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Web小説家に対する考察

アルコールアレルギーがあるのにお酒が大好きという矛盾をかかえているケルティック⭐︎タイチです。
わんばんこ。

自己紹介やプロフィールにもあるように「みつめてナイト」というゲームの二次創作小説を書いているわけですが、そんな小説というか物書きについて書いていきたいと思います。

車とか梨とか当たり障りなさそうな記事のあとなので多少毒を吐きますが、バブルスライムとエンカウントしたと思ってお付き合い下さい。

それでは行ってみよー。

Web小説というジャンル

中学生の頃に宗田理先生の「僕らの七日間戦争」に自分の中の何か大切な物を撃ち抜かれた私は、それ以来大学ノートに小説ともつかない文章を書き殴るようになりました。
当時書いていたのはまんま七日間戦争のパクリで「オレ達の聖書(バイブル)」略して「オレバイ」というタイトルの、今思い出すと厨二病すぎて邪王炎殺黒龍波が撃てるレベルの小説なのですが、あの当時は自信満々に挿絵まで入れて書いていたものです。
コロシテ……ダレカコロシテ……!

そんな赤面通り越して顔から大噴火の過去を経ても小説を書き続けていた私は、二十歳を前についに大衆の面前に作品を公開する日が来ました。

今から25年くらい前はスマホも無いですし、携帯電話がカラー液晶になるかならないかくらいの時でしたので、小説を公表するようなサイトもあまりありませんでした。
ガラケー全盛期、パケットという言葉に踊らされ、魔法のiらんどの掲示板をやり過ぎて◯万円の携帯代が請求されるという地獄のような時代です。

そんな時代で小説を公開する手段は阿部寛のオフィシャルホームページみたいなサイトか、メールマガジンしかありませんでした。
阿部寛のようなスキルのなかった私はメールマガジンを選択します。
でもあの当時のメールって文字数制限とかあって、一話は多分1,000文字もなかったんじゃないかと思います。

基本毎日配信、バイトに行く途中の電車の中でポチポチ携帯打ちながら書いた小説は「エレメンタル戦記」というファンタジーで、今流行りの異世界転生ものならぬ、異世界転移ものでした。
転生と転移の何が違うんじゃい?というのは面倒くさいので割愛します。

そもそも小説をお届けするのも一苦労、宣伝する事もままならず、何で読者が増えるのかもわからないまま、感想なども送ってもらえない環境でよく連載してたなぁ〜。

ちなみにチマチマした作業が苦にならないA型ですので「エレメンタル戦記」も、なんならもう一作も200話くらい書いて完結させました(笑)

そんな思いを経験しているので、今の時代は本当に良い時代になったなぁと思うのです。

小説家になろうや、カクヨムを始め色々なWeb小説サイトがあり、誰でも気軽に小説を掲載できる。
小説と言えないようなセリフだけの文章だって、擬音しか出てこなくて状況が作者の脳内だけでしか理解できない文章でも、本当に簡単に小説として公開出来るようになったんですから。

こんなん日本語を書けたら全員小説家と言えますよ。
人類総小説家時代の到来です。

ランキング制度

そんな事言いつつも、自分が初めて書いた七日間戦争のパクリはどうだったのかと言えば、誰が喋っているのかもわならないセリフまみれで地の文をバシルーラされてしまったようなものでした。
他人の事言えません。

それはそれでいいのです。
私は背が高いので、棚に上げるのは得意技です。
小説はどんな形でも書けば書くほど進歩していく(はず)ですし、完結まで書き切れば次のステップに繋がるので書き始めるハードルは低いに越した事はないはず。

それよりも今の時代画期的なのは、自作小説の宣伝が簡単に出来てしまうと言う事です。

面白いかどうかは置いておいて、SNSを使えば簡単に宣伝出来てしまうし、色々な小説サイトがそれを推奨するようなポイント制度を導入し、事実として形になっています。

この仕組み自体を否定するつもりはありません。
よく考えられたシステムだと思うし、この仕組みから書籍化されるような作品が生まれているのも事実です。

しかしそのシステム故に、いつの間にか「自分の書いた小説を読んでもらう」事から、「ポイントを稼ぐ為にPV数を増やす」という本質を取り違えた方向に向かってしまっている人が多くなっているのも事実です。

小説サイト内のランキングに掲載されれば、読者数が増えるから。というのは理屈としてはわかります。
ですが、そのランキング目当てにPV数を増やすというのは本末転倒な気がします。

SNSに見られる馴れ合い

とはいえ、せっかく書いた自分の作品を、一人でも多くの人に読んでもらいたいというのは物書きとして当然の欲求でもあると言えます。
私も自分の作品をもっと色々な方に読んでもらいたいと、常日頃から考えています。(ただ、私の作品は二次創作だし、コンテンツとしては活性化しているものではないので、ただ宣伝すれば良いものでないと思っているのですが……)

そんな中でやはり一番手軽かつ効果的に自作品の宣伝ができるのは、間違いなくSNSが便利ですし、その中でもX(旧Twitter)との相性が抜群だと思います。

しかしイラスト等と違い、小説というのは中身の文章を読んでもらわないとその面白さまではわかりません。
漫画やイラストなんかと比べると、絵ではなく文字を読んでもらうというのは非常にハードルが高いです。
noteなんかの散文と違い、物語を紡ぐ小説は読み手の最初の一歩を作る事が一番難しいと実感しております。

