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【八丈島・アラベスク】海の中だけじゃない“居心地の良さ”をつくりたい

東京都の離島・八丈島。この地を訪れたことがある人は、どれほどいるだろうか。3年前に初めて訪れた私、セリーナも、当時は「八丈島といえば何?」と問われたら、即答することは難しかった。だが今では年に3、4回足を運び、八丈島の魅力を周りに熱弁するまでに。そのきっかけとなったのが、八丈島にあるダイビングショップ「アラベスク」だ。

そこで今回、私が幾度もお世話になっているアラベスクの魅力を3回にわたって、それぞれ異なる3人の視点で紹介していきたいと思う。第1回では、ガイド歴4年目の柳百花やなぎももかさん(以下、百花さん)にお話を伺いながら、彼女が日々大切にしていることでもあり、私が感じていることでもあるアラベスクの“居心地の良さ”という視点から読み取っていこう。


「気持ちの切り替えができる」その秘訣は瞑想にあり

百花さんの1日は、ラジオ体操と瞑想で体と心を整えることから始まりますよね。ラジオ体操については、体を動かすダイビングインストラクターという仕事柄、怪我予防が目的であることは納得です。しかし、瞑想とは…!どのような効果があるのでしょうか?

お客様がご来店する前夜にダイビング器材の準備などは済んでいるので、お客様をお迎えする朝の時点では、やることが明確化されています。それでもやはり、準備の流れでお客様を迎えると、慌ただしい印象を与えてしまいます。だからこの瞑想(8分間)があることによって、一旦その流れをリセットでき、気持ちを切り替えることができるんです。

なるほど。心の余裕をつくる大切な時間なんですね。最初は「ダイビングショップが瞑想!? 」と驚きましたが、納得しました。お迎えの場面は、お客様にとって、アラベスクの第一印象にもなりますよね。

“居心地の良さ”の一端が、早速見えてきました。

徹底したカウンセリングが、居心地の良さを左右する

アラベスクでは、お客様お迎え後の朝の時間をとても大切にしているとお聞きしました。具体的にはどのような工夫をされているのでしょうか?

はい。私たちは、当店に来たお客様一人ひとりにとって、居心地の良い場所をつくりたいと思っています。そのために大事にしているのが、“カウンセリング”です。

皆さんダイビングをしに来たといえど、ガツガツたくさん海に潜りたい方もいれば、陸観光を多めに楽しみたい方、ダイビングに対して不安のある方もいらっしゃいます。十人十色、この異なる希望をできる限りキャッチして、その情報から最適な提案をするのが、一人ひとりの居心地の良さをつくる第一歩だと思っています。

お客様への単なる説明や準備の時間ではなく、特別な1日を作り上げるための準備の時間になるんですね。

初来店で緊張している方がいたとしても、お客様の気持ちをほぐし、自分の希望を伝えやすい環境をつくるようにしています。少しでもこのカウンセリングに時間を多く確保できるように、参加申込書はデジタル化し、手続きにかかる時間を短縮しました。

“居心地の良さ”をつくるため、このプロセスにじっくりと時間をかけるアラベスクのこだわりを感じます。

お客様の人生の一部に寄り添うパートナーのような存在

アラベスクのサイトを拝見していたら、“Find your well-being with the blessing of the ocean”――「海の恵みの中で、あなたなりの幸せを見つけてみてください」というアラベスクのコンセプトを見つけました。普段から意識していることはありますか

私もこのコンセプトに、強く共感しています。ただお客様にダイビングを楽しんでもらうだけでなく、ダイビングを通して、お客様の人生をより豊かにできたらいいな、と思っています。

ですから私は、お客様が八丈島だけで潜れるようになれば良いとは思っていません他の海でも安全に潜れるようなスキルや知識を、アラベスクにお越しいただいたときには、身につけてもらいたいと考えています。

