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劇場版BanG Dream!It’s MyGO!!!!!前編・後編の感想

プライベートでも仕事でも飲み会の幹事になってしまいがちな、悲哀漂う中間管理職のケルティック☆タイチです。
わんばんこ。

ついに「劇場版BanG Dream! It's MyGO!!!!!」の後編「うたう、僕らになれるうた」が公開され、中間管理職らしく堂々と午後半休を取って初日に観てきました。
なのでまだ感動の熱が冷めないうちに、しっかり感想を残していきたいと思います。
では、早速書いていきましょう!

前編「春の陽だまり、迷い猫」

すでに色々な方が感想を書かれていますので細かいところは皆さんのものを読んでください(笑)

ざっくりと全体の感想を書いていきますが、大半の方がIt's MyGO!!!!!のTV版を観ているはずなので、ネタバレを気にせずに始まったのが良かったですね。

「なんで春日影やったの!?」から映画が始まったので、「お、やってんな」という気持ちと、「やっぱりここから始めるよね」という気持ちの半々くらいの気持ちで見始めました。
前編の終わりがそこになるのはわかりきっていた話なので、敢えて冒頭にこのシーンを持ってくる事で、この後の展開への良い導入となったと思います。

TV版がCRIYCHICの解散という雨の日の暗いシーンと、海外から帰って来たばかりの失意の愛音のシーンで始まったのは結構視聴者としては興味を引かれる導入だったのに対し、劇場版はストーリーを知っている方がほとんどなので、大画面でそよりんの怒りを観れるのはやっぱり興味を引かれる導入になりますよね。
良い始まり方です! これだけでご飯三杯はいただけます。

そして続くのは楽奈の追加エピソード
ここはもう、新しいエピソードだけでTV版一話分はあるのではないかというボリュームで大満足でした。
本編では彼女の突飛な行動に「ほんま不思議ちゃんやな~」くらいの認識&「自己主張強くて協調性のない、いかにもギタリストっぽいキャラ(ギタリストに対する偏見)やな~」という認識だったのが、ギターを始めた理由、そして途中での挫折、居場所がなくなった過程などが丁寧に描かれた事で、楽奈の行動の理由が明確に理解できるようになりました。
楽奈がRiNGのオープンマイクで再びギターを弾き始める事が出来たのは、完全に真次凛々子さんのお陰ですね。
MyGO!!!!!結成の陰の功労者は間違いなく凛々子さんでしょう。

楽奈について深く描かれた前編ですが、愛音についても結構時間を割いて彼女のトラウマと挫折についてしっかりと触れていたのは良かったですね。
個人的にはIt's MyGO!!!!!のストーリーは愛音を中心とした物語だと思っているので、やはり欠かせない部分だと思います。

もう一つ、前編を観ていて感じたのが、あえてCRYCHICと豊川祥子についてほとんど触れない、という構成です。
すべての物語が動くきっかけとなったのは祥子がCRYCHICを燈と始めた事なのは周知の事実ですが、それを敢えて前編では触れない事で、他に時間をしっかり確保するというのは、編集の妙というか、制作陣の思惑もあり上手な演出だったかと思います。

これは、前編では元CRYCHICの三人ではなく、後から加入になる新参二人にフォーカスを当てる事で、視聴者の気持ちを新参二人と同じ方向に誘導していく布石だったのかな。

わすれてはいけないのは、デカいスクリーン、デカいスピーカーで視聴するMyGO!!!!!サウンドは最高!って事ですね。
やはり家のスピーカーでは楽しめない音圧を感じられるのは良きです。
「碧天伴走」を映画館の音響で聞けるだけでも価値があります!!

