【今日のバッハのカンタータは?】2024/9/29(日)ミカエルマス
WHICH BACH CANTATA TODAY?" (「今日のバッハのカンタータは?」)の 2024年9月29日の記事の和訳です。以下，一部訳注やリンク, 動画の追加をしている以外はほぼ直訳です。原文の著者Michealの許可を得て翻訳や画像引用をしています。
ミカエルマス（聖ミカエルと大天使の祝日）
2024年9月29日 - 今日はミカエルマス(ミカエル祭)、ドイツ語ではMichaelistag、英語ではMichaelmasで、聖ミカエルと大天使の聖なる祝日としても知られている。バッハの時代には、ミカエル祭は典礼暦上重要な聖日であったため、今日のプレイリストには4曲を下らないカンタータがある。どれもライプツィヒ時代のものだ。ただし，微妙な書き方をしたのは、「今ぞ，救いと力現れたり」《Nun ist das Heil und die Kraft》BWV 50は、おそらくは1723年に書かれたととされる今は失われたカンタータのコラール楽章だからだ。
お気づきのように、ミカエル祭のために書かれたカンタータはどれも、大編成のオーケストラ伴奏と力強い合唱パートを持つ、かなり堂々としたものだ。その理由は2つある。まず、バッハの時代、ミカエルマスはクリスマスやイースターと同じような聖なる日であり、祝祭的なカンタータが期待されていた。それに加えて，この日はライプツィヒで毎年開催される大きな見本市、ミカエル市の初日でもあった。ライプツィヒには多くの観光客が訪れれので、良い印象を与えることが重要だったのだ。
「今ぞ，救いと力現れたり」《Nun ist das Heil und die Kraft》BWV 50は、おそらく1723年に書かれた，今は失われたカンタータの合唱楽章だ。しかし、自筆譜は存在せず、最初の出版は1860年であるため、これがバッハの作品であるかどうかについては疑問の声がある。
「主なる神よ、われらは皆汝を賛美する」《Herr Gott, dich loben alle wir》BWV 130はコラール・カンタータ・サイクル中の作品で、パウラ・エバース（Paul Ebers, 1554）の賛美歌に基づく。
「戦いが起これり」《Es erhub sich ein Streit》BWV 19は、ピカンダーの台本に基づく。ピカンダーはバッハが後年緊密に協力することになる台本作家で，最後のカンタータ《Man singet mit Freuden vom Sieg》BWV 149もその一例だ。
ミカエルは私の名前の日なので、バッハが今日の日のためにこのような素晴らしい作品を書いてくれていたことを心から嬉しく思う。
Music for today
Nun ist das Heil und die Kraft, BWV 50
(first performance ? 1723, Leipzig period)Herr Gott, dich loben alle wir, BWV 130
(first performance 29 September 1724, Leipzig period)Es erhub sich ein Streit, BWV 19
(first performance 29 September 1726, Leipzig period)Man singet mit Freuden vom Sieg, BWV 149
(first performance ? 29 September 1728 or 1729, Leipzig period)
Extra information
オランダ・バッハ協会のウェブサイトにBWV130とBWV50の詳細と演奏が掲載されている：
https://bachvereniging.nl/en/bwv/bwv-130/
https://bachvereniging.nl/en/bwv/bwv-50/
Playlist
WBCF0929-Michaelmas (Feast of Saint Michael and the Archangels)
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