夢を見るなら先の未来がいい

これまで生きてきて色んな景色を見てきた中で、一生忘れられない、最も美しい景色がある。それがあの日に見た2日間のライブだ。

会場一面に輝く光の色、会場全体に響き渡る色んな感情が入り混じった叫び声と、アーティストを包み込む喝采は5年経った今でも、一度も忘れたことがない。ってか身体が勝手に覚えてる。

正直にあれを超える景色に未だ出会ったことはないし、内心出会えていないことに安心してしまっている自分がいる。それはなんとも皮肉で残酷で、ファン失格なんてことはわかってるけど、それでもあのライブに心奪われて人生を変えてくれた時間は消えて無くなることはないことを、自分自身が証明してあげないとと思ってしまう。

誰がなんと言おうと伝説のライブだったし、間違いなくあの時代を風靡した貴方達の儚い一瞬をこの自分の目で見れたことに一生誇りを持つ。

あんな景色にも、あの感情にも二度と出会えないと思ってる。
ああ、でもやっぱり正直に言えば、出会いたい。

もう一度あの感情に出会いたいし、美しいものを見て心が震えて、勝手に涙が溢れるあの体験を、もう一度経験したい。

そんな思いがあるからきっとライブに足を運ぶんだと思う。美しい瞬間を見逃したくないから。
もっと言えば、あの日見たライブを超えるものが絶対また来ると信じてるからこそ、その時にちゃんと自分で全身全霊をかけて受け取っていられるように。

ネットに載ってるライブレポや人のつぶやきばっか見て行った気になって、見てもないのに勝手に自分の気持ち書き出す卑怯な人間にだけはなりたくないし極端に言えば私は自分で体感したことしか信じたくない。

今この瞬間にもあの人たちは誰かに届けるために人生をかけている。

もういいじゃないか。会いたいって思う気持ちは無くなることもないだろうけど、ちゃんと自分の中にあの景色は残ってるし消えることもない。心臓をどつかれるような衝撃は今の自分を作ってくれているし、明日の自分の軸になる。

過去に戻れはしないと知っている。だからこそまた変わった形で出会いたい。そしてその時は涙ではなく、笑顔で抱きしめたい。