【Leonid Kogan, 1924-1982🇺🇦ウクライナの芸術家シリーズ7】
20世紀の名ヴァイオリニスト🎻の一人,レオニード・コーガン(1924-1982)はソビエト連邦エカテリノスラーフ(現ウクライナ, ドニプロ)の生まれ。アマチュアのヴァイオリン弾きでもあった写真家の父親がレオニードの才能に驚き,音楽の勉強をさせるためにモスクワに行き,10歳からモスクワ中央音楽学校(1934-43)で,その後モスクワ音楽院(1943-51)で,アウアーの弟子のヤンポルスキー(Abram Yampolsky)に師事する。
コーガンは,モスクワ音楽院で同門となった,これまたウクライナ出身の名ピアニスト,エミール・ギレリスの妹でヴァイオリニストのエリザベート・ギレリス(Elizabeth Gilels, 1919-2008)と結婚している。息子のパヴェル・コーガン(Pavel Kogan, 1952-)はヴァイオリニスト🎻と指揮者として,娘のニーナ・コーガン(Nina Kogan, 1954-)はピアニスト🎹として大成している。爪の垢くらいでいいから遺伝子🧬を分けてほしい。(遺伝子は小さいから,爪の垢くらいの量集めるのは大変だよとか,つっこみをいれないでね)
コーガンの少し年上にオデッサ出身のダヴィド・オイストラフ(1908-1974)がいる。コーガンの名声は,ソ連がオイストラフの影にやや隠れてしまったと言われることもあるが,オイストラフはコーガンのヴァイオリンを高く評価しており,また,親交も深かったらしい。ちなみに,コーガンもオイストラフもユダヤ系。
コーガンは高い技術力と凛とした演奏スタイルが特徴で,旧ソ連の「ヴァイオリンの鬼神」とか「魔神と契約した天才」とか呼ばれることもある。エミール・ギレリスやロストロポーヴィチとともにピアノトリオの素晴らしい録音もたくさん残している。
動画は娘のニーナ(ギレリスの姪)と弾くクロイツェル・ソナタ。コーガンの凛としつつ表情豊かなヴァイオリンも素晴らしいが,ニーナの演奏がこれまた格好いい。ついでだが,譜めくりさんの緊張が伝わってくる。
(私,コンサートでピアノの譜めくり担当をしていたことが。いわゆる「譜メクラー」です。「遅すぎず,早すぎず,ちょうどよいタイミングでめくってくれたら良いわよ」と笑顔でピアニストに言われながら,いつも無茶苦茶緊張してました)