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Centerの仕事のこと 2024

 Centerは夫婦2人で運営しているオルタナティブ・スペースです。2Fに三部屋の宿泊、1Fは月金土でショップ/カフェ/ギャラリーとしてオープン、実験映画・実験音楽を中心としたイベントも開催しています。それぞれアーティスト活動をしており(センター長の河野は小休止中)、たまに自分たちも出演してます。

 イベント時以外の1Fは週3オープンで結構のんびりしているので、いつも暇そうだな~と思われるかもしれませんが(?)オープン3年目を迎え宿泊が少しずつ軌道に乗って来たこともあり、今年は正直かなりの修羅場でした。。!ということで、noteを利用して業務の棚卸をしつつ、今年のまとめと反省をしようと思います。


1Fの仕事

①イベント企画・運営

 一番の軸としている部分です。月1-2本程度、多い時には月4本開催、常に何本かの企画を並行して進めています。映像関係は副セン、音関係はセン長、それ以外は2人で担当しています。が、諸事情により2024年はほとんど副センが担当しました。計28本+α。(本当にお疲れ様でした)

毎年恒例になってきた夏まつりセンター。今年は落語の高座を設置 (2024年8月)

 知り合いから「今度日本に行くから!」と連絡が来たり、知り合いの知り合いのアーティストからの問い合わせがきっかけであることが多く、そこから日時や内容を詰めていきます。映像関係は特に、英語で紹介文を読み込んで、上映後の解説やトーク・Q&Aもしなければならないので、毎回かなりのプレッシャーのようです(副セン談)。日時と内容が決まったら、フライヤー作成、SNSでの告知、新聞イベント欄への掲載依頼などを進めていきます。

カナダのアーティスト夫妻による展示とフィルムワークショップ。通訳的なこともやります
(2024年6月)

 上映だけでなく、ライブ・展示・ワークショップ・夏祭り・トークイベントなどもやっています。2人ともライブや上映の企画を15年以上やってきたので、その延長線上の活動ではありますが、Centerでは企画の幅が広いので毎回かなり試行錯誤しています。企画当日は受付・ドリンク提供・司会進行をしながら、時には子供の相手をしつつ、自分も出演したり、、と、すでに書いていて結構詰め込み過ぎなんじゃないかと思い始めました。

②物販の仕入れ・管理

 主に知り合いの作品やオリジナルグッズ、鹿沼木工、CD、ZINE、雑貨、靴下を販売しています。仕入はとても楽しいのですが、数ある中から自分が納得の行く商品を選んだり、時には取引が出来るかどうかの問い合わせから始まるので、地味に手間がかかります。

 そして、ZINEは読まないと紹介が出来ないし、現地のレビューさえもほとんどない実験音楽の作品を日本語で短く説明するのは本当に至難の技で、これを生業としているCDショップや本屋さんには本当に頭が下がる想いです…!やはり餅は餅屋ですね。

 あと、今年はオリジナル手ぬぐいを制作したり、シルクスクリーンでTシャツを作り始めたりもしました。(デザインは専門の方にお願いしましたが)こういうのも自分たちでちまちまやってるから仕事が増えるんでしょうね、好きだからやってるんですけどね。

シルクスクリーンの版は「もっと!いい状態!!」にデザイン/制作してもらいました (2024年7月)

③飲食物の提供

 宿泊時のモーニングと、週末のランチに提供しているCenterのバクテーはオリジナルレシピで、すべて手作りです。鶏肉は地元の農家から、漢方は台湾から買い付け、副菜は直売所で季節の野菜を購入するところから始まります。

 コーヒーは月1回、地元のフェアトレードショップで焙煎してもらった豆を使用しています。月替わりで産地や種類が異なるので、隠れたお楽しみです。ジュースは宇都宮の荒牧りんご園が作っている無添加のものを直接仕入れに行っており、お酒類は副センがこれは!と思うものを地元の酒屋さんから仕入れています。

Centerオリジナルバクテーはスープ/小鉢/ご飯/ドリンクで1,380円

 店内で提供する器は益子焼を使用しています。こちらも窯元から直接仕入れしており、一部販売もしています。テイクアウト用カップはプラを使用しないバタフライカップや、プラスチック類も生分解できるものをチョイスしています。つまるところ、色々とこだわりがあるので、何かと面倒です。

④清掃やメンテナンス、名もなき仕事たち

 1F=150㎡は放っておくと落ち葉が溜まったり、ただでさえ元ガレージで店っぽくないので、毎週けっこう隅々まで掃除をしています。オープン前には机やイスを拭いたり、商品のホコリを払ったり、コタツやクッションも毎回風通しして、コロコロで綺麗にしています(これは当たり前ですが)。

1Fのスタジオは来年以降アーティスト・イン・レジデンスの作業場として活用します

 また、今年は1Fにスタジオを作りました。物置もDIYしました(主に副センが)。チラシ設置コーナーをアップデートしたり、商品置き場を作ったり、ビニールカーテンのメンテナンス、ハンドソープやアルコールの補充、大雨の対策、営業カレンダーを作ったり貼ったり、等々。本当に名もなき仕事ばかりですが、すべて自分たちで行っています。

