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逮捕されて、留置場に行ってきました【女子留置場編】  警察署にて

私は約2年前の寒い時期に都内の警察署で逮捕され、原宿警察署の女子留置場に2週間ほどお世話になりました。

noteも使ってみたかったので、備忘録的に書き留めてみます。忘れた部分や加筆したい所はネットで拾って補足します。

まさか自分や知人が「逮捕される」なんて一度も考えたことが無かった方、あるいは、留置場ってどんな所?面会とか、差入れは何ができるの?といった事に興味が有る方向けの話です。特に女性が逮捕された場合の情報が少なかったので。

逮捕された事によって(誤認、冤罪などの不当逮捕も含め)、今までの日常が変わってしまった方、家族・友人・職場など、何かを失ってしまった当事者や、その方をサポートしている方々。或いは逆に、犯罪による被害を受けてしまった方々にとっては不愉快に思われる部分があるかも知れません。

ここで書くことは、あくまでも一個人の経験と感想です。ご了承下さい。

そのうち気が向いたら、逮捕された理由や、これに纏わる経緯なども書くかも知れませんが、とりあえずは逮捕→留置場→釈放まで、どんな事があったか書いてみます。

留置場と拘置所は、似ているようで管轄が違います。留置場は警察の管轄で、拘置所と刑務所は法務省の管轄になります。ここで書くのは未決の(罪が確定していない)留置場での話です。日本語は難しいもので、同じ「こうりゅう」でも、留置所は「勾留」、拘置所や刑務所では「拘留」となります。「拘留」は、既に有罪が確定した上での刑罰の一種の意味ともなるそうです。

事情聴取だか取調べを終え、裁判官から「逮捕状」が発行されると、本格的に逮捕されます。しっかり手錠も掛けられます。薄いブルーの色の腰縄もセットで付いてきて、取調室のスチールチェアーに固縛されます。その瞬間から留置場を出るまで、一人きりで壁にしっかり囲まれたトイレでドアを閉めて用を足すことは皆無に近くなります。常に他人が近くに居て、その他のプライバシーもゼロになります。確か、裁判所では一度だけトイレの個室ドアを閉められた事が有りました。勿論、外のドアの所に警察官が待機していましたが。

また私は喫煙者ですが、タバコも留置場を出るまで吸えません。警察署で取調べを担当している刑事さんと一緒に、警察署の屋外喫煙所でタバコを吸っていたら、「逮捕状が出たらタバコ吸えないですよ。もう一本吸っときます?留置場も今は禁煙になったんですよ」との情報は貰っていましたが、勾留中は不思議と一度もタバコを吸いたいと思いませんでした。最初から喫煙できる可能性が0%だと分かっていたからでしょうか。今でも不思議です。ちなみに昔は、留置場でも「運動の時間」に吸えたそうです。

喫煙所で見た空が明るかったので、逮捕状が出たのは、もう朝と呼べる時間になっていました。しかし、その時間帯を考えると裁判官はどういうシフトで仕事をしているんでしょうか。24時間体制なんですかね。

私は視力がかなり悪く、警察署に行ったのが寝る前だったので、コンタクトレンズを外して度が弱いメガネを掛けていたので時計も見えず、一連の記憶も、何となくぼやけてしまっているのが悔まれます。

話は戻って、逮捕されたら何をするか。

① 顔写真の撮影(正面、左から・右から)

② 両手の指紋と手のひらのスキャン(インクは使いません)

③ その時に履いている靴の足形を取る

④ DNAの採取(口の中を綿棒で)

⑤ 所持品の確認(リスト作成)

⑥ 弁護士への連絡を依頼(誰か指名できるのであれば)

⑦ 移送先が確保できるまで待機(23区内の女子留置場は湾岸・原宿・西が丘の3つ)

順序は曖昧ですが、だいたいこんな感じです。④は主に性犯罪の為に有るようで、任意という名目ですが、恐らく強制的な物だと思われます。⑤では、お財布の中身も洗いざらい確認してリストを作成します。自分が逮捕されるとは思っておらず、すぐに家に帰るつもりで財布、携帯、家の鍵とタバコしか所持品が無かったのですが、カバンごと持っていたら結構大変な作業になったと思います。これは留置場に入るときと出るときを含め、全部で3回やりました。

⑥ですが、逮捕されたら弁護士以外には連絡できません。しかも、この連絡も自分では行えず、警察が代理で連絡を入れます。なので誰かに「逮捕されたので明日は会社に行けません」などの連絡は不可能です。また、知っている弁護士が居なければ、誰にも一言も連絡が行かずに留置場に送られます。これはおかしいと思っています。何故なら、逮捕=有罪ではないからです。思い返してみれば、警察署に着いてから釈放されるまで、自分の携帯電話は警察に預けたまま、一度も自分の手に取ることはありませんでした。私が警察署に行ったのが真夜中だったので誰かに電話すべき時間帯ではありませんでしたが、それでも逮捕される可能性があるならば、逮捕状が出る前にメールでも打たせてくれれば、年老いた親にかけた心配も多少は減ってたかな?とか、「無断欠勤」とか「行方不明」などの社会的な不名誉を被る人は減るのでは?と後から思ってみたり。まあ、逮捕されるような事をしたと思われる時点で不名誉もヘッタクレも無いって理屈なんですかね。

⑦の移送先ですが、男性を勾留する留置場は殆どの警察署に有るのですが、女性の場合、23区内だと3つしか有りません。どこに何時位に移送するかという調整にも時間が掛かったようでした。警察署からの移送、護送?が始まったのがお昼を食べた後(留置所の食事と同じコッペパン)だったので女性留置場が意外と混んでいたのかも知れません。湾岸所は女性芸能人が移送されるので有名ですが、出入口の状況など、報道陣対策などで都合が良いのでは?と勝手に思っています。

そして、いよいよ移送場所が決まると、私服の警察官数名に囲まれて、留置場へ出発となりました。

長くなってしまったので、ここら辺でまた次回に。

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