実際に、アラベスクでのダイビングで自信を持ち、他の海でも潜れるようになったというお声をお客様からいただくことがあります。

百花さんは、単なる“ダイビングのサービス提供者”ではなく、“お客様の人生の一部に寄り添うパートナー”のような存在かもしれませんね。

そうですね。お客様の中には、他の海で潜って、再びアラベスクに戻ってきてくださる方も多くいらっしゃいます。特に私がアラベスク入社以降に初来店したお客様がリピートしてくださるのは本当に嬉しいです。そのとき、『アラベスクは安心する』、『また来たくなった』と言っていただけると、やりがいを感じます。

居心地の良さは、店内からも

ここで少し店内にも目を向けてみたいと思いますが、私、アラベスクのリゾートホテルのようなデザインがすごくお気に入りなんです。高い天井で、かつ大きなガラス窓からたっぷりと自然光が差し込むので、この空間にいるだけで気持ちいいです(笑)。

あとダイビング後に着替えが終わると、ホットコーヒーやティーを用意してくれますよね。こういう細やかな心遣いで、体も心も温まります

そのように言っていただけて光栄です。確かに、アラベスクの店内の雰囲気はダイビングショップでは珍しいかもしれないですね。

白を基調とした清潔感と開放感が広がる店内

さらに、その店内で交わされる会話や笑顔も“居心地の良さ”を作り出していると感じるんです。アラベスクに何回か来させていただいているうちに、「百花さんと、百花さんの上長である代表・小金沢昌博さんの自然体なやり取りが、お店全体の温かい空気感をつくりだしているのかも」と思うようになりました。

その点でいうと、小金沢さんが、私がのびのびと働ける体制を整えてくださっていることが大きいかもしれません。たとえば、お客様からの問い合わせの対応やイベント・ツアー開催の段取り、PRグッズ制作などは、小金沢さんから「やってごらん」と信頼のある環境で仕事を任せてもらっています

小金沢さん(左)と百花さん(右)の自然体な姿が印象的

なるほど。それが百花さんにとっての働きやすさやモチベーション、さらにはお店の温かい雰囲気につながっているのかもしれませんね。

実は今回の記事執筆にあたり、私はアラベスクの魅力について改めて考えてみたんです。最初、「過ごしやすい店内」や「百花さんや小金沢さんの温かい人柄」など、いくつか漠然としたキーワードが思い浮かびましたが、もっと深く掘り下げて、その魅力はつまり何なのか、具体的に表現したかったんです。そこで、百花さんに取材をしたところ、腑に落ちた気がしました。「私が感じていたのは“居心地の良さ”なのかもしれない」と。

最後に百花さん、今後挑戦してみたいことを教えてください

お客様が、いい意味でわがままを言える場をつくりたいです。やってみたいことを素直に言ってもらえる場でありたいと思っています。そのために、カウンセリングの深みを増すことはもちろん、常に新しい提案ができたり、提案できる幅をもっと広げたいです。「こんなこともできるんだ!」と思っていただけるガイドになりたい。そしてお客様に“居心地がいい”と感じていただけたら嬉しいです。

お客様一人ひとりの声に耳を傾け、寄り添いながら提案を行い、それぞれの居心地の良さをつくっていく。八丈島の美しい自然とともに、アラベスクで過ごす時間はきっと忘れられない思い出になりますね。百花さん、ありがとうございました!


柳百花さんプロフィール

2021年4月にアラベスクへ入社し、現在ガイド歴4年目。体験ダイビングから、講習、ファンダイビングまでアラベスクのことなら何でもお任せあれ。クールで大人っぽい雰囲気もありつつ、話すとフレンドリーで気さくな笑顔に癒される。何より、抜群の安心感で、頼り甲斐がある存在。


八丈島ダイビングショップ アラベスク

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〒100-1401東京都八丈島八丈町大賀郷363-1
Tel.04996-9-5838

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セリーナ【フリーダイバー/スキンダイビングガイド/ライター】
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