そして冒頭のそよりんの例のセリフで前編は幕を閉じるのですが、その後のスタッフロールで流れる「過惰幻(あだゆめ)」が度肝抜かれる程良かったですね。
MyGO!!!!!の楽曲でバラードと言えば「栞」が思い出されるわけですが、同じようにアコースティックサウンドなのに「栞」がアコギのストローク中心の王道バラードだったのに対し、「過惰幻」はアルペジオで始まりポエトリーリーディング(と言うよりも燈の魂の言葉)がうまくアレンジに組み込まれていて、新しMyGO!!!!!サウンドのきっかけを感じさせる曲になっていたのが良かったです。

バンドの中で、これ立希が作曲してるのかな?
むしろ楽奈が作曲している方がしっくりくるんですが。
そんな「過惰幻」の余韻を残したまま、前編「春の陽だまり、迷い猫」は幕を閉じ、後編公開までのしばしの休息となるわけです。

後編「うたう、僕らになれるうた」

前編がうまくMyGO!!!!!から加入する楽奈、愛音にフォーカスしたのに対し、後編は元CRYCHICの燈、立希、そよにフォーカスした構成になっていたと感じました。

後編からは祥子を始め、睦、初華、海鈴、にゃむ、Ave Mujicaのメンバーも登場します。
ですが、ここで重要なのはこのAve Mujicaとなるメンバーではなく、燈、立希、そよのそれぞれに新規カットが追加されており、彼女たちの心情描写がTV版よりもより一層丁寧になされた、という事ですね。

それぞれが無自覚でも意図的でも、CRYCHICに固執し、執着していた部分をみつけて、それを乗り越えていく場面に新規カットが追加される事により、「詩超絆」のあの名シーンへと繋がっていくわけです。

特に燈の追加シーンが一人での詩の朗読シーンだったのがめちゃくちゃ良かったです。
彼女が少しずつ想いを詩にしていく様子が描かれ、これからのMyGO!!!!!の曲の礎になっていくのが明確になっていく工程は、まさにBanG Dream!お得意の展開ですし、言葉に想いが込められていき静かだけれど熱い想いを「音楽」で届けていきたいというメッセージが込められていました。

そして愛音がそよりんの家に突入して「私が終わらせてあげる」からの「詩超絆」はまさに観客全員が待っていた瞬間だったのではないでしょうか。
あの髪の毛をそっと整える凛々しい微笑の愛音ちゃんを大画面で観れて、めちゃ満足度高いです(笑)

後編は前編よりも大きなスクリーンかつ音響も良いところで観たので、大満足の「詩超絆」でした。
TV版とカメラワークは変わらないのに、劇場の大スクリーンで見ると燈が客席ではなくメンバーに向かって歌っている事が、より一層明確に強く表現されているように感じます。
燈の想いを詰めた「詩」が「音楽」という形になったのを目の前で体感できるような気がしました。
これはやっぱり、大画面、大音量で見るべきシーンでしたし、ステージ終了後の楽奈以外号泣シーンも良かったですw
劇場版万歳。

さて、その後は予定調和というか、知っている展開通りに事が進み、そよりんのツンが爆発していく感じで、なんというか安心して観てられます。
そしてライブへ。
ライブシーンはもう、当たり前のように良かったので感想は割愛します。

TV版はAve Mujicaへとつながる最終話があったので、劇場版はどんな風に終わるのかな、と思っていたのですが、最後は燈と愛音のシーンでしたね。
「一瞬一瞬の積み重ねで一生」という二人の握手で物語は終わりとなりました。
良い形でのENDですよね!
ここで変に新規カットを追加するよりも、よほど美しい終わり方でした。



ここより下の項目はストーリー以外の劇場版、FILM LIVEのネタバレとなりますので、これから劇場版をご覧になりたい方は、そっと閉じていただくかブラウザバックしていただければと存じます。

FILM LIVE

物語本編のラストライブを大画面で観て、もうちょっと音楽を奏でる五人を観たいよな~となる事必至なんですが、スタッフロールで新曲「歩拾道(スピード)」が流れて気持ちが盛り上がったところで、FILM LIVEが始まります。

もう、これがめちゃくちゃ良かった。
この十数分の為に映画館に足を運ぶのも有りってくらい。
では、完全ネタバレのセトリです。

1. 処救生
2.
音一会
3.
壱雫空

もう、一曲目の「処救生」からびっくりですよ。
「え!? 一曲目にそれ持ってくる!?」という感じでしたが、本編を観た後だと感慨深かったですね。
人間になれなかった燈が、今の自分としてありのままに自由に呼吸できる場所は五人で音を出すこのステージ、と言わんばかりの想いが伝わります。

