ベルギー留学 学生ビザ 申請について

アブダビ経由ブリュッセル行きの飛行機の中からこんにちは。書き終わるころ私はどこにいるでしょう?アブダビまでで終わってるといいなあ。。

ベルギーの学生ビザ(D VISA for Higher Education)を申請するべく奮闘中の皆様はじめまして。ベルギーの学生ビザ申請についての日本語の情報はそんなに多くなく、私自身結局まるまる2ヶ月かけて準備しましたので、今後申請する方々のお役に立てればと思い執筆しております。申請は2022年8月中旬でしたのでその後マイナーチェンジが行われている可能性があることを必ず念頭に置いて、参考にしてください!

※大使館ホームページによると、アントワープ大学、ゲント大学、ケント大学、リエージュ大学、モンス大学、ナミュール大学、ルーヴェン・カトリック大学(仏蘭)、ブリュッセル自由大学(仏蘭)、リエージュ州高等学校, リエージュ高等工学学校、ブリュッセル王立音楽院(仏蘭)、アントワープ王立音楽院、ラ・カンブル・ベルギー国立美術学校、アントワープ王立芸術学院、ルーヴェン・リンブルク大学がこのビザに該当するということになっていますが、掲載のない大学や高等音楽院もこれに該当します。

※気付いたマイナーチェンジも記入していくことにしました。2024年7月現在の情報です。

※ベルギーに着いたあとの手続きと、その更新についてはこちらから。

※たくさんの方がこの記事は有料にしたほうがいい、と言ってくださったのですが、個人的にはこれが無料で読めることに価値があると思っているので、失敗談も含めて有料にするつもりはありません。記事最後まで生涯無料でお読みいただけます。
(コーヒー一杯の差し入れは大歓迎なので、記事一番下の"ここから先は有料"からお願いします ❤︎)

用意するもの

1. ビザアプリケーションフォーム
2. パスポート
3. パスポート写真
4. 日本の在留カード(日本国籍以外の方)
5. 無犯罪証明書
6. 健康診断書
7. 入学許可証
8. 在学証明書(いま現在学生の方のみ)
9. 卒業証明書(いま現在学生でない方のみ)
10. 資金証明
11. 履歴書
12. ビザ申請手数料振り込み証明書
13. ベルギー健康保険加入証明(なくても可)
14. ビザ料金(日本人は不要です!)

一部の書類を除き、原本が英語かベルギーの公用語(フランス語、オランダ語、ドイツ語)であれば翻訳は不要です。
すべての書類はA4で準備します。原本一式を1セット、1を印刷したもの+2以降をコピーしたものを2セット(無犯罪証明書はコピー不要)というふうにまとめておきます。私は原本もコピーもカラー印刷で持って行きました。
アポスティーユという単語がのちにいっぱい出てきますが、それについては後述します。
全部揃えてビザを獲得するまでに、早くて1ヶ月半はかかると思っておくといいでしょう。私はまる2ヶ月かかりました。
急いで取り掛かったほうがいい順に★を3段階でつけています。

1. Visa Application Form ★★

VOW(Visa on Web)で30項目くらい入力したものを2部印刷。印刷したものにサインして日付を記入して、2の写真を貼る。
このフォームは一回submitすると変更と編集不可。電話番号はハイフンを入れると弾かれます。
わからないところはとりあえず埋めて、申請時にカウンターで聞けばいいそうです。もちろん正しく全て入力するべきですが、おそらく多少間違っていてもひとまず埋まっていればあまり支障なさそうな感じでした。
webでsubmitしたあとの画面で大使館に行く日を予約できます。夏などの混む時期は予約を取れる日がしばらく先になるので、書類が全部揃ってからだとちょっと遅いかもしれません。書類が揃いそう、というタイミングで書き終えて予約をとったほうが良いかも。

2. パスポート ★

有効期限が少なくとも3ヶ月以上あるもの(空港で止められないためにも6ヶ月以上はあるといい)、発行から10年以内、空のページが3ページ以上あるもの。
本体を1冊と、データページ(顔写真が載っているころ)を2部印刷。パスポートはA4より小さいですがコピー用紙はA4で。拡大不要。
結婚にともなって名字を変更した人は、何か事情がない限りは旧姓を載せておくといいと思います。旧姓で発行される卒業証明と現在のパスポート名が違うと同一人物である証明がかなりめんどくさいのですが、パスポートに載っていれば追加書類は不要です。

