ロチェスター大学の講座「ブルース:アメリカ音楽の理解と演奏」@Couseraの修了証獲得!
Courseraにあるジャズの講座「ブルース:アメリカ音楽の理解と演奏」"The Blues: Understanding and Performing an American Art Form"の受講を完了しました! 全部で7週分のビデオ講義があって,48日で一通り受講が終わったので,ほぼ予定通りですね。これでCourseraにある音楽系のコースは17個履修完了! 結構すごいんでない!?
今回のコースの講師はロチェスター大学イーストマン音楽学校のDariusz Terefenko准教授。この動画でのピアニストだ。
コースでは,ビバップ期やポストビバップ期のいくつかのブルースのコード進行をもとに典型的なリハーモナイゼーションの方法の説明や,即興演奏をできるようになるための基礎練習とイヤートレーニングの方法を丁寧に説明している。題名にある"ブルース"のためのコースというよりは,ジャズの即興演奏の基礎の解説として素晴らしいコースだ。
前回受講したゲイリー・バートンによる「ジャズ即興講座」も素晴らしい講座だった(記事はこちら)。ゲイリー・バートンによる説明は即興演奏のために知っておくべき最低限のルールに焦点を当てており,後は自由なんだよというメッセージが濃厚だった。ただ,即興演奏に疎い私には提出課題になっていた即興演奏の録音が本当に大変だった。だって,どうやって手足を動かしたら泳げるかわからない状態で,とりあえず前に進めばどんな泳ぎ方でもいいんだからと海に放り出された感じだったんだ。
今回のコースは,泳げるようになるための手足の動かし方の基本練習の方法を丁寧に説明してくれていた。こちらを先に受講していたらゲイリー・バートンの課題は大分楽だったかもしれない。でも,その場合は発想が型にはまってしまっていた可能性もあるから,やはり今回の順番で良かったかもしれない。実際,必死でアレンジを考えて提出したゲイリー・バートンの課題に対して,「なるほど,僕は左手はコードを押さえてばかりいたけど,色々な弾き方があることがわかったよ」「メロディーの断片をうまく使って,リズムやダイナミクスの変化を上手に作ってるね」など,相互採点で前向きなコメントを沢山もらえたのは自信になった。何よりも,なんとなく「ジャズらしさ」のようなものを先入観として持っていた僕にとって,「そうか,ジャズの即興演奏と言っても必ずしもスイングしなくてもいいし,自由な発想で楽しめばいいんだ」と気づけたのは本当に良かった。
今回のコースで特に強調されていたのは和声の動きに敏感になることと,それを聞き取るイヤートレーニングの方法だったように思う。その着目点と練習方法には,最近少しずつ特集記事を書いているナディア・ブーランジェの教育方法と結構共通点があって,今後の音楽の勉強の方針を考える上で随分参考になった。
今回のコースでは簡単な確認テストが毎週あっただけなので,概ね規定の期間で受講を完了したけど,毎週演奏課題の宿題があったらさらに数ヶ月かかっていたと思う。というわけで,受講は完了したとはいえ,内容については全くのところ消化不良だ。当分は少しずつ復習してみるつもり。
でも,他にも受講したいコースもあるし,チェロの練習もしないといけないし,チェンバロの通奏低音の勉強もあるし,和声学や対位法の個人レッスンを受けてみたい気もするし…と色々悩んでます。