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1997年 Mr.Children 「解散の噂」と「活動休止」
1997年のMr.Children
1993年11月に発売した『CROSS ROAD』が5カ月かけて100万枚を売り上げてから、桑田佳祐とコラボした『奇跡の地球』を入れ、1997年2月『Everything (It's you)』まで、3年3か月間でシングルは10作連続ミリオンセラー。
(アルバムからのシングルカット曲は除く)
1993年11月10日『CROSS ROAD』
1994年6月1日 『innocent world』
1994年11月10日『Tomorrow never knows』
1994年12月12日『everybody goes -秩序のない現代にドロップキック-』
1995年1月23日 『奇跡の地球』(w/桑田佳祐)
1995年5月10日 『【es】 〜Theme of es〜』
1995年8月10日 『シーソーゲーム 〜勇敢な恋の歌〜』
1996年2月5日 『名もなき詩』
1996年4月10日 『花 -Mémento-Mori-』
1997年2月5日 『Everything (It's you)』
3枚のアルバムは、いずれも200万枚以上の売り上げ。
1994年9月1日 『Atomic Heart』
1996年6月24日 『深海』
1997年3月5日 『BOLERO』
日本で一番売れているバンド に「解散説」が流れる。
解散説
『FAN』(1997.2.14)
MC:永井美奈子
Mr.Children の「解散」について。
桜井:僕らは来年ですよ。
中川:はははは(笑)
永井:来年…いつ頃?
鈴木:いや~、そうですね…(年)明けてぐらい。
永井:明けてぐらい…
桜井:「明けて」って(笑)。漠然としていいですねえ(笑)
鈴木:(笑)
永井:はははは(笑)
「解散話」を、本人たちは笑いにする。
桜井:いろんなウワサが飛び交ってるんですよ。
永井:あ、そうなんですか?
桜井:いやなんか、あのインターネットとか見ると、なんか「解散する」とかいう。だから、あんまり「解散」っていうこと考えたことなかったんですけど、それを機に、なんか最近考え出して(笑顔)
中川:前向きに考えるようになって。
鈴木:かなり検討してます。
永井:そう言ってるうちは絶対ないでしょうね。いや~、いい感じですよね。
「解散説」が流れたことで「解散を前向きに考える」という皮肉を言うメンバー。
永井:なんか、さっきも社員食堂で、そのままご飯食べてたんですって?(笑)
鈴木:食べてました。
永井:それ衣装じゃないんですか?
中川:衣装です。
鈴木:これ買い取ります。
永井:あ、買い取る(笑)
ミスチル:(笑)
永井:田原さんは?
田原:僕は部屋でお弁当。仲悪いんで。
鈴木:はははは(笑)
桜井:(笑)
中川:(笑)
鈴木:なんか、お前が言うと信憑性ある。
「メンバーの不仲で解散」という、ありきたりなストーリーに乗ってあげている4人。
しかし、一カ月後の1997年3月23日 Mr.Children が突然活動休止を発表。
「笑い話」だったはずの「解散」が、一転シリアスなものとなる。
活動休止
『HEY!HEY!HEY!』(1997.3.17)
松本:なんか、今回はあんまりテレビ出ないらしいですね。
浜田:というかね、なんか、今ツアーやってんの?
桜井:そうですね。
浜田:終わったら、また休むんやろ?
桜井:そうなんですよ。
浜田:コイツらなあ、休んでばっかりやで!
ミスチル:(笑)
"Tour Regress or Progress ‘96~’97 FINAL" の東京ドーム公演を最後に活動休止。
最後のテレビ出演
『FAN』(1997.4.4)
司会:永井美奈子
今夜の『FAN』の出演を最後に Mr.Children は、しばしの見納め。
ということで、バンドの歴史を振り返ってみる。
1994年11月10日 『Tomorrow never knows』
1994年12月12日 『everybody goes -秩序のない現代にドロップキック-』
1995年 1月23日 『奇跡の地球』(w/桑田佳祐)
一カ月おきに新曲を出していた時期について。
桜井:そりゃ、おかしくなるよなあ。
永井:おかしくなりますか?
桜井:バンドもねえ。
鈴木:ねえ。やっぱ仲悪くなるね。
永井:ふふふ(笑)
鈴木:しょうがないですね。
永井:仲悪いんですか?(笑)
桜井:ふふ(笑)
永井:いや~、もうわかってて聞きますけど、別に。
鈴木:ええ、ええ。
永井:仲悪いんですね?
鈴木:はい!
活動休止発表の前と後では「不仲ネタ」の重みも変わってくる。
ALIVE
新アルバム『BOLERO』に収録されている『ALIVE』。
夢はなくとも 希望はなくとも
目の前の遥かな道を
やがて何処かで 光は射すだろう
その日まで魂は燃え
この曲を最後に披露して、Mr.Children はテレビから消えた。
Mr.Childen からメッセージ
解散するバンドの3つの原因
○ 不仲…
○ 才能がなかった…
○ 解散するしか話題がなかった…
Mr.Childenは
どれにもあてはまりません…
安心してください…
来年またすばらしいアルバムを
作ることを約束します…
その時まで…
1997.3.27・28 in TOKYO DOME
Mr.Childen は「解散」を否定して、活動休止明けに新アルバムを出すことを約束した。
復活
『ミュージックステーション』(1998.10.23)
タモリ:すごいよね。1年半ぶりだよね。
桜井: そうですね。
タモリ:1年半ぶりにポッと出して、プッと1位になって出てくるっていうのは、これすごいよ。
桜井:ああ、そうですか。ありがとうございます(笑)
鈴木:ありがとうございます。
タモリ:普通、消えてるよ。(セルフツッコミで)そんな事はない。
桜井:そうですか。
活動休止期間中に『ニシエヒガシエ』をリリース。
そして、『終わりなき旅』を引っ提げて Mr.Children が帰ってきた。
活動休止の理由
タモリ:なんで1年半休もうかと思ったの?