3. パスポート写真 ★

全部で3枚必要。2で提出するパスポートに使われているのと違う写真でも可。撮影から6ヶ月以内。国際ルールのパスポートサイズ。それぞれ切り取って後ろに名前を記入(私はローマ字と漢字とどちらも書きました)。まず2枚を1のビザフォームのPHOTOのところに貼る。残り1枚はビザ発行に使われるので、切った状態で持参。

4. 日本の在留カード

日本国籍であれば必要ありません。

5. 無犯罪証明書 ★★★

18歳以上限定。住民票を置いている都道府県の警察署で発行。
受け取った無犯罪証明書は封をしたまま外務省領事班に送ってor持参して、アポスティーユ(外務省のお墨付きみたいなもの、後述)をもらいます。アポスティーユされて返ってくるまでだいたい1週間。トータル2週間はかかります。無犯罪証明書はアポスティーユのために外務省の職員さんが開ける以外に一度でも開封したら効力を失うので注意。
開封厳禁なので翻訳とコピー不要。封筒ごと原本のみ提出。
埼玉県では、申請するのに海外に行くことを証明しなければならず、ベルギー大使館発行のリクエストレターorベルギーの省庁発行の公文書or印刷済み(全項目記入済み)のビザ申請フォームが必要でしたので、私はこの時点で1のアプリケーションフォームを完成させて持っていきました。写真は貼ってなくても大丈夫でした。留学先の合格証明書でも大丈夫だと思いますが確証がなかったのでやめました。
アポスティーユ申請書には書類を発行した人の肩書きと名前を記入する必要があるので、私は無犯罪証明書を受け取るときに窓口で伺いましたが、わからなければ未記入でいいと外務省HPに書いてあります。

6. 健康診断書 ★★★

大使館ホームページに載っている病院で検査をすればアポスティーユ不要なので、遠くても高くても、指定の病院に行くことをオススメします。私は有楽町の日比谷病院に行って16000円くらいでした。保険適用外で基本的に高いので、事前に電話やホームページで金額を聞くのが良いです。(聖路加病院は3万くらいと言われました…)
指定の病院だと指定のフォーム&英語で作ってくれるので翻訳とアポスティーユが不要。指定の病院以外の場合はアポスティーユが必要。原本+2コピー。

7. 入学許可証、合格証明書 ★★

ベルギーでの進学先の学校に発行してもらいます。入試がまだの場合は入試を受ける証明書でも代用可。
郵便で届いた原本であればそれ+コピー2部で可。もしデータでもらっているなどで原本を出せない場合は、学校から大使館宛にメールで送ってもらい(それが原本扱いになる)、コピーを2部提出。フランス語、オランダ語、英語のどれかで書かれていれば翻訳不要で、アポスティーユも不要。
夏だと学校のオフィスが夏休みで閉まっていてすぐに対応してくれないことがあるので、早めに依頼しておくといいです。

8. 在学証明書 ★

ビザ申請時点で学生の方のみ。原本+2コピー。ルールは7と同じで、郵便で届いた原本であればそれ+コピー2部で可。もしデータでもらっているなどで原本を出せない場合は、学校から大使館宛にメールで送ってもらい(それが原本扱いになる)、コピーを2部提出。

9. 最後に卒業した学校の卒業証明書 ★

7と8と同様に、郵便で届いた原本であればそれとそのコピー2部で可。もしメール等データでもらっているなど原本を出せない場合は、学校から大使館にメールで送ってもらい、コピーを2部提出。フランス語、オランダ語、英語のどれかで書かれていれば翻訳不要で、アポスティーユも不要。
何かと使うので、学校に発行申請するときに成績証明とあわせて多めにもらっておくといいです。

10. 資金証明 ★★★

・月803ユーロ以上の奨学金がある方はその証明。原本+コピー2部。
・ブロックアカウント(先に学費と生活費を学校に振り込んでおいて、渡航後に毎月返金してもらうシステム)を使用する場合はその証明。原本+2コピー。→後述します
・上記どれにも当てはまらない方はスポンサー登録とその証明。→後述します

