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【教育学部→会社員→消防士】K.Sさんのセナカ(インタビューver.)
略歴
大学:地元の私立大学教育学部 卒業
1社目:地元の優良企業
現在:消防士(2017年1月〜:現職)
プロフィール
1991年生まれ
性別:男性
お住まいの都道府県:静岡県
出身地:静岡県静岡市
一問一答ver.はこちらから
---以下インタビュー本編---
C, Inc.井端(以下、井端):本日はよろしくお願いいたします。
K.Sさん(以下、K.S):こちらこそよろしくお願いします。
井端:簡単に自己紹介をお願いします!
K.S:K.Sといいます。1991年生まれの静岡県出身で、現在は地元で消防士をやっています。
井端:ありがとうございます。早速、K.Sさんの半生についてお伺いしていきたいと思います!
地元の私立大学教育学部 入学前
この学校・学部を選んだ理由
井端:早速ですが、この学校・学部を選んだ理由を教えてください!
K.S:もともと自分は特にやりたいことがあるタイプではありませんでした。
井端:当時は明確に理由はなかったんですね。そしたら入るまでの経緯をお聞きしたいです!
K.S:はい、特にやりたいことがない中「割と学校は好き」「体動かすのも好き」ということから体育の先生は良さそうだとなんとなく思っていました。だけど倍率が高いと聞いていたので…じゃあ他にはと考えた時日本史も好きだったので、じゃあ社会科の先生とかかなと考えました。
井端:自分が好きと感じるものから仕事を考えていったのですね。
K.S:そうですね。そして具体的な進学先としては、国公立の大学を志願していました。親からも金銭面から国公立なら県外行ってもいいよと言われていた部分が影響していたと思います、基本的に私立はNGという感じですね。
K.S:しかしセンター試験でうまくいかなくて、じゃあ浪人するかどうかと考えたけど色々模索する中でこの大学を知りました。私立の中でも学費は安かったため県外で一人暮らしするのにかかる金額を考えたら私立だけど結果的にこっちの方が良いんじゃないかとなり、親からもOKが出て決まりました。
大学生/地元の私立大学教育学部 時代
学校の満足度
井端:それでは大学生編ですね。単刀直入な質問で恐縮ですが、学校の満足度はどうでしたか…!?
K.S:そうですね、点数としては90点ぐらいです。
井端:おお、かなり高いですね!
K.S:振り返ってみると良かったなと感じています。友達に恵まれたのが大きいです。実際1年生の最初は他の学校への編入も考えていたぐらいですが結果的にそういう意思決定をしなかったのは良い人付き合いができたことが影響しているかなと思います。
井端:最初は編入したいという気持ちを持っていたんですか…!
K.S:ありましたね。さっきの話からの通り、すごくこの大学に行きたいという訳ではなくどちらかというと県外の大学に行きたかったと思っていたので。実際に1年生の6、7月の時は再度また受験しようと友達に少し話をしていたくらいです。笑
K.S:理由としては2つあって、就職する時は住みなれた静岡に戻ってくるだろうとなんとなく思っていたというのが1つ。もう1つは自分のことを誰も知らない環境に身を置きたいなという気持ちもあったからです。大学4年間は地元から離れて過ごしたい、遊びたいと考えていましたね。
井端:なるほど、ただ結果的には人との出会いもあったことからそれらの行動は行わなかったわけですね。
進路に関わる印象的な出来事
井端:学校生活の中で進路に関わる印象的な出来事はありましたか?
K.S:4年間の中では劇的な変化はなく、全体的に漠然と過ごしていた感がありますが挙げるとするとやはり教育実習かなと思います。この経験を通して「少なくともすぐに教員になることは止めよう」と考え始めました。
井端:そうなんですか!少し詳しく伺っても良いでしょうか。
K.S:はい。そもそも自分は大学に入った段階から絶対「先生」とは考えていませんでした。周りからは「先生向いている」と言われることもあったのですが、自分としては選択肢の1つとしか考えてませんでしたね。
K.S:小中高と学校に通い、また仕事としてそのまま学校に戻るのも何だかなと感じていました。ここは持論になってしまいますが、学校とは社会に出る前の準備段階の場所なのに、社会に出ていない人がそこに携わるというのも個人的に何だかなと感じていましたね…
K.S:教員免許は取るし、どうしてもなりたいと思った時になればいいやというぐらいの考えでした。
井端:実際に4年間教育学部で勉強してみて、その時に抱く気持ちを通して決めようとされていたんですね。
K.S:そうですね。ただ実は大学入学時から面食らっていました。笑 なぜかというと入った時に、あまりにもみんなが「(なりたい職業は)先生、先生」と言っていたからです。モチベーションの違いを感じました。当たり前だとは思いますが正直びっくりしました。自分以外のみんなが「なりたい職業は先生」ぐらいの勢いだったと思います。
K.S:周りは自分の教育観を持っていてそれが正しい間違っているはよく分からないと思っていたけど、反対に自分の中にそういう教育観がないことにも気づいて羨ましいとも思っていました。笑
井端:自分の気持ちをかなり俯瞰して捉えてらっしゃったんですね。
K.S:はい、そんな気持ちの中最終的に決め手になったのは実習だったと思います。いざ現場を実際に経験したことを通して「もしかしたら自分って思っていたほど子供好きじゃないかもな」という気持ちにも気づいてしまいました。
井端:なるほど…ここは向き合ってみないと気づけないところだと感じます。
K.S:先生はある意味子供の模範になる存在で責任ある仕事です。今の自分のままそんな立場にはなりたくないし、なれないなと思いました。なりたいと思う人がなればいいんだと。色々なことを経験して最終的に自分の仕事ではないんだろうなと思いました。笑
専門・専攻のまま次に進むかどうか→進まない
井端:それではそれらの経験を経て、教員採用試験ではなく就活に進むことを決めた形でしょうか。
K.S:はい、就活することに決めました。
井端:けど教育学部で周りは教員志望ばかりだったかと思います、どこから就活に手をつけたら良いかは迷いそうな気もするのですがどうでしょうか…?