桜井:でも、結構前から決まってた事ではあって。
タモリ:休養取ろうという。
桜井:でまあ、休みのために、それまでとりあえず一生懸命頑張ろうと。
タモリ:ああ、そう。期間は決めてなかったの?
桜井:そうですね。
鈴木:だいたい1年ぐらいかな、と。
タモリ:1年ぐらいかな、という。
鈴木:うん。
活動休止を計画に入れて活動していた。
活動休止中の過ごし方
タモリ:何やってた?
桜井:(鈴木に)何やってた?
鈴木:(中川に)何してました?
桜井:でも、何もしてないんですよ。
鈴木:本当に。
桜井:もう海外にも行ってなければ。
タモリ:あ、そう。
桜井:ええ。
特に何かをするための休みではなかった。
タモリ:曲書くっていうのは?
桜井:曲もね、最初の1年は、ずっと休んでたんで曲もほとんど書いてなかったですね。
鈴木:ひたすら飲んでるだけ。
タモリ:音楽は何もしたくなかった?
桜井:う~ん…
鈴木:ちょこっと、あの~、僕とベースの中川でユニット組んでやりましたけど。まあ「ユニット」って、そんな偉そうなもんじゃないんで、まあ遊びでセッションバンドみたいな。
タモリ:ええ…、1年半何やってたの?それじゃ。なんかやらなきゃ。
鈴木・中川と、山中さわお(the pillows)、藤井謙二(MY LITTLE LOVER)の4人で『林英男』というバンドを結成。
桜井:週に1~2回…いや、3~4回は、まあ飲んでて。
タモリ:うんうん。
桜井:あとはサッカーとか野球とかやってましたね。
タモリ:サッカーも野球もやってる。
桜井:そうですね。
Mr.Children の野球チーム「ジミケン」に加えて、サッカーも始動。
タモリ:1~2回飲むっていうのは、連絡して「ちょっと会わない?」っていうことなの?
鈴木:いやいや、なんかいつも行ってる店があるんで、行くといるんですよ誰かしら。「あら」みたいな。
桜井:行きつけの飲み屋で飲んでると、マスターが「今から鈴木が来るってよ」とか言って。
タモリ:へえ。
鈴木:そんな感じで。
タモリ:飲んでる店ってのは一緒なの?
桜井:ひとつしかない。
鈴木:そうっすねえ。オンリーワン。
タモリ:地味だね~!
桜井:ふふ(笑)
音楽活動はせず、「友達」として飲んでいた。
タモリ:あとはもう野球とサッカーを適当にやって。
鈴木:そうっすね。まあ、温泉行ったりとか。
タモリ:温泉?普通、海外旅行とか行くけどねえ。行かない?
鈴木:なんか、日本が好きみたいですね。ふふ(笑)
桜井:かえって疲れちゃうんですよね、海外行くと。
タモリ:海外旅行って意外と疲れるもんね。帰ってきた後、一週間ぐらい行くとね。
桜井:そうっすね。
本当の休養期間を過ごしたメンバー。
『HEY!HEY!HEY!』(1998.11.16)
1年8カ月ぶりの出演。
浜田:キミら、「1年」いう約束ちゃうかったか?
松本:そうや、俺も「1年」って聞いてたよ。
浜田:なあ。
予定より半年伸びた休養。
浜田:最後はウチやったんですよ、テレビは。
松本:ああ、そうやそうや。
鈴木:ああ。
浜田:んで、「1年(休み)」って言うて消えていったんですよ。
活動休止前、最後のテレビ番組収録は『HEY!HEY!HEY!』だった。
松本:ほいで、復帰はどこでしたの?
桜井:復帰は、え~っと…
浜田:ウチ来る前に、いろいろ出てるんや?え?
桜井:(笑)
浜田:ウチ来る前に、いろいろ出てるんや?
桜井:はははは(笑)
松本:ウチで終わったやんか?
浜田:ウチで終わったなあ。
松本:ほんで始まりもウチとか、お前らは思えへんのかコラァ!
浜田:はははは(笑)
桜井:はははは(笑)
ダウンタウンからの洗礼。
音楽シーンの変化
浜田:キミらと入れ替わりに、いっぱい出てきたがな。
松本:その間(かん)ね。
桜井:はいはいはい。
浜田:イマイチそないになってなかったのに、キミら休んだ途端にGLAYや~、なんや~。ねえ?
活動休止期間中、GLAY・L'Arc〜en〜Cielが大躍進した。
松本:いやそれね、向こうもイヤやと思いますよ、帰って来られたら。
浜田:あ、そうか。
松本:そらイヤですよねえ?なんかあの、ごっつい不良仲間のワルの奴がね、少年院から出てきて戻って来るみたいなもんですから。
浜田:はははは(笑)
1998年、CD売り上げが絶頂となった音楽シーンに Mr.Children が帰ってきた。