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24/09/15 フリーランスは肉を煮ろ

二日酔いの重みを感じながら、お昼前にぐいっと起きる。いつまで寝ててもいいのが一人暮らしの気楽さだが、その気楽さが怠惰の温床でもある。

怠惰は放っておいても世話なしでぐんぐん育つ。ミントくらい育つ。ミントは他のハーブを枯らすし、怠惰は自己肯定感を枯らす。

三連休中日。予定はない。夕方から見たいお笑いライブの配信がある。

何にもしたくないが、何かしたっぽい成果だけがほしい。

何をしますか。

肉を煮ます。

思いついたら早い。今日は豚の角煮だ。とりあえず日焼け止めを塗って帽子を被ってマスクをしてUVカットパーカーを羽織る。最寄りのスーパーへ向かった。

豚バラ肉の塊(首に巻けるくらい長い)と、肉を煮ている間を楽しめるだけのおつまみを買います。生春巻き(春雨でかさ増ししてない)、カニクリームコロッケ(1個)、ポテトサラダ(野菜たくさん)。

できるだけ日差しから逃げられるルートで帰宅し、バラ塊とご対面。包丁によって、バラ塊は塊からバラバラになる。バラバラのバラ。ショウガとネギと大量のお水とともにストウブへ突っ込んでとりあえず火にかけた。

肉を煮るのはいい。煮ている間が自由だから。

オススメは、この間に仕事をすること。だいたい1時間半から2時間くらい煮るなら、大きめのタスクがひとつ終わる。仕事をしている間にいつの間にか美味い肉が出来上がっているという寸法だ。

仕事は、どれだけ手順を守っても上手くいかないことがある。かたや肉はどうか。手順を守ればほぼ確実に美味くいく。約束された成果がある。不確定要素の多い仕事をする人ほど、同時に肉を煮てリスクヘッジをしておくべきなんじゃないだろうか。

クライアントから理不尽な言いがかりをつけられても、「まあ私このあと角煮食うし」と思えば全然大丈夫である。

あ、うそうそ。ウソです。私のクライアントに理不尽な言いがかりをつけるなんて酷い人はいません。角煮不足でした。いや、確認不足でした。

一定煮たら、味をつける。醤油とみりん、砂糖、お酒。日本酒がなかったので、紹興酒を入れてみた。中華っぽい角煮になるだろうか。

昔『アンパンマン』で、何かの材料が足りず、アンパンマンの頭がアンパンでなくあんまんになった回があった。あんまんマンはアンパンマンより些か色が白く、「〜〜アルよ」と喋る。私もこの角煮を食べたらワンホンになるかもしれない。

煮ている間にシャワーを浴び(完全に目を離すタイミングは火を消す)、スキンケアをして、歯も磨いて、適当なYoutubeを流し、麦酒を開けた。生春巻きを食べながら、肉を待つ。

流したYoutubeが面白くなくても別にいい。だって私、このあと角煮あるもん。これぞ生活。毎日肉を煮ながら生きるのが理想の生活なのだ。しょうゆの沸く嗅ぎながら、合わせるお酒を考えて過ごす。


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