斎藤元彦が再当選してしまう[深刻な]理由
正直「やっぱりな」と思うところはありましたが、兵庫県知事選挙は斎藤元彦氏の勝利に終わることとなりました。
パワハラ疑惑が持たれているので「これで斎藤元彦が知事に当選したら笑うわ」と思いつつも、結果は「こんなモンなんやろうな」と言うところです。
個人的には大澤芳清氏が一番政策的に一番良かったのですが、選挙というのは政策で決まることは殆どありません。
選挙というのは印象操作合戦であり、選挙期間外における事前準備が等しく少なければ少ないほど9割が印象で決まります。
残念ながら共産党系の面々はネットが苦手ですから、そら支持なんて伸びようがないですね。
そして今回の選挙では、よく言われているように「マスコミvsネットの戦争」になっており、結果としてネットが勝ちました。
言うまでもなく「パワハラの真偽」が問われているわけではありません。
📢知事パワハラ事件は兵庫では問題視されていなかった
実は大前提として考えないといけないのは、斎藤元彦氏による県職員へのパワハラ事件は兵庫県民の中では問題視されていませんでした。
どちらかと言えば斎藤下ろしに熱心だったのは大阪府民の方で、兵庫県民にとっては県職員に対するパワハラはどうでも良かったと言うことになります。
まるで「兵庫県がパワハラ容認県やん!」と言うてるみたいですが、選挙結果が現にそうなっているので、なんとも言えません。
尤も、兵庫県民の気質というより、日本人の気質としてパワハラ容認傾向があるからブラック企業が多いのであって、パワハラ容認気質は兵庫県民固有の問題でもないと言うことだけは言っておきます。
🎥Youtube•TikTok VS マスメディアの構図
一部ネットで指摘がありますが、今回の県知事選は「保守vs革新」の構図ではありません。
今回は「ネットvsマスメディア」と言う対立軸でした。
そして結果はネットが勝ちました。
実はこれが一番深刻なんですね。
今回、対立候補となる稲村氏や大澤氏はネットを上手く使えていませんでした。
選挙の争点もなんだか分からず終いでしたし、そうしたことも含めて「純粋なメディア戦」になってしまった感はあります。
面白かったのは、人柄は稲村氏の方が評価が高かったんですね。
一応3割の人が政策で評価していると言う結果にはなっています。
ただこれに関して言うと、政策の中身が比較・吟味の中で評価されたと言うよりも「わかりやすく庶民の感情に訴えられたか」と言うことが評価されたと考えています。
例えばですが、私のnoteの記事で最も読まれていないのが統計学の記事です。
統計学の記事は何度か計算し直したりして、結果の正確性など結構力入れて書いているのですが、恥ずかしながら誰からも見向きもされない状態となっております。
統計学は大学で学んでた人からさえ「アレは嫌いやった」と言われたので、それはもう「読みたない」と思う人が大半なんですね。
もちろん「読みたいと思わせる技術の不足」と言うのもあるかとは思いますが。
政治に関しても同様で「正しさよりもわかりやすさが重要」なんです。
ネットでは最近「財務省悪玉論」が流行っていますが、これは以前も竹中平蔵に関して指摘したように「明確な悪を作ることでわかりやすくなる」んです。
そしてネットでは以前から「マスコミと言うわかりやすい悪」が対立軸として存在していましたが。斎藤元彦氏の支持者は財務省悪玉論を掲げ、マスコミ敵視している面々が多くいます。
彼らは「わかりやすい悪」を作ることで、言わば「感情に訴えやすい」ようにできました。
こう言うのは私が最も苦手とする情報発信の仕方ですね。
品質管理の三現主義・5ゲン主義の原理に従うと、どうしてもネット情報は胡散臭く見えるわけです。
斎藤陣営はYoutubeやTikTokで「わかりやすく伝える」ことが上手かった。
これは石丸伸二氏と似ていますね。
私は品質管理の三現主義は政治の世界にも必要な観点やと思ってます。
現場に行き、現物に触れ、現実的に考える。
ここに原理・原則を加えたものを5ゲン主義と言います。
そして現実的に考える上で必要なものが統計データです。
ただ、統計学を履修していない、品質管理の基本知識を学んでいないと、どうしても人間「やっぱり感情で判断する」と言うことになってしまいます。
政治にも品質管理検定視点は大事だと言っても、QC検定は3級ですら半数が落ちますし、中小メーカーに行くと品質管理検定の存在も知らない経営者が珍しくないほどには、品質管理的な視点を持てる有権者なんて稀なわけです。
ただでさえパワハラ事件があまり問題視されておらず、政策的な争点も定まらない中で、ネット動画とマスメディアの印象操作合戦になり、結果として事実に基くかが怪しいネットが勝ってしまったところが、今回の深刻な選挙結果と言えるでしょう。