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【松本人志 to 中居正広】親友になった楽屋での出来事




かつてダウンタウンはSMAPの事を”こき下ろし”ていた。
それは”男性アイドル”の代表としてのものだったり、単純に悪口も言っていた。

そんな中でダウンタウン×SMAP 初共演。


出会いは最悪

『HEY!HEY!HEY!』(1995.7.10)
ゲスト:SMAP

中居:あ、あの、(SMAPを)嫌いなんですよね?
松本:なにを?コイツ(浜田)やん、(SMAPを)嫌いなん!
浜田:待て!ちょっと待て!ちょっと待て!この後な、ゆっくり話しようや

登場後、すぐにダウンタウンへの不満を爆発させるSMAP。

浜田:まあとりあえずほら、疑惑を解明していこうや。
中居:ちょっと白黒ハッキリしましょうよ
浜田:白黒ハッキリしようや。
松本:どうもね、さっきからね、この”味いちもんめ”がね、なんか攻撃したいみたいなのよ

今までのダウンタウンの発言の真意を追及しようとする中居。

一応、SMAPのことは嫌いではないという事で落ち着く。


メンバーの名前

そもそも松本はメンバーの名前を知っているのか?一人ずつ答えていく流れになる。
隣から「木村拓哉」「森くん」「草彅くん」「稲垣くん」、そして「ヒバゴン」を挟んで最後のひとり。

浜田:これは?リーダー。
松本:“味いちもんめ”やろ?

松本が考えている中、隣の木村拓哉が小声で囁く。

松本:ウソつけ、お前!(木村が)横で「佐藤、佐藤」。それは違うのわかるわ!

結局この日、松本は中居の名前を呼ぶことなく終わった。



『うたばん』スタート

1996年10月15日。中居正広と石橋貴明がMCの音楽番組『うたばん』が始まる。
これによって『HEY!HEY!HEY!』にSMAPが出演しなくなり、ダウンタウンとの共演が減る。
(※1997年4月7日。一度だけ『SMAP×SMAP』の番宣も兼ねてトークのみ中継出演)



『伝説の教師』

2000年4月15日。松本人志が初の連続ドラマ主演となる『伝説の教師』で中居正広と共演。
それは『HEY!HEY!HEY!』のフジテレビでも『うたばん』のTBSでもなく日本テレビで放送。


『ダウンタウンDX』(2000.4.13)

「視聴者は見た!」で中居正広がタレコミ。

浜田さん、ゲストのみなさん、こんばんは。いつも楽しく拝見させていただいています。SMAPの中居正広です。
最近ドラマで一緒で、ずっと松本さんを見ています。松本さんとはドラマの収録中、本当のお兄さんのように接してくれ、楽しくお仕事をさせていただいていますが、その最中普通の役者さんでは考えられないような事を連発しています。
撮影の直前、監督に演技を指導される時、よく松本さんは「じゃあ、次は6割ぐらいでいくわ」とか「じゃあ、次は8割の力で」など、あまり聞かれないことを言うのです。そのことで別段笑いなど起こることもなく
僕にはこれが監督に対するシャレのつもりなのかマジなのかわからなくて、松本さんてこんな人なのかなあ、と思ったりしています。
またある時、ロケで人の家を借りて撮影していたんですけど、その家は玄関だけ借りる約束だったのに、松本さんは突然「大がしたい」とスタッフに無理を言ってトイレに駆け込んでいきました。普通の役者さんなら考えられないこの行動で、別段笑いなど起こりうるようなこともなく
僕にはこれがスタッフに対するシャレのつもりなのか、マジで“大”をしたいのかわからなくて、松本さんてこんな人なんだなあ、と思ったりしています。
それと、もうひとつ忘れられないことがあります。一番最初の出演者の顔合わせの時、みんながすでに勢ぞろいしている中で、松本さんは実に堂々と15分も遅刻されましたそのことで周囲に別段笑いなど起こることもなく
僕にはこれが出演者のみんなに対する、シャレのつもりなのか、マジなのかわからなくて、松本さんてこんな人なんだなあ、と思ったりしています。
みなさん、どう思われますか?

