機材おじさんと野草食
野食ハンターをご存知だろうか?
「野食ハンマープライス」というブログや、「野食ハンター茸本朗ch」というYouTubeをやられている茸本朗氏のことである。
氏は長年にわたり、野で採れる野草や釣りで外道扱いされる魚達、あるいは亀や蛇などの爬虫類やバッタや芋虫などの昆虫類に至るまで、実際に食べてそのおいしさ、あるいはときにはまずさや危険性まで体当たりで伝えておられる、偉大な方である。
氏の活動の一部を思い出せるだけ書いてみると:
人間には消化できない脂肪を含む魚(バラムツ)を食べて肛門が失格する
杏仁豆腐の香りがする虫(フェモラータオオモモブトハムシという、すっかり覚えてしまった・・・)ををパンに練り込んで虫パンを作って食べる
毒草である彼岸花の球根を毒抜きして食べる
3日間野で取れる食材だけで生活する
このような多岐にわたる活動をしておられるのだ。
そんなわけでわたしも影響されてしまったわけだ。
いきなり昆虫や爬虫類を食べるのは抵抗があるので、ひとまず川辺に生えている野草を採って食べる活動をしている。
茸本氏が野食ハンターLv100だとすると、わたしはLv2か3あたりであろうか。
(ハンターLv2か、ふん、ゴミめ)
ともあれ、今の季節(4月)は春の野草が利用できる季節である。
わたしも、ノビルを茹でて酢味噌に和えたり、菜の花やたんぽぽの花を天ぷらにしたりしてそれなりに楽しんでいる。
とくにたんぽぽなんてどこにでも生えているので、野食初心者にはおすすめだ。
ただし、そこがお犬様の散歩コースでないことだけは確認しておくのが吉であろう。
最近は書店などにいくと、野草図鑑などを手に取ることが多い。
いろいろな野草を学ぶことにより、いつもの道に様々な植物が生えていることが認識できるようになってくる。
以前は「雑草」として雑に認識していただけだったが、それぞれの名前と食べられるか食べられないかという知識があるだけで、世界の解像度がぐんと上がった感じがする。
人間の3大欲求というやつがあるが、情報への欲求も人間の基本的欲求に加えてもいいのではないかと個人的には思っている。
3大欲求だけが満たされても、人間は「飽き」という毒によってやがて精神に不調をきたすことになる。
それほどまでに、この世界からいかに情報を引き出すかというのは生活にとって重要なことなのである。
この「野草食」という新しい趣味は、ノーコストで世界の解像度を上げ、受け取れる情報量を増やしてくれる、コスパ最高の趣味である。
先日も、いつものように川辺でカラスノエンドウを採取して天ぷらにしたのだが、謎に肉っぽい味がして美味しかった。
こういった発見があるのも野草食の醍醐味だ。
ところで、後日同じ場所でカラスノエンドウを採取していたのだが、新芽の内側に黒いゴマ粒のようなものが大量に蠢いているのを見つけた。
あの肉っぽい味はつまり・・・。
気づかないうちにハンターLvがアップしていたのかもしれなかった。