K.S:おっしゃる通りですね。笑 自分は社会専攻で30人くらいクラスメートがいたのですが、先生志望とそれ以外の職業を目指す人の割合は9:1でした。先生以外を目指す人が少なすぎて、どうしようかとは正直思いましたね。笑
K.S:最初は専攻内に3人。しかしその後、1人は結局教師を目指すことになり、もう一人は主体的に動くタイプではないのでどうしようかなーとなっていました。しかし大学2年か3年の時に「就職希望者が集まる説明会」が学校のイベントがあってそれに参加しました。そこで知っている人いるかなーと思って周りを見渡していたら2人くらい知り合いを発見できました。それで少し気が楽にはなりましたね。
井端:周りは先生志望の方々ばかりだったと思うので一緒に就活に取り組む仲間を探すのにもどうしても苦労するかと思いますが結果的に見つかってよかったですね…!!
井端:それでは就活当時の具体的な様子を伺っていっても良いでしょうか。
K.S:はい。就職する企業に関しては選択肢はいくつかありましたが、最終的には自分が「入れたらいいな」というところに入ることができました。及第点が70点としたら80点ぐらいかなと。
井端:おお!それは素晴らしいですね!!
K.S:振り返ってみると選択肢に上がったのは「地元企業」「他県の会社」「公務員」でした。最終的にはその中から「地元企業」を選びました。
K.S:就活については基本的には「地元企業」を中心に考えていましたね。最初は、ある程度の経営基盤がある地元の会社を探して受けていきました。進めていく中で内定ももらえ、最終的には3社くらいからもらえていたかと思います。
井端:なるほど!比較的K.Sさんのイメージ通りに進められたという感じでしょうか。
K.S:そうですね!その中で次は「他県の会社」の話題ですが、就活後半に差し掛かるとやはりどこか遠くに行ってみたいという気持ちがあったことから、他県の製薬会社のMR(医療情報担当者)も受けてみました。
井端:やはり外に出たいという気持ちはどこかにあったんですね。
K.S:はい、ただ実際に県外企業の面接が進んでいく中で色々な気持ちが湧きました。例えば「実際外に出たら静岡に帰ってくるタイミングあるのかな」「ここまで静岡にいたのに出る必要あるのかな」と今更ながらに思ったり(笑)、やはり色々な話を聞いてみても日本で新卒というカードは大事だよなと思い、もし1年くらい(県外で)働いて辞めて戻ってきても働き口はあるのかなとも考えてみたり。最終的にはやはり固い選択肢(地元企業)を取るかと考えましたね。
井端:実際に選考が進む中で、自分の考えを整理されていったんですね…!
K.S:具体的に動いてみないとこれらの懸念点は浮かばなかったかもしれませんね。最後の「公務員」については、大学2年生の時に公務員の選択肢を考えて公務員講座を夏休み中に受講してみました。しかし行ってみたら思ったより難しくて「あ、これは無理だな」と感じて一度封印しました。笑
井端:ちなみに補足的な質問になってしまいますが、教員に出戻りする気って当時あったりしましたか?
K.S:それが一応10%くらいはありました。笑 しかしそれはどこにも受からず最後の最後という感じでしたね。
井端:詳細にありがとうございます!笑
この会社を選んだ理由
井端:では実際にK.Sさんが入った会社と選んだ理由を教えてください!
K.S:はい。 地元の優良企業 に行くことを決めました。
K.S:理由としてはやはり「地元においてそれなりの経営基盤、知名度があったから」という部分が大きかったです。自分は結構、安定思考だと思います。潰れなさそうな会社を選んでました。笑
K.S:また、大学の先輩もその会社に勤めていたので内定をもらった後に連絡を取ってみて実際の様子を聞いてみたら「いいよ、めっちゃホワイトだよ」という情報をもらって「じゃあいいか」となりました。笑内定もらったら行こうとは思っていましたが、背中を押して欲しいという意味で聞きましたね。当時はスキルが欲しいなどの事はあまり考えてませんでした。
井端:やはり自分の会社を選ぶ際の軸は大切にされているのが伺えますね。
1社目/地元優良企業 /営業 時代
仕事の満足度
井端:入職されてからは、どんな感じで働いてたんですか?