松本のドラマ撮影現場での様子をタレコミ。

松本:あれなんですよ、我々芸人はね、ついつい声がデカくなってしまうんですよ。声が大きくなって、周りの人とのバランスが合わないんで、落としてくれ言われるんで、もう「(声の大きさを)8割ぐらいでいきましょう」
浜田:ああ、なるほど。
松本:もうそれ言うと、もう周りドカーン(大爆笑)!
浜田:ウソつけ!(手紙を読み直し)「別段笑いが起こるわけでも」
松本:笑かそう思って言うてへんがな!うるさいなあ!ええ、あのボケ、ホンマ…

中居に対して、”本当のお兄さん”のように接している松本。
しかし、この時点では2人の関係性は、まだ見えてこない。



ドラマ終了後の2人

『SMAP×SMAP』特別編「Singles」(2001.9.17)

松本:なんでこんな台風が来ようか、いうてる時に…こんな自分…
中居:まあまあ、この『スマスマ』需要があるわけじゃないですか。
松本:うん…
中居:で、番組をやるにあたってどうしようかな?「あ!松本さんがいるじゃないか!」と思って。一番最初にきたのが松本さんでしたね
松本:ふふふ(笑)。まあまあな。
中居:僕の中で。
松本:なんかそら、最終的に困った時には、まあ俺にくるのはわかるけど
中居:ふふふふ(笑)

メンバーの不祥事によって通常収録が出来なくなった番組が「特別編」を放送。
中居正広が選んだ相手は松本人志。

中居:でも、あんまりあれですよね。
松本:なに?
中居:まあまあ、そこそこ、ごはん食べに行ったりするじゃないですか
松本:うん。
中居:で、まあなんか「ちょっとなんか聞いてほしいことがあるんですけど」って…
松本:いやでもな、でも俺思うけど、普段ちょっと逆に会い過ぎてる感があんねんもう今となっては
中居:(うん)
松本:もうちょい会ってなかったら、テレビでもうちょっと、こうフレッシュさが出せるやんか。割と一緒におるやろ。
中居:観てる人は新鮮かもしんないですけど
松本:そうそうそう。

『伝説の教師』終了から1年。
テレビでの共演はないが、プライベートで頻繁に会っていることが明かされる。

中居:僕なんかには鮮度は全然ないわけですよね。
松本:もう全然!倦怠感も甚だしいよ
中居:(笑)
松本:だから、あのなんやろ?ちょっとな。
中居:うん。
松本:別に俺に聞きたいこともないやろ?もう俺の…なんやろ、まつわること、ほとんど俺の行動パターン、何から何まで全部知ってるやろ?

松本人志の事を全て把握するほど深い仲になっていた。



それから一年後、日本テレビでバラエティ特番放送。

『松本人志・中居正広 vs 日本テレビ』(2002.9.26)

Q.2人が出会った時の事を教えてください

中居:ドラマですね。
松本:そうそう。
中居:ドラマをね、一緒にやらさせてもらって。『伝説の教師』ですね。
松本:そうそうそうそう。

共演したのは『HEY!HEY!HEY!』。”出会った”のは『伝説の教師』。
”共演”と”出会い”では関係性が異なる。



お互いのエピソード

頻繁に会っている2人の、今まで語られてこなかった話。

移動車の中で

松本:自分、オカシイで。
中居:ふふふ(笑)
松本:あのね、コイツ オカシイなと思ったのよ。ドラマの移動中に「僕の車に乗ってくださいよ」って乗ったら、なんかこうワゴンみたいなやつでしょ。そこでね、SMAPのコンサートを見せられんのよ
中居:はははは(笑)
松本:いらんやん!寝たいし!しかも自分のとこばっかり、「(解説して)これがね!」。オカシイで。
中居:違う違う、あの時は移動中、「なんかビデオ見ようか」なんつって。たまたま僕の車の中にあったじゃないですか。
松本:うんうん。
中居:でも機嫌よく見てました。
松本:いや、見てないよ!アカンで自分。オカシイで、これ。