2Fの仕事

①宿泊予約の受付、ウェブサイトやOTAのメンテナンス

 Centerウェブサイトから直接ご予約をいただいたり、各種OTA(Online Travel Agent)経由でもご予約をいただきます。予約リストのメンテナンスや、予約カレンダーの管理なども自分たちで行っています。鹿沼は観光地ではないので、黙っていてもなかなか予約が入りません(涙)が、少しずつ認知度が上がってきたところです。また、ビジネスホテルと勘違いして来センされるお客様も中にはいらっしゃるので、ミスマッチが起こらないよう、かつCenterや周辺の魅力が伝わるよう、季節によって写真を掲載したり、説明文や注意書きを常に更新しています。

あちこちに懐かしい風景が残っているのが鹿沼の良いところ

②チェックイン対応

 予約当日にはチェックイン対応(館内の説明や清算)を日本語か英語で行います。日時によっては非対面でご案内することもありますが、お互い顔が見えていた方が安心するので、出来る限り対面でご案内するように心がけています。が、到着時刻に合わせて待機するも、予定が前後するのは日常茶飯事!また、OTA経由だとメッセージを見逃している方も多く、到着時刻が不明のことも多々あり(涙)。無事に到着してチェックイン、チェックアウトしていただけるまで、本当に毎回ドキドキハラハラしています。

③清掃やメンテナンス、名もなき仕事たち

 なんと言っても、清掃が一番の重労働です。お客様をお見送りした後は半日かけて掃除をします。1Fのオープン準備もあるので、これが1人だと本当に大変。Centerはたった3部屋ですが、大規模ホテルだったら…と思うと気が狂いそうです。

自分が潔癖なので、お部屋を綺麗に保つよう毎回頑張ってます!

 手の触れるところはアルコール消毒をし、布団のリネン類を剥いで、掃除機・雑巾・コロコロなどあらゆる道具で髪の毛一本たりとも残さないように掃除してから新しいリネンをセット。トイレやキッチン、水回りは自然に優しい洗剤を使って洗い、水回りはなるべく水分を残さないように拭き上げ。ゴミを集めて、電気や棚のホコリを払い、トイレットペーパーやシャンプー類などの消耗品を補充したり、土間を掃いたり、ゴミ袋をセットしたり、アロマオイルを垂らしたり、スリッパを拭いたり、冷蔵庫をチェックしたり、インテリアを更新したり…もうとにかく私の職業=清掃員ですと言いたいくらい、ひたすら掃除をします。そして、後半に挙げたような、名もなき仕事も本当に多い。

 あとは、宿泊施設のメンテナンスも地味に手間がかかります。床が汚れたらサンダーをかけたり、保護剤を塗ったり、個室に作り替えたり、天井を張り替えたり、イスを直したり、棚を新設したり、注意書きを(泣く泣く)増やしたり。チェックイン時にお渡ししている宿泊案内も改定しました。

何でも自分たちでやる楽しさと大変さ

 その他にも写真撮影や画像データ整理、SNS運用(note含む)、ウェブサイトの維持、会計、なども基本は自分たちでやっています。

 何でも自分たちでやっているんだぞー!ということを自慢したかった訳ではなく、ちょっと自分たちで色々やり過ぎてしまったかなというのが今年の反省です。予算を抑えるためという側面もありますが、自分たちの店は自分たちで作りたいという変なこだわりと、これもあれもやってみたい!というアイデアと想いと、自分たちなら出来るはずという妙な自信とプライドが助長した節もあったと思います。。(その代わり経験値は上がりました)

 今年はそれが裏目に出て、諸事情で1人体制も多くなったことにより、色々とほころびが出てきてしまいました。ほころびは基本すべて家庭に行くので、喧嘩が増えたり、どちらかがすっごく不機嫌だったり、どこにも出かけられなかったり、体調を崩したり、子供たちには悪いことをしてしまったなぁと思っています。。家庭内を出来る限り平穏に、機嫌よく過ごすためには、仕事の詰め込み過ぎはいけません!!!あとは何事にも常に余裕(バッファ)をもっておくことが大事ですね、身に沁みて反省しています。

 個人経営の小さな店は特に、家も店もどちらもうまく回すことで、初めて上手く行くんだよなぁとひしひし感じた2024年でした。売上的には決して余裕がある訳ではないので、がむしゃらに頑張ることも時には大切かもしれませんが、2025年はもう少し仕事を精査して、器用貧乏から抜け出せるよう頑張りたいです(切実)!!あとは、より文化芸術の活動に力を入れられるよう、ここ5年以内でCenterの形態も変えたいので、その準備を進めていきたいと構想を練っています。こんな面倒な私共ですが、お客様や周りの皆様のおかげでここまでやってこれました。どうもありがとうございました。来年もCenterをよろしくお願いします!

鹿沼秋まつりにお越しいただいた皆さんと。どうもありがとうございました!

追記:今年は副センには本当に苦労をかけました。ありがとう。私も頑張ったけどね。

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