K.S:仕事としては営業職ですね。会社が某有名メーカーの販売代理店をしており、自分は電気工事会社・建築会社さん向けに非常用の発電機器を売る部署に配属されました。2年半ちょっと働きましたね。
井端:なかなかイメージするのが難しそうな仕事ではありますね…!実際会社での仕事を振り返ってみてズバリ満足度はどのくらいでしょうか?
K.S:んー70点ぐらいかなと思いますね、ちょうど及第点ぐらいかなと。
K.S:まず良かった点としては「人」ですね。すごく良くしてくれたなと感じています。
K.S:ただマイナス点としては、やはり売るもの自体がニッチすぎたなとは思いますね…笑 商品自体が何かの生産効率をあげるものではなく、あくまで何かあった時のバックアップ、法律で決まっているから入れる程度の立ち位置だったんですよ。
井端:なるほど、お客さんとしても積極的に「買いたい!」と思うような立ち位置の商品ではないわけですね。
K.S:はい。そのため仕事内容としてもお客さんのところに行って「最近どうですかー?」「いやー厳しいよー」「そうですよねーまた来まーす!」というのが多くて「これは自分、なんのためにいるんだろう?」と思ってしまったというのが大きいですね。
井端:確かにその気持ちになってしまうとなかなかモチベーション高く仕事をするのは難しそうですね…。
K.S:そうですね。ある日、劇的に気持ちが入れ替わったとかではなく徐々に自分の気持ちに気付いていった感じでした。というのも誰かに仕事のことを聞かれた時に、こういう仕事をしていると自信を持って人に言えない自分がいたり、日頃の仕事の中で「あれ?これ自分いらなくね?この仕事本当にいるの?」「営業を60才までやるの?向いていないんじゃない?」という色々な気持ちが溜まっていったりした事で。
K.S:あとポイントになったのは異動の機会を逃した事ですね。ある時、新規事業部ができることになり、実は担当になる人から誘ってもらったんです。個人的にも興味がありました。しかし今の部署の方々にも気に入ってもらえていた部分も影響するなどして、この話はOKとはならず結果的に他の人が行くことになり「結局自分の生活変わらないのかー」と感じてしまったんですよね。それからほどなくして2年目の秋に公務員試験の勉強を始めましたね。
井端:なるほど、そういった環境を変化させるチャンスが一度見えたことが改めてこのまま勤めるのかどうするかを考えさせるきっかけになったんですね…もともと入った時からいつか辞めるかもとは考えていたんですか?
K.S:いや、考えていなかったですね。最初に入った時は定年まで働くんだろうなと思っていました。しかし入って仕事していくうちに「本当に自分の身になっている仕事なのか」など思うことを通してだんだんとその考えは薄れていきました。
転職を決めた後(消防士に決めた理由)
井端:先ほども触れていただきましたが2年目の秋から公務員試験の勉強を始められたんですね。公務員になりたいと思われたんですか?
K.S:いや、公務員というより消防士になりたいという思いでしたね。
K.S:これも当初転職という選択肢を考えた時、特に明確にこれをやりたいというものはなかったです。しかし消防士は気になっていました。理由としては、消防学校が地元にあったため、よく見ていて馴染みがあったからです。
K.S:そして自分の根っこに「子供が自慢できるお父さんになる」という感情があり、前職での営業が誰かの役に立っている感じではなかった分、次の仕事は誰かのためになる仕事がいいと思ったのが理由かなと。
井端:そこから消防士という仕事に行き着くんですね…!
K.S:はい!しかも以前、ランニング中に倒れていた人を助けたことがあったのですがその時の応急処置が良くて救急隊員の方に感謝された経験もあったのでそれも理由の1つになるかもしれません。
井端:それは凄い!しかし働きながら公務員試験の勉強もするのは大変そうですが……
K.S:正直しんどかったです。笑 ただ試験は28歳までしか受けられないのでどんどんやらなきゃという感じでした。試験自体も2、3年計画かなーと当初は考えていたんですが、実際にやってみるとキツくて…これはもし来年もとなると無理かも…と思っていたら運よく1年目で受かれたので本当に良かったです。
消防士 時代
井端:最後に現職について教えて下さい!
K.S:今は消防士として4年目に入りました。人から感謝される、誰かのためになる仕事がいいと思って入ったのですが結果として概ね満足しています。実際に働いてみると、役に立っているかは分からない部分は正直あるのですが…笑
井端:なかなか全てが想定通りにはいかないですね…笑 最後に今後に対する見通しなどありましたらお聞かせください!
K.S:このままなら多分辞めないと思います。ただ自分が消防の中で今後どの道を進んでいくか、なんとなく方向性は考えているのですが決めあぐねている部分もあるのでこれからじっくり決めていきたいと思います。
最後に
井端:本日は長い時間お時間をいただき、ありがとうございました!
K.S:こちらこそありがとうございました。