「コミュニケーション力ある人が欲しい」⇨ではコミュニケーション力の定義とはなんなのか
「朝イチでパソコンにログインすると勝手にサインアウトされます」
「サインアウトされるんですね。なら再度ログインすれば良いと思います」
「いや・・・パソコンがサインアウトされるから・・・」
「え・・・っと、何を知りたくて私に電話してます?」
「いや、その、勝手にパソコンがサインアウトされるんで・・・」
「勝手にサインアウトされるというのは現象ですよね。私が聞いてるのは何を知りたくて私に電話してるかってことなんですけど?」
「だから・・・パソコンが勝手にサインアウトされるから・・・」
堂々巡りになるんで、適当に「それ不具合じゃないっすから」と言って電話切らせました。
まぁ何でサインアウトされるかって言うのは、答えは知ってるんですよ。あるセキュリティソフトの仕様で、一度サインアウトさせないと動作できないことがあるんです。でも敢えて意地悪したかったので、こちらからは何もヒントも答えも与えずに「故障じゃないから」と、冷たくあしらったというわけです。何とも悪質な遊びしてますね、私。
まぁコールセンター時代にもこんなことはSVに怒られない範囲で実験をしてみたことがあります。
問合せに回答した後、何故か発生した沈黙タイムを2分間放置してみたりとかね。すみません、へそ曲がりなもんで・・・。
さて、困りましたね。上の会話、間違いなくコミュニケーションが成立してません。PCがサインアウトして困ってた叔父さんはきっと、私にこう思ったに違いありません。
「何を知りたいか聞くんじゃなくて汲んで(空気読んで)よ!!」と。
しかし、私からすれば「なんで言語化できないんだ・・・」ということになります。
コミュニケーションとは厄介なもので、特に日本人の場合、非言語コミュニケーション(空気読み)に頼る要素が大きいですから、私みたいに性根の悪い人間に当たった時、何かとトラブルが起きます。
企業の採用担当の方なんかは「コミュニケーション力のある人が欲しい」という人が多いでしょう。今も昔も「コミュニケーション力」は人材として求められる項目№1です。
じゃあね、コミュニケーション力って具体的になんなんでしょう。それを定義できますか?
🌀空気を読んで欲しいのか言語化して欲しいのか
思うにコミュニケーション力って言ったって、いくつかの種類があるわけですよ。しかも職業によって、求められるコミュニケーション力の種類も違ってきます。もっと言うと、営業なんかは個人を相手にするか法人を相手にするかによっても、求められるコミュニケーション力の質は違うでしょう。商材によっても変わるかもしれません。
例えば個人向けに車を販売する仕事。どんなコミュニケーション力が求められるかって言うのは「クルマを売りたいならクルマの話はやめなさい!」を読んでみるのがオススメですが、ざっくり言うと共通の話題を見つける目利きと顧客に共感する力です。これが「自動車営業に求められるコミュニケーション力」ということになります。
勿論、商材が変わっても営業職ならある程度共通した技術かもしれません。
逆に内勤で仕事するなら、お局さんを怒らせない(力関係を把握できる)空気を読む力と言えるでしょう。ただ、特定の人物の発言力が異様に強い職場ってハラスメントも隣り合わせですけどね。
一方で、エンジニア辺りだと、物事を正確に伝える伝達力(言語化力)が必要になるのではないでしょうか。
コミュニケーション力と言っても大別していくと、次のように分けることができます。
❶状況(空気)や相手の立場をお察しできる嗅覚
❷物事を正確に伝える言語化能力
❸相手のニーズを顕在化させる引き出し能力
例えば対面での接客が多い人は、空気読みの能力は必須になるでしょう。外資系ホテルなんかでも、高級ホテルはホテルマンがしっかりと空気を読んでくれ、最高のおもてなしをしてくれると思います。その分、対価は払う必要がありますけどね。
しかし、電話の仕事になると、出来るだけ質問者の要望を言語化させる必要が出てきます。姿が見えない以上「空気を読め」なんて言われても、読み違いは対面以上に発生しやすいわけです。
💻テレワークでは言語化能力が問われる
日本はなかなかテレワークは普及せず、普及しない要因としては中小企業が多いことも挙げられていますが、大企業でもテレワークを止めるところは止めます。
そもそもテレワークのお困りトップがコミュニケーションの課題なのですから、実は設備投資(お金の問題)以上に、コミュニケーションの問題を解決せなアカンというわけです。
で、テレワークになって何が変わるかって、コミュニケーションの取り方が変わるんですよ。だって空気を読むことに任せられないんですから。
電話もそうなのですが、非対面コミュニケーションは言語化できるかどうかが最も重要です。実際問題、テレワークが上手く行ってる国っていうのは、ローコンテクスト文化の国が多いですから。
まぁ日本人は特に中高年世代だと、がっつりハイコンテクスト文化で育ってるのもあって、なかなかテレワークは浸透しないでしょうね。何せ彼らが上司世代なんですから。
🏢どんなコミュニケーション力がある人が欲しいのか
求人でよく見かける「コミュニケーション力がある人が欲しい」も、具体的に「どんな種類のコミュニケーション力がある人が欲しいのか」は定義した方が良いんじゃないかな。
「なんでも定義するのは面倒だし息苦しいでしょ!」
そんな声も聞こえてきそうです。
でもね、仕事の、少なくとも契約に関わることって言うのは、定義をしっかり定めた方が良いです。齟齬も減るし、後々トラブルが少なくなります。
「コミュニケーション力があると見込んで採用したのに思ってたのと違かった・・・」
そんな人事担当者さんには提案です。
『コミュニケーション』と言う言葉を使わずに、自社の求めるコミュニケーション力のある人物像を定義してみてください。
そうすれば応募者からの職務経歴書も、御社に即したPRポイントが寄せられるでしょう。
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