そして実際のライブでも定番の「音一会」
これもFILM LIVEで観るとまた違った魅力があります。
とにかくメンバーが楽しそうに音を出している姿が生き生きと描かれていていいです。
五人が本当に素のままで飾らずに演奏していて、リアルMyGO!!!!!のバンドとちょっと重なる部分を感じたり。

とにかく楽しそうに満面の笑顔でギターを弾く愛音とか、途中途中ですまし顔をしているけど実質めっちゃノリノリなそよりんとか、Aメロとかでふらふら歩きまわってリッキーの隣に行っちゃう楽奈とか、メンバーにアイコンタクト送って笑う立希とか、そんなメンバー達に背中を押されてかのように堂々と歌う燈とか。
全員が「生きている」感じが、歌詞にリンクして伝わってくるようで、画面を食い入るように見てしまいます。

最後は「壱雫空」
この曲だけはFILM LIVEでやるな~っていうのは、後編の告知映像でわかっていたわけですが、当初の私の予想では1曲目だったので、ラストでいい意味で裏切られました。

この「壱雫空」が始まる前にMCが入ったのですが、そこで燈ちゃんが言った言葉はちょっと新鮮で印象に残りました
「人間の記憶に一番残るのは匂い」という主旨のMCだったのですが、雨が降り始める前の匂い、振り始めた後の匂い等、「壱雫空」の歌詞には匂いに関する事なんて一言も出てこないのに、このMCを聞いた後に聞く「壱雫空」の歌詞には、確かに匂いが感じられるような気がしました。
今日の匂いは忘れないよ、ともりん!

TV版のOPソングでもある「壱雫空」は傘の演出とともに何度も繰り返し見てきたわけですが、MyGO!!!!!の五人が一生バンドやる覚悟を決めた後に観るパフォーマンスは、傘の演出なんてなくても別次元で良かったです!

私は映画館の最後列のど真ん中で鑑賞しました。
このFILIM LIVEは多分実際のライブハウスの客席目線で作られていると思うので、ここだけは映画館の最前列、もしくはちょっと小さめの箱で観た方が、より臨場感を楽しめたのではないかと悔やまれます。

最後に

劇場版BanG Dream! It's MyGO!!!!!、前編後編合わせて、非常に良く出来た総集編であり、新規カットも含め、より一層の理解が深まった名作でした。

MyGO!!!!!というバンドがもっと好きになった劇場版になったのは言うまでもありません。
あまりにも良すぎて、映画を見た後に池袋サンシャインのプラネタリウムを観に行ってしまう程でした(笑)
隣の席に座席の倒し方がわからない初華はいませんでしたが……

今回この劇場版を観て思ったのは、BanG Dream!というコンテンツの凄さでした。
バンドのファンはまずは音楽から入り、メンバーの考え方や生き方、カッコいい部分、メンバー同士の絡みなどをTVや雑誌、ネットニュースなどを通して知っていくことで、バンドの背景を知り、より深くそのバンドが好きになっていくものだと思うのですが、BanG Dream!というコンテンツは、その背景をアニメとして提供する事で、最初からバンドに対する思い入れを作ってしまう事が出来るのです。

バンドにとって、これほど強い武器ってないんじゃないか、という程に。

そしてもう一つ、アニメのバンドの背景+リアルバンドのMyGO!!!!!の背景もそこにプラスできるって言うのは、もうなんだかずるいです。
キャラクターを演じる声優さん達が実際に楽器を演奏して、バンドを結成する。
それも、最初からプロミュージシャンのような人ではなく、これから成長していける人選をする。
MyGO!!!!!はアニメの中でキャラクターたちが成長していって育てているだけでなく、演じる声優さん達もまた、自身の成長によって育てていくバンドなのだから、魅力があって当然です。

兎にも角にも大満足の内容となった「劇場版BanG Dream It's MyGO!!!!!、今年の最後を彩る映画として間違いなくお勧めです!
そして、来年正月早々から始まるBanG DreamAve Mujicaを楽しみにしたいと思います。


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