「モチベーション」

松本:でもね、言うときますけど、そんな仲良くはないですよ。僕そんなに付き合いをしていきたいと思ってないからね。
中居:そうですか?
松本:キミ、オカシイもん。しゃべってても「ああ、コイツ アホやな」って思うもん。
中居:はははは(笑)

松本:自分あれやろ、「モチベーション」の使い方オカシイ時あるよね。
中居:どういうことですか?
松本:なんか、そんな時に使えへんでっていうような時に。なんか「さっきモチベーション(床に)落ちてましたよ」みたいな感じで言うよね。
中居:(笑)
松本:うそ~ん!「モチベーション」の意味わかってるか?っていう時あるよね。
中居:段々バレてきてる感じですね(笑)。「アイツ頭悪いだろうな」。そういう事は言わないでください。
松本:(笑)


ドラマの打ち上げ

中居:ドラマもそうですよ、ドラマも。打ち上げってあるじゃないですか。一次会があって二次会があって三次会があって。やっぱり一次会はみんな共演者の人来るんですよ。
松本:ええ。
中居:二次会あって三次会ぐらいまで来んのかな。二次会なったら、出演者は僕と松本さんの2人だけだったじゃないですか。あれも、ありえないですね。
松本:ヒドかった。
中居:誰ひとり、もう生徒なんか、ひとりも帰って来ないんですよ。みんな帰っちゃって。
松本:ヒドかったな。
中居:あれはヒドいっすね。
松本:あれ、なんやろな?
中居:僕も初めてです
松本:いや、俺、ドラマってあんなもんなんかなと思ってたけど。
中居:いや、あんなもんじゃないですよ。
松本:あ、そう。


初めて怒られた事

Q.ところで、お2人はプライベートでも仲がよろしいのですか?

中居:ああ、難しいところですね、仲の良い基準っていうのは。
松本:いや~、あのねえ、自分さあ、俺の家来てさあ、ベランダでさあ、夜中の2時~3時に、ブルーハーツ歌うのやめてくれへんかな
中居:(笑)
松本:ものスゴいデカい声よ!?頼むわ。
中居:……
松本:だってSMAPで一番歌ヘタなわけやから
中居:声が抜けるんですよ、あそこ。
松本:ふふっ(笑)
中居:声が抜けて、なんか上手く聞こえる…なんですか、あの時ねえ。スゴい酔っぱらってたかなんかで。
松本:もうイヤ。もうヒドいよ。
中居:ちょっと怒りましたよね?「近所迷惑やろ、お前!」って。
松本:はははは(笑)
中居:初めて怒られました
松本:あれもう、上に外人が住んでんねん!なんか怖いやんけ!
中居:怖いですからね。
松本:もうホンマ頼むわ、もう。いやいや、そんな仲良いってほどでもないでしょ。


共演者は語る

『伝説の教師』で共演した永作博美にインタビュー。

Q. ドラマでの2人の印象は?

永作:あの時は、なんかいっつも2人でいて本当にスゴい仲良いなと、誰が見ても仲良いなって感じでしたね。「♪ 俺たち2人でいいもんね~」みたいな感じで、いつも歩いてたんで。とにかく仲良いなと。(2人の間に)入れないなと思っておりました。

ずっと撮影中も2人。
ゆえに、打ち上げでも2人。



仲良くなったキッカケ

『放送室』(2002.3.21)

高須:中居くんも。自分、考えたらSMAPの一員と友達やねんな
松本:う~ん、そうやなあ。いや、アイツはでもねえ、やっぱりね、ちょっと変人やで
高須:ああ、そう。
松本:あの~、だから芸人寄りの発想も、ちょっと持っとるから、しゃべれるんやと思うわ
高須:ふ~ん。
松本:アレはちょっと変わってるな。
高須:あ、そう。
松本:なんかちょっと、「アイドル」では、やっぱりないな
高須:ないな。
松本:ないよな、あれ。だから、なんかちょっと間違ったら、ホンマ吉本入ってたかもわからんぐらいのとこもあんのよ

