君達は一体何を監査しているんだ-監査と言う名の企業旅行🏢🚄
「日本最古の原発再稼働」
こんな見出しなんて見るだけで不安しかないのですが、ともあれ高浜原子力発電所は再稼働されることとなりました。
まぁ日本海側は大きなプレートがないからこそできる部分があり、地震が起きても大津波の心配はあまりないからこそ出来ることかと思います。
それにしても再稼働の是非はともかくとして、原発に関する監査は技術者目線を交えて出来ているのかが気になるところです。
まぁこれも「恐らくできていないだろう」というのはわかってるのですが、何も〚監査〛と名の付く行為で碌すっぽ監査出来てないのは役所の原発監査に限った話ではありません。
民間企業同士の監査でも似たようなことが言えます。
子会社への監査やら委託先の監査やら、民間企業同士でも監査があることがあると思うのですが、現場に監査へ行っても現場作業員に何もヒアリングせうに去ってしまう。
これ、何の監査してるのかよくわからないんですよね。
📄現場の人間に訊くべきことは多くある
昔、原発技術者だった人の本を読んだ時に「自分が監査する側の人間だったら〇〇を叩いて貰うと普段の整備がキチンとされてるかわかる(〇〇の中身は忘れました・・・」というような感じのことが書かれてました。
要は、技術者目線で監査することで、現場の人間が隠したいことというのがわかるのです。
いわゆる、事務方にいる人間は現場の人間が隠したがる都合の悪いことが肌感覚でわからないわけです。
物事が回っているのは現場であり、現場に行く以上は現場の人間に訊かなければならないことというのは多くあります。
それこそパっと浮かぶことだけでも、訊くべき項目はこれだけ浮かびます。
⓵品質保証体系図はあるか
⓶インシデント発生時の連絡体制図はあるか
⓷自社のBCPの方針を知っているか
⓸日常業務における基本的な手順書はあるか
⓹新規入職者に対する教育方針はキチンと文書化されているか
⓺経営の年度方針は文書として見れる状態にあるか
⓻就業規則は文書として存在して遵守されているか
等々、パッと思い付くものだけでもこれだけ挙がります。
しかもこれは特定の業界に特化した内容ではなく、まして企業規模を考慮する必要もない質問事項です。
監査先が中小企業だから無くても良いと言う話ではなく、挙げた⓵~⓻全てが中小企業でも、全社員が答えられなければならない内容だけを列挙したものです。
上の1個でも指摘事項があれば、もうヤバいと言って良いです。
これに加えて、業界ごとに確認した方が良い質問事項と言うのはあるでしょう。
利用者に関する文書は何年保存して、会社に置ききれなくなった書類はどうしているのかとか、データはどのように保管されているのかとか、監査に置いては現場の人間に訊くべきことというのは、意外とあります。
🔍監査する側も品質管理の素人…
監査するという点において、現場の人間に訊きたいことが無いというのも、ある意味で「監査する側も素人」なのです。
品質不正のあった三菱電機の品質不正にしても、これまで何の監査も無かったとは思えないんですよね。
不正が起こる背景には、やはり監査する側も漫然と監査している(監査が監査になっていない)ということが考えられます。
三菱電機の不正なんて、日本企業全体の中で表出した氷山の一角と思った方が良さそうです。
品質不正などと言うのは確かにやった企業が一番悪いのですが、監査の時に現場目線でモノを見れる人を連れて行かなかったというのも問題です(これまで何の監査も無く企業活動してるなら別ですが)
そもそも監査は抜き打ちでやらないと意味がないのですけどね。
内部監査にしろ外部監査にしろ、監査日程を現場の人間に伝える(伝わる)ことで不都合を隠す時間を与えてしまいます。
監査の目的は普段からキチンとやるべきことの実行ができているかの確認であって、出来てないところは是正させるのが監査の役目です。
言ってしまえば、監査人なんて言うのは現場の人間と荒波起こしてナンボ、現場の人間から嫌われてナンボなのです。
アメリカの病院なんかは本当に抜き打ち監査が入るそうなんですけどね。
監査日というのは伝えてしまうと対策を取られてしまいます。
言ってしまえば殺人犯に証拠隠滅の時間を与えているようなものです。
少なくとも監査をする人間が品質管理の素人ではよろしくない。せめて現場目線でモノを見れる人は連れて行かないと、現場の人間がどんな不都合を隠したいかを見抜くことができず、またどこかで不正は起きてしまうでしょうね。