11. 履歴書 ★

書き方の指定はなし。名前、国籍、出生地、生年月日、住所、連絡先、学歴など書いてあれば十分です。

12. ビザ申請手数料振り込み証明書 ★★

18歳以上のみ。学生ビザの申請手数料(237ユーロ)を大使館指定の銀行口座に振り込んで、その証明を提出。
振込先がベルギーの銀行なので、銀行等から外国送金をします。窓口で行うよりネットバンキングのほうが手数料が安いです。摘要欄に名前・国籍・生年月日dd,mm,yyyyを記入。
着金後、振り込み証明書を発行してもらう。原本+2コピー。英語等であれば翻訳不要。
外国送金はネットバンキングであっても即時着金ではなく時間がかかりますので、また証明書の発行も時間がかかるので、ぜひお早めに。
おすすめ:Revolutというネット銀行を開設するととても便利です。アプリ内でユーロへの両替、ユーロでの送金が手数料なしでできます(上限あり)。振り込みもほぼ即時で、証明書もすぐ出せます。

13. ベルギーの健康保険加入 ★

これは任意。ベルギーに行ってから加入するのでも可。渡航後の住民登録や翌年以降のビザ延長申請でも使います。

〜10のスポンサーについて〜

これが正直一番めんどくさかったので、やる場合は早め早めの準備をしましょう。スポンサーについての公式サイトはこちら
日本人でスポンサーになれる条件は、留学する本人からみて3親等まで(親、子、きょうだい、義父母、叔父叔母など)、かつ、月収が手取り491,734円以上あること。※大使館指定のレートの変更が行われた場合、手取り額の最低値も変更されます。必ずご自身で最新版をご確認ください。たとえば2022年8月は35万でしたが、2023年7月には40万弱になっており、9月から約45万まで上がっています。

必要書類一覧
1. Annex32という書類。フランス語版かオランダ語版のみ。英語が書いてあるものはガイドなので使用不可。ガイドを参考にしつつ、名前住所や学校名を記入する。日付とサインのところは空けておく(大使館でする)。原本のみ
2. 3親等以内であることを証明するもの=戸籍謄本。戸籍謄本は日本語のままで可(翻訳不要)だがアポスティーユが必ず必要!原本+2コピー
3. スポンサー登録手数料3300円(現金)。
4a. 固定の収入がある証明(サラリーマンなどの給与所得者の場合)
 ・パスポートor免許証orマイナンバーカード。原本+2コピー
 ・最低直近3ヶ月分の給与明細。原本+2コピー
 ・雇用形態と期間が記されている雇用契約書(証明書)。原本+2コピー
4b. 固定の収入がある証明(個人事業主の場合 ※やったことないので参考程度で)
 ・パスポートor免許証orマイナンバーカード。原本+2コピー
 ・税務署発行の所得証明書(収入/所得の記載があるもの)。原本+2コピー
 ・社会保険料?の支払い証明書。原本+2コピー
 ・前年度の確定申告書。原本+2コピー
 ・銀行口座の取引明細書。上記のことが証明できるように、また過去3ヶ月間、充分な定期収入があることが証明できるように。原本+2コピー

〜10のブロックドアカウントについて〜

ブロックドアカウントというのは、指定された金額(生活費)を学校に1年分振り込んでおき、学校が毎月返金してくれる、凍結口座システムです。学校によって金額が変わるらしいですが、たとえばKCBは9,636ユーロでした。これは1ヶ月にかかる生活費を803ユーロと国が設定し(奨学金と同じ額ですね)、それを×12ヶ月分で計算したものです。日本の銀行口座では返金を受け取れないので、渡航後にベルギーで銀行を開設する必要があります。
やり方
・まず学校にブロックドアカウントに対応しているのかを聞く。対応している場合、学校のファイナンス部門につなげてもらう。
・ファイナンス部門からブロックドアカウントについての詳細が書かれた説明書と申請書類をもらう。どこにいくら振り込んでください、とか書いてあるので、それどおりに送金する。(国際送金になるので、余裕を見て行いましょう!)
・同時にブロックドアカウントを申請書類を埋めて、学校に返送する。内容としては名前、ベルギーでの住所、ベルギーの口座番号など。
・学校が振り込みと書類を確認したら「この人とブロックドアカウントを締結しました」という証明書が届くので、それを資金証明として提出する。
※「住所や口座がまだない場合は口座が開設でき次第すぐに学校に知らせてください」と説明書に書いてあったので、空欄でも申請できそうです。
※知人体験談:学校によっては、住所と銀行口座がないとシステムを締結できない、と言われることがあるそうですが、「学校に振り込んだ証明」と「学校が申請者の資金を保有している証明」があればひとまずビザは発給できる、と大使館から返答があり、実際にビザを受け取れたそうです。もし学校から締結できないと言われたら上記内容を伝えてみてください。

全部用意できたら、大使館を予約しましょう。
1のアプリケーションフォームを埋めてsubmitを押すと予約フォームが出てきます。私は多分一番混んでいる夏に申請したので、予約がほとんど1ヶ月先まで埋まっている、みたいな状況でした。
予約時間の変更はできず、一度キャンセルしてから予約の取り直しです。またsubmitしたあとにアプリケーションフォームの編集変更はできません。

〜アポスティーユについて〜

ちょこちょこ登場したアポスティーユとはなんぞや、について。
私も結局よくわかってないですが、外務省が「この公的書類は本物です」とお墨付きをする、みたいなもんだと思っています。ですから、アポスティーユできるものは国が公的書類と認めているもののみで、たとえば戸籍謄本や住民票などです。大学の卒業証明書は公的書類に該当しないのでアポスティーユができません。公立の小学校〜高校の証明書、あと国立公立の病院や赤十字病院などもアポスティーユができます。
大学の卒業証明書のようにアポスティーユができない書類の場合は、アポスティーユをもらいたい書類をまず公証役場に持っていき、公証人の認証を受け、それを外務省に送る、という流れになります。
またベルギーのビザ申請のように翻訳が必要な場合は、アポスティーユをもらいたい書類をまず公証役場に持っていき、公証人の認証を受け、それを外務省にアポスティーユ申請書と一緒に送る、外務省から帰ってきた書類を翻訳業者に翻訳してもらい、翻訳できたものを公証役場に持っていって公証人の認証を受け、それを外務省に再びアポスティーユ申請、となるので、手間が何倍にもなります。私は実際にやったわけではないので、もしかしてこの通りではないかもしれませんが…。まあそういうわけでやばいくらい大変そうなので、必要な証明書はすべて英語で発行してもらう&指定の病院に行くことをおすすめします。
ちなみに夫は文化庁の海外研修員なので月730(現803)ユーロ以上の奨学金をいただいているのですが、この書類はアポスティーユなしで申請通りました。

予約当日

入り口がわかりにくいので少し早めに行っておくといいです。
カウンター近くに椅子があるので座って待ちます。時間になったら呼ばれます。ビザデスクのスタッフさんとのやりとりは全て日本語でできます。
この書類を出してください、と指定されるので、言われたとおりに該当する書類を順番に出していきます。私のときはまず資金証明でした。スポンサーに職員さんの前でAnnex32にサインしてもらって手数料を払ったら、その時点でスポンサーは帰宅できます。スポンサーのパスポートもその場で返してもらえました。
そのあとにその他の個人書類を提出しました。
全部提出したらA4の紙を10枚くらい渡されて、アンケート?質問?に答えます(英語、もしくはフランス語でもオランダ語でも)。これはテストではないのでわからないところは書かなくてもいいそうですが、本人のモチベーションをはかるものらしいので(もしかして語学力も見ているかもしれない)、気合いで頑張って埋めてください。1時間もらえます。
終わったら提出して帰ります。お疲れ様でした!!

もし今ベルギービザ申請中の方で質問などあれば、Twitter @yuki__yamane にDMください。2022年8月申請時と変わっているところもあると思いますが、お答えできるところはなんでもお答えします!

ついでに、Haruさんのnoteもわかりやすいのでぜひ♩もっとコンパクトにまとめてあって読みやすいです!

おまけ。長すぎる小話(失敗談)。

私がビザ申請でゴタゴタしてしまったのにはいくつか理由がありまして、
①合格証明を大使館宛にメールしてもらう前に学校が2ヶ月のバカンスに入った。
②スポンサーとその書類に関することが、アナウンスもなく超超超ビッグな変更あり。
③この日くらいに仕上がりますと言われていた日にビザが出来上がらず、メールで問い合わせるも返信なし、ビザデスクに突撃したら、まだ処理すら始まっていないと言われた。
①は完全に私の動き出しが遅かったせいなのでしょうがないのですが、②と③は留学やめようかな、と思うくらいショッキングというか、とにかくしんどかったです…笑
②は大使館の人もややこしくなった自覚があるのか、ビザ申請時に「今スポンサー登録がややこしくなっているので、先に資金書類を確認します」みたいなこと言われました。
具体的には、少なくとも2022年7月までは、年収やら手取りやらにミニマムは設定されておらず、逆に「1年間カバーできる十分なお金がスポンサーの銀行口座に入っていること」というルールが別に存在しました。給与明細や源泉徴収票ももちろん必要だったのですが、なにより重視されるのはとりあえず今これからの1年分はお金がある(で特に具体的金額は書かれていない、適当すぎる)、ということだけでした。その時ホームページに書かれていたのは生活するのにかかる最低金額が月何ユーロ、急病や事件事故のカバーのために何ユーロ、というのを目安としてください的なことだけでした。計算するにだいたい400〜500万くらいかな?
で、これらの書類、給与明細も源泉徴収票も残高証明書も、すべて英語かフランス語かオランダ語のどれかに自分で翻訳する必要があり、その翻訳版ではさらに円をユーロに換算しなければならなかったのです!xe.comという為替計算サイトを使って自分で計算して、レートを別で記入してください、と書いてあったので、ちまちまちまちま、何時間もかけて、書類を作り上げました。
その後①の失態で学校から大使館宛にメールを送ってもらうのが遅くなってしまったせいで、ビザデスクの予約日を学校の夏休み明けに設定しないといけなくなり、急遽予約を取り直し、3週間くらい遅らせることになりました。その間に…スポンサーについてのルールが…180度変わってしまったのでした……悪夢。
ある日もう一度要件を見直そうと思って資金証明のページを見ていてたら、まず「スポンサーは毎月の収入が2500€以上あること(金額はうろ覚え)」と急に、しれっと、変更しましたとかいう追記もなく、本当に急に現れました。その2日後くらいに、収入の横に”Tedori”という記載が現れました。その後、銀行口座に上記1年分カバーできるくらい入れておいてその証明、というようなことが書いてあった文章が全部消されました。そう、このたった数週間の差で、ベルギーの急な方針転換により、1年分のお金があります!ではダメで、スポンサーは毎月決まった収入があり、自分の生活を豊かに過ごした上でこの留学生を余裕でサポートできます!ということを証明しなければいけなくなりました。当時だいたい1€=136〜138円くらいだったので、計算上必要な手取り33万ちょっとだったのですが、最初に頼んだスポンサーはこの手取りのミニマムに届いておらず、別のスポンサーを見つけないといけなくなりました。幸いなことに手取りの条件を満たすスポンサーはこの変更に気付いたその日に見つけることができたのですが…思い出してください、私はもう全ての書類を翻訳し、計算サイトを使って日本円からユーロへの換算も終わらせているのです。
泣きました。本当に大泣きして、思いつく限りの暴言を大使館の方向に吐き散らかしながら笑、また夜な夜な、ちまちま一から新しく翻訳書類を作り直しました。
私は運良くスポンサーになれる人がいたからなんとかなりましたけど、この不景気に手取りのミニマムなんてマジでベルギーは鬼畜か?と思います。前々から留学したくて仕事してお金貯めてきた!みたいな人は究極ブロックドアカウントを開設するしか方法がありません。
で、そのまた数日後、もう大使館に行く数日前だったと思うのですが、今度は「すべてにおけるユーロ⇔円換算額は、一律1€=140円とする。それに伴いスポンサーのミニマム手取りは355,000円とする。資金証明翻訳と換算もすべてこのレートで行うこと。」という案内が出ていました。いいですか、こんな大事なことが、新着のお知らせ、とか、変更がありますとか、ページトップに書いてあるとかでもないんですよ、ただ文章に加えられている。ある日ホームページをリロードしたら文章が変わっている。本当に頭おかしいと思います。しかも現状のレートより高い。
2人目のスポンサーは本当にありがたいことにこの35万円というミニマムも超えていたため、3人目のスポンサー探しをすることにはならなかったのですが、思い出してください、私はもう全ての書類を翻訳し、計算サイトを使って日本円からユーロへの換算も終わらせているのです(再放送!!)。
ありがとう!計算し直しだ!おかげで結局3回目の給与明細、源泉徴収票、残高証明書作成をしました。もうここまでくると暴言も出ません。出てくるのは「もう留学やめようかな」です。
さすがに①と②のコンボで準備がギリギリになりすぎて、これで書類不備があって再申請になったらもうフライトに間に合わないということで、フライトは9月1日から5日に変更しました。変更手数料がかからないフレックスを選んでおいて正解でした。
※2023年夏から、資金証明にかかわる書類はすべて日本語/日本円のまま提出していいことになっています。大歓喜。ビッグニュースすぎる。だって戸籍謄本は日本語読めるんだもんな、そりゃ給与明細も読めるよな。定期収入だけが重視されるようになったため、銀行の残高証明も不要になりました。そらそうだ、だってこんなに給与明細とか出させてさらに残高も出せというのは辻褄が合わないよー。その代わり円安が進みすぎて指定レートが1€=165円になってます。
きっと大転換期に巻き込まれてしまったんだなと思います。ベルギーでは新築マンションに住むな(=どんなトラブルが生じるか住んでみないとわからない)ということがよく言われますが、まさにそうで、新しいシステムの導入のタイミングだったんでしょうね、だからあらゆる情報が小出しだしどんどん変わるし。ひとまず落ち着いたのか、最近は大きなルール変更はなさそうです。私みたいな思いをする人が減って本当に本当に良かったです。

③はもう本当に…心折れました。もう留学は無理だと思いました。神様が留学するなって言ってるんだなって思いました。
②のあれこれでほとんど心は折れかけてはいましたが、周りにたくさんサポートしてもらって、どうにかこうにかビザ申請に辿り着き、書類不備はないと言われたので、あとは受け取り待ちだけになりました。
前述のようにフライトを送らせて9月5日(月)に予約していて、もちろんフライト当日の朝にビザ取りに行くのは無理な話で、またベルギーのビザデスクは金曜〜日曜定休なので、その前日の9月1日(木)までに絶対受け取っている必要がありました。もともと「8月29日(火)ごろにはできますから、それまでに連絡がなければメールしてください」みたいなことを言われていたのですが、待てど暮らせど連絡はなく、30日と1日朝にメールするも返信なく。1日朝に先に出国する夫を羽田で見送ったその足でビザセンターに突撃しました(本当はアポなし突撃はダメです!絶対に真似しないでね!)、が「忙しくてまだ処理が始まっていない。今日も忙しいから多分できない。いつ出来上がるかは言えない。フライトは変更してください」と突き返されたのでした…。②を乗り越えてようやくビザ申請まで辿り着いてこのザマ、と思ったらもう悔しいのか悲しいのか、とにかく気持ちがプッツンと切れてしまって、麹町駅のホームで30分ひとりで大泣きしました。
前述のとおりフライト変更に手数料はかからなかったのですが、なんせいつ出来上がるのかわからないので、しっかり1週間余裕をもって9月11日(日)に変更しました。ところがどっこい翌日、定休日のはずの金曜日にビザデスクから電話があり、「今出来上がりました、今日いらっしゃるならこのあと待っておきますが」と言われました。もう飛行機変えちゃったし急ぐ気力もなくしていたので、結局週明けにゆっくり取りに行きました。受け取る時に窓口で暴言をぎりぎり吐かなかった自分を心の底から褒めたいです、
…なんていうドタバタ劇、終わればまあ話のネタになるものですが、最中はまあ本当にしんどかったです。とにかく余裕を持って早めに頑張って申請してください!
同じ時期にブリュッセルに来た友人は、急いでます、みたいなメールを大使館に送ったら特別アポをとれて受け取りもすぐだった、1時間のアンケートもなかった、と言っていました。この差はなに???笑

失敗談も含めてご参考になれば幸いです!みんながんばれ!!!

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