🗾日本共産党に必要なのは若さと庶民性🗾

２０２４年の衆院選では当面は捻れ国会になることが確定し、政情の不安定化が懸念されておりますが、見方を変えれば民主的な政治がされやすい環境になったとも言えます。
報道では「自民党惨敗」と書くメディアもありますが、客観的に見ると「惨敗じゃなくて辛勝では？」と言うのが率直ですね。
昔の都議選でも「自民惨敗」なんて言うのは見ましたが、この「惨敗」の定義が良くわからないんですね。
「惨敗」と言いつつ最大派閥であることはキープされているので、負けてないんですよ。
確かに６０議席減は厳しい結果ですが、石破が総理をキープできる議席数を確保した以上「勝利である」ことに変わりはありません。

🗾今回一番大惨敗したのは日本共産党

では今回惨敗した政党と言えるのはどこでしょうか？
それは日本共産党になります。
これは議席数だけでなく、没収された供託金が４億円を超えたことからも、客観的に見て大惨敗なのです。

擁立した候補者数は１５０人以上いる（一人一人数えるには多過ぎる）中で当選したのは８人です。
ちなみに９議席獲得した、れいわ新選組の擁立した候補者数は１９人なんですね。

さて、何故れいわ新選組を引き合いに出したかというと、これは支持者の政党座標が非常に近い位置にいるからです。

政党座標テスト(上は私の結果)

日本共産党・れいわ新選組共の支持者の気質は左派・共同体主義の人間が多いんですね。
対局にいるのが参政党や日本保守党ですが、ちゃっかり彼らが議席を獲得しているのは、単純に自民党から彼らに票が逃げただけなんです。
考えたくもないことですが、杉田水脈、高市早苗あたりが日本保守党に移籍したら大躍進するでしょうね。
自民党より更に右に振り切れたのが参政党や保守党なので、見方によっては彼らが議席取ったのはより深刻です・・・。

話が脱線しましたが、共産党を見限った人間がれいわ新選組に投票したのです。
そのため、共産党が大惨敗する傍らで、れいわ新選組が大躍進することとなりました。

📊旧・左派政党はマーケティングが弱い

今回の自民党の議席が減ったのは裏金が明るみに出たから、と言うのが左派政党支持者の見解であり、中でも共産党支持者は「赤旗の裏金スクープがあったのに共産党の議席が確保できないのはおかしい！」と不満を述べる人が多くいます。

そして依然として共産党や社民党の支持者に多く見られるのが「良い政策を掲げれば支持者はついてくる筈だ」と言う思い込みです。
確かに共産党の政策は良いものが多いです。
が、政策が良いかどうかは選挙戦にあまり直結していません。
選挙の9割は事前の根回しや地縁/印象(イメージ)で決まってしまうのです。

現実問題として１５０人以上擁立して取った議席が８席しかないと言うことは、選挙戦に入る前の調査や準備が不足していたと言うことです。
実際の戦いでは選挙期間に入る前から地道に活動していた須藤元気すら僅差で負けているくらいですから、選挙期間だけで戦っても無理なんですね。

まして自民党と戦うなら下部組織としてどんな組織がおり、どんなところで強いのかという事前調査は必須です。
例えば青年会議所のある場所で中小企業の多いエリアは左派政党に不利に働くことが多いです。
と言うのも、青年会議所自体が自民党の下部組織のようなものですし、青年会議所には中小企業の経営者や身内がよく集まっています。
青年会議所出身の議員はやはり自民や維新に多く、西日本で自民や維新が強い理由にも青年会議所の存在は多少絡むでしょうね。
これらの青年会議所出身の候補者は地元の中小企業に顔が利きますから、選挙戦に入る前からネットワーク構築ができているのです。

なので単純に政策で選挙戦を戦えることは全くなく、むしろネットワーク戦になっているわけです。
一方、れいわ新選組の勝率の高さはマーケティングの賜物ではないかと思います。
恐らく「どこなら勝てるか」と言う事前分析は概ねできてたんじゃないかな。

🎩現役世代から期待されていないのが現在の共産党

ぶっちゃけ共産党が現役世代から支持されてないのは、彼ら自身もわかってはいると思うんですよね。

３月３日：川崎市民館における小池晃議員演説会レポート<所感編> - Century Political Communication

2019年に行ってみた共産党の演説会ですが、本当に現役世代がいないのです。
５年前と今とで状況は全く変わっておらず、寧ろ当時の支持者でも１割くらいは亡くなっているでしょうから、状況は悪化しております。

確かに政策面において彼らの言ってることはマトモですが、しかし支持者の高齢化は街頭で行われる政治活動を見ても、共産党の支持者は著しく高齢化しているのです。
同様のことは社民党にも言えますね。
そのため、現役世代の受け皿になったのが、れいわ新選組と立憲になってしまったと言うことです。

🏢日本共産党へトップ交代の提言

なぜ現役世代から期待されていないのか？
一つの問題として党首の年齢というのも関係するのではないかと思います。
少なくとも第一次安倍内閣以降、若きリーダーが望まれるようになったのではないかと思います。

今年から共産党の代表になった田村智子氏は、共産党で初の女性リーダーと言うことで、少し組織の活性化すれば良いかと思うのですが、依然として志位和夫の影響力が強過ぎるのはありますね。
流石にトップ交代して１年で代われと言うのは酷なので言いませんが、たつみコータローや山添拓など、若い世代をもう少し広告塔にした方が良いですね。

れいわ新選組は大石あきこ氏を共同代表に起用したのは正解で、庶民的な雰囲気がある・芸ができる・若々しさがある、と言う要件を満たすのは結構大事やったりします。
山本太郎や大石あきこ氏に競馬の話やサブカルの話をしようとしたら多分できるでしょう。
一方、共産党議員の人間と競馬やサブカルの話をするのはほぼ無理です。
宗教や哲学、法律の話、あるいは文学やクラシカルな芸術の話はできても、庶民性がない共産党支持者と競馬やサブカルの話をするのは無理なのです。

教養が高いこと／高潔であることは個人として生きるには良いことですが、政治家としては必ずしも優位には働かないのです。
これも現役世代から支持を得られない要因ですね。

日本共産党に足りないのは若さと庶民性です。
この２つの問題を解決しない限り支持者の高齢化に歯止めが効かず、もう１０年もすれば解党の危機に立たされるでしょう。