虚は今、実となる 6月25日 百瀬ヒバナ3D御披露目「番狂わせ」ライブレポート
6月25日、「彼岸に住まいし虚」百瀬ヒバナの3D御披露目ライブ「番狂わせ」が開催された。
百瀬は2020年3月から音楽活動を開始し、現在はオリジナル曲3曲を有する他、草野華余子氏の楽曲提供が決まっている。またれるりり氏の「反芻シ考」サブスク配信PJ参加、オフラインイベント「Vの宴2022」出演等活躍の場を広げつつある実力派VSingerである。
そんな百瀬は、昨年実施したクラウドファンディングを元に今回のライブを開催する。果たしてライブで何を語りどんな思いを伝えるのか。謎のティザームービーは何を示しているのか。多くの謎とともに、ライブ開場の時間を迎えた。

ライブに先立ち、百瀬ヒバナと交友のあるVSingerからの祝辞ビデオメッセージが披露された。


祝辞はSifar、遠坂ユラ、潮成実、大江ふぶき、菜花なな、花風りん、Lime、泡沫調、九条棗、羽天ひよりの10人。実力派VSingerが名を連ねた。
さらに、開始直前のアナウンスを務めたのは、なんと九条棗(日本語)と羽天ひより(英語)!公私ともに親友の二人がライブ運営に携わっており、百瀬の人望の厚さが窺われた。
ライブが開始されると、オープニングムービーが流れた。
(ライブ翌日にOPムービーのみの動画が公開されている)
更なる謎とともに、ライブはすぐに始まった。


出だしから百瀬のオリジナル曲が続けて2曲披露された。斜陽は悲しみを帯びた静かな曲、果実は激情ほとばしる激しい曲で対照的である。
このあとのMCではあまりの視聴者数やスーパーチャットの勢いに気が動転していたが、それだけの注目度に値するライブであったろう。


続いては、CH4NGE/Gigaとチキチキバンバン/QUEENDOM。チキチキバンバンでは、ダンスとともに歌唱を披露した。
ここでの注目点はトラッキングの精密性。指の一本一本に至るまで、リアルのような精度だ。これまで数百人のVTuberの3D化に携わった3DVRの最先端企業Live cartoonの技術協力が、百瀬のダンスをより輝かせている。



インターバルを挟んで阿修羅ちゃん/Ado、I beg you/Aimer、蝸旋/Jon-YAKITORI feat.Adoの3曲を続けざまに歌い上げた。いずれも普段の百瀬の配信でも人気の高い曲で、阿修羅ちゃんではサビではコメントが「あんだすたん」で埋め尽くされた。
このあとのMCでは、デビュー以来百瀬を支えてくれたリスナー、運営協力に入っている九条および羽天への謝辞を述べたあと、今日封切りとなる新曲が発表された。

草野華余子作曲、烈火──
百瀬のこれまでの歩み、これからの野望を全て託した、魂の一曲。
草野氏の楽曲提供が決まってから1年と3ヵ月、滾り続けた想いは今ここに火柱を噴き上げ、現世を紅く照らした。
烈火を歌い上げた後、烈火のデジタルリリース準備中、3D記念のTシャツおよびフレグランスミストの紹介、運営スタッフへの謝辞とライブ終了後の3D撮影会の告知があり、そして最後の曲に入った。

最後の曲は、百瀬のデビューシングル「不死鳥」。
"還らなければ"──百瀬は、自らの原点へと戻っていくようにこの曲をラストに持ってきた。
切なさを含みながら強烈な力が籠もった歌声に会場の熱狂は最高潮に達し、興奮覚めやらぬ中ライブは幕を閉じた。
今回のライブは、正にオープニングムービーで見て取れた「