、この時点で基本的にリコールは起こりようがありません
これは兵庫県以外に関しても全く同じであり、あいちトリエンナーレを巡って愛知県の大村知事にリコール運動が起こりましたが、結果はお粗末なものでした。
大部分の愛知県民は大村知事のリコールに関心が無かったのです。
これは斎藤知事が続投できる理由に、ほぼそのまま直結します。

次に兵庫県の特異な県民性です。
これは地図を見れば一目瞭然です。
と言うのも、兵庫県はエリアによって気候と文化が違い過ぎるのです。
恐らく兵庫県と同程度の特異性を持った県は北海道と沖縄を除けば2県しか無いでしょう。
青森県と山口県です。
これらの共通点としては2つの海に挟まれており、片側が日本海と言うことですね。
なお福岡も瀬戸内海と日本海に囲まれてますが、これによる言葉や文化や気候の違いは正直よくわかりません。

⛄言葉と気候の違いが県民性を隔てる

青森県は大別すると南部地域と津軽地域と下北半島に分かれ、南部と津軽の中間エリアに青森市や十和田湖があります。

青森県庁WEBサイトより拝借

青森県の県庁が示した地図では、青森は概ね6つの区分に分けられてるんですね。
そして南部地域と津軽地域では明瞭な気候差があります。
大平洋に面する八戸はあまり雪が降りませんが、津軽地域は豪雪地帯です。
言葉も違います。
津軽弁の解読の難しさは日本でトップレベルの難しさであり、発音だけ聞くと韓国語にすら聞こえます。

弘前経済新聞が示した津軽弁をご覧ください。
もはやドラクエ2に出てきた〚ふっかつのじゅもん〛です。
一方、南部弁は「全部ではないけど理解はできる」言葉であり、この気候と言葉の違いが「青森県民としての連帯感」を希薄にさせるのです。

江戸時代の地図を見るとより明瞭ですね。
八戸市は弘前市よりも久慈市の方が繋がりが深く、江戸時代で同じ藩だったのは弘前ではなく久慈なのです。

山口県はどうでしょうか。
山口県は北は山陰文化圏、南は山陽文化圏であり、やはり南北で気候が変わってしまいます。
面白いのは下関市で、南北に長い下関市は同一市内でも下関駅と特牛コットイ駅で気候が変わってしまうのです。
と言っても山口県の日本海側は冬の積雪はそんなになくて(松江市を過ぎると冬でもあまり雪が降らなくなるため)日照時間が南部よりは少ないです。

とは言え長州藩自体は非常にデカい藩だったらしく、これが「山口県民としての一体感」は生みやすい事だったかもしれません。
ただし、岩国を除いては・・・。

では兵庫県に戻ってみましょう。

兵庫県のホームぺージより左:現在/右:幕末

兵庫県の気候区分はだいぶ複雑です。
瀬戸内海に面した場所は瀬戸内海式気候で、岡山や広島と概ね同じ気候なのに対し、日本海側は積雪地帯になります。
地図上で水色の部分は「但馬たじま」と呼ばれる地域です。
丹波地域は京都府の丹波地域と気候が同じで、三田市は「近畿のシベリア」と呼ばれるほどの極寒地になります。

当然言葉も違います。
関東の人間には想像が湧き辛いですが、関西は地域ごとに言葉の発音が意外に違うんですね。
何なら大阪市内でも本町・心斎橋を境にキタとミナミで言葉が違うと言われますが、大阪府内でも高槻や枚方と天王寺ではハッキリと分かる違いがあるのです。

兵庫県も実は地域による方言が違っており、尼崎は摂津弁、西宮から神戸は神戸弁、明石(多分)から姫路あたりが播州弁を使い、丹波地域は京丹波と並んで丹波弁、但馬地域は但馬弁と、もう面倒なくらい方言が違います。
特に但馬地域は山陰文化圏であり、丹波地域は兵庫より京丹波の方が文化的に繋がり深く、尼崎は神戸より大阪の方が繋がり深いです。

幕末の藩配置も非常に複雑です。
こうした地理的な特殊性があるため、兵庫県は「兵庫県民としての一体感」と言うのは、非常に感じ辛い仕組みになっているんですね。
そして神戸市民は「神戸市民である=兵庫県民である」と言う意識が希薄であり、アイデンティティの不整合を起こすわけです。

今日もまた「斎藤やめろヤメロ辞めろ!!」の怒号と「兵庫県民なにしてんねん!!」と言う大阪人のお叱りが飛んできます。

「いやいや私は神戸市民であって兵庫県民ではありませんから」
「何ぬかしとんねんボケ😊💢」

今日も神戸市民は斎藤県知事など素知らぬ顔で、オシャレに魂を注ぎます。

ご一読ありがとうございます。お読みいただいた記事がもし無料、あるいは価格以上の価値があると思ったら、フォローならびに、サポートいただけますと幸いです。