「アイドル」というよりも芸人に近い発想を持った変人なので、話すことが出来る。

高須:なんかな、俺は別に中居くんのイメージは、そんな良くもなく悪くもなくみたいなとこやったの、ずーっと。
松本:うん。
高須:なんかSMAP、一時ほら、自分が言うてたやん。「SMAPがこれ…なんやこれ?おい」っていう感じで。「アイドルがどうのこうの」とか言うてたけど、会うてみたらしっかりしてるやん、みんな
松本:うん。
高須:えらいもんで。やっぱりやっとるなあと思うんよ。
松本:そうやねん。それは俺な、ホンマに思うねん
高須:思うやろ?
松本:ホンマに思うねん

過去にダウンタウンが「アイドル」SMAPに対して悪く言っていた。
それが『HEY!HEY!HEY!』初出演時、SMAPが不満を爆発させていた原因にもなっていたが、実際会ってみると印象は変わった。



見る目が変わった日

松本:俺は、中居くんは、ドラマやってた時に、結構キツかったのな、俺
高須:現場でもね。
松本:現場的にも、もう割ともう…
高須:体力的にもそうやし。
松本:体力的にもしんどくて、本があがってくるのが、やっぱ遅い。まあ、なんでもそうらしいけど。で、あがってきたのを見ると、正直ちょっとおかしな所が、もういっぱいあったのね
高須:あるあるあるある。
松本:それが気になってもうて。

レギュラー番組を抱えながら初めての連続ドラマ出演。

松本:でもホンマの役者やったら、まあ多分出来るんやろうな。
高須:うんうん。
松本:それは”本”やから。でも、もう俺は無理やんか
高須:うん。そういうタイプじゃないからな。

おかしな台本を、そのままやるわけにはいかない。
それは、積み上げてきた松本人志への信頼を裏切ることになるからだ。

松本:基本的には自分でやらんと気ぃ済めへんタイプやから。ホンマもう、ごっつしんどかってんけど、ホンマにしんどくて。で、(収録は)3時ぐらいまでやってて、夜の深夜の。ほんで次の日も(朝の)8時とかぐらいにはもう、またそこのスタジオには来なアカンぐらいの感じやんか。
高須:そうやな。朝イチでやるもんな。
松本:何日間か、そんなにキッチリは寝れてない状態の時に本渡されて、もうヘコんだのな

体力も精神も疲弊していた上に納得いかない台本。

松本:「どうしよう?」と思って。「うわぁ…キツイなあ…」と思った時に、中居くんがトントンって来て「お疲れ様でした」って来た時に、「中居くん、本読んだ?」って言うたら「ちょっと気になりますねえ」って言い出して。で、「やっぱり?」って言うて、そっからあの~、なんか1ページ目からやり出したのよ。で、俺はまあコント作る時って、そんな作り方やから。まあまあ、しんどいって言うても、しゃーないからやんねんけど、ずーっと付き合ってくれたのね
高須:うん。付き合ってたな。たしかに終わってからやってた。
松本:そうやねん。あれに俺は、ちょっと感動して。「あ、コイツちゃんとするなあ。なんかそんな軽~い感じで(仕事を)やってるヤツじゃないんやなあ」。そっからやな、俺変わったんは

中居も同じく納得いっていなかった台本。
寝る時間を削って、それを最初から練り直していく。
その仕事に対する姿勢に感動した松本。

松本:だから昔、俺らコント作る時でもそうやんか。みんなもう朝まで(会議やって)、スタジオ出たら、もう外明るいっていうこと、そんな珍しいことでもなかったやんか。それでもみんな、まあまあ、なあ?好きやから。
高須:オモロくなるためには、やってたからなあ
松本:やってたからねえ。それと同じものを感じたから「ああ、コイツただのアイドルではないなあ」っていうのは思ったのよ。
高須:なるほどなるほど。

共演したから単に仲良くなったというわけではない。
2人は「おもしろいものを作る」という同志となったのだ。

その絆は繋がったまま、ドラマ共演から20年後に『まつも to なかい』という2人のバラエティ番組を始めることになる。


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