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子育ちエッセイ

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たまらなく愛おしいと思うこともあれば、どうしようもなくしんどいと思うこともある育児。その両面をコトバにできたらと思っています。
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2019年7月の記事一覧

その手に握りしめている手綱を手放すために

うちの夫は、家事育児の天才かもしれない

と、思うことにしてみた。

いや、実際に、うちの夫は本当に天才なのだ。

子どもの遊び相手をすることも、兄妹ケンカをなだめることも、私よりずっと上手い。すぐに「ダメ」とか「やめて」とか言っちゃう私とは大違いだ。(「私と違って、あなたはたまにしか子どもと関わる時間がないからそういう余裕があるんでしょ」って思っていることはナイショ。)

家事だって、大抵のこと

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雨の日曜日、スーパーの片隅で

雨の日曜日、スーパーの片隅で

ピッ ピッ ピッ
いらっしゃいませー
ありがとうございましたー

高く鳴り響くレジの音と、店員の声。
往来する人のカートを引く音と、チャカチャカと微かに聞こえるBGM。
時折聞こえる子どもの柔らかい声と、大人の話し声。
店内の隅々まで薄白く照らされた照明。

日曜日のスーパーは、色々な音と色で溢れている。

片隅のイートインスペースで、息子とともに店内で買ったメロンパンをかじっている。娘は抱っこ紐

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ただ、わかってほしいだけなんだ。

ただ、わかってほしいだけなんだ。

「いっちゃった!ふねが いっちゃった!!!〇〇ちゃんの ふねーーーーーっ!!!!!」

それはいつものように息子が外で遊んでいた時だった。きのう夫が牛乳パックで作ってあげた手作りの船が、小川に流されてしまったのだ。

切って端っこをテープでとめただけの、ごく簡単なモノ。それでも息子はうれしくてうれしくて、小川のまわりを何度も何度も行ったり来たりして流して遊んでいた。きのうなんて、船を抱っこして一緒

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手当ての効能。

手当ての効能。

息子と娘が、ダブルで風邪を引いた。
田舎の古民家で暮らす我が家は、朝晩がかなり冷え込むため、もう7月になるというのになかなか長袖が手放せずにいた。日中の暑さとのあまりの差に、衣服調節の難しさに悩む日々の中での子ども達の夏風邪は当然とも言える。

しかしやはり子どもが風邪を引くと、親としてはどうしても自分の中の罪悪感がチクリと痛む。「あぁ、また風邪を引かせてしまった…」という自責の念と共に、「夜冷え

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