そんな物書きのジレンマが生んだのが「作家相互フォロー」なる謎のつながりと、「小説応援」という謎ワードです。

まず、Xで告知やらをしている物書きは、だいたいの人が同じ物書き同士で相互フォローをしています。
ここでまず謎のグループが出来上がります。
どうやってそのコミュニティを作り上げるかというと、「RPしてくれたらあなたの作品を読みます!」だとか「フォローしてくれた人の作品を読みにいきます!」とかの文言で物書きを呼び寄せるのです。
そして、ことあるごとにその相互フォローの人の作品を「応援」と称してリポストしたりする。

この仕組みがまた、めちゃくちゃ気持ち悪いのですが、だいたいコレ系の呼び込みは、フォローしたとて相手の作品を読んだりしません。
なぜなら本人も物書きである為、イチイチ他人の作品を読みに行く事などしないという事です。
そして、「応援」などと言いながら、読んだこともない人の作品を垂れ流す。
完全にお互いのPV数を稼ぐだけの行為だし、なんなら自分たちが足を運ぶ1PVにしかならない事もあるのでしょう。

私はこのSNS上での自称作家同士の馴れ合いがどうしても腑に落ちません。
小説を書くのが趣味だから、仲間同士でやっているのだから文句言うな!というのはわかります。そこに文句はありません。

ですが、この謎のつながりの中にいる人達の大多数は、なにかしらの賞を狙っている人が多いのです。
本気で賞を狙う人にとって、この馴れ合いグループって、なんの為にあるんですかね?
落選した時にお互いの傷をなめ合う為ですかね??

物書きということ

二次創作が読みたい人はそもそも元となる原作のファンなので、多少文章が稚拙だったり物語として破綻していても、推しが活躍してくれれば、解釈が一致していれば、夢が自分に刺されば読んでくれるものです。

ですが、オリジナル作品というのはそうもいきません。
純粋に物語や文章力、構成力、独自性で勝負をしなければなりません。
本気でオリジナル作品を書く人にとってアイディアは宝。ましてや賞レースに応募しようなんて人にとっては、自分以外の物書きなんて蹴落とすべきライバルに他ならないでしょう。
そんな人が「あなたの作品読みにいきます!(だから私の作品も読んでね)」なんて言う訳がないのです。

よく「他人の文章を読むのは勉強になる」とか、「読書量が多ければ多いほどうまくなる」とか言う人もいますが、それは間違いです。
もしも自分が作家として売れたいのなら、「今、売れている作家の文章を読む」事は勉強になりますが、「売れてもいないどこにでもいる自称作家」の文章などいくら読んでも時間の無駄だからです。
過去の名作といわれる作品は、それ相応の結果を残している作品です。
つまり、評価を受けている作品であり、その作品を読む事は自分の文章の幅を広げる意味でも、意義があり知識に繋がるでしょう。
しかし読者数を増やしたいだけで相互フォローを繰り返す自称作家は、「読みます」詐欺ですし、仮に読んだとしてもロクな批評もしてくれません。
「~が良かったです」という表面上の褒め合いをするだけで、なんの成長にもつながらない無駄な時間と無駄な文字を書くだけです。

いや、プロの作家でもないお前がどの面下げて言うとんのや!とか、私はプロ作家だけれどそんな事考えた事もない!というご意見もあるでしょう。
それに関してはアマチュアかつ二次創作メインの私には、反論する言葉もございません。
ですが、二次創作だろうがなんだろうが、重要な事が一つだけあります。

それは「読んだ人が面白いと思ってもらえるよう、努力する気持ち」だと思います。

この、面白い作品を作ろうとする気持ちこそが、物書きとして一番大切なものではないでしょうか。
表現者として自分が読んで楽しいと思うものを書いている、というのも一つの物書きとしての姿勢です。それは大いに理解できます。
ですが最終的には小説というのは誰か読む人がいて、その読む人がどんな感想を持つか、というのが大事だと思います。

そこにはオリジナルだからとか二次創作だからは関係なく、文章として面白いものを書けるかを日々追及し、前へ進んでいこうとする気持ちがあるかないかに尽きるような気がします。
それが物書きの矜持だと思っているのですが……ちょっと重いですね。
皆様におかれましては、もっと気軽に小説を書いていただければと存じます(笑)

おまけ

偉そうに講釈垂れやがって、じゃあお前の小説は面白いのか!
と言われると、面白いと思って書いていますが、自分で読み返すとめちゃくちゃ反省点もあります。
もっと良く出来る、もっと面白くできたはず!という思いが湧いてきます。

ですが、だからこそ今も書き続けられているし、そんな小説でも毎回読んでくださる読者さんがいます。
本当に、文字って読んでもらえなければ死んでいるのと同義ですので、私の拙い文章を読んでくださる方には感謝の念に堪えません。
このnoteもそうですが、読んでくださるから文字に価値が生まれ、誰かの心に何かを訴える事が出来るのです。
こんな文章を最後まで読んでくださった貴方の為にも、私はこれからも文字を書き続けます!

最後に、私の小説作品のリンクを貼っておきますね!
(結局最後に宣伝なんかーい!!)

(完結作品)小説みつめてナイト ライズ氷解 全103話+α
(現在連載中)続・小説みつめてナイト 紅玉の双騎士 現在38話
(読み切り)遠い日の横顔 999字ショート作品
(読み切り)馬車はゆっくりと進む 乗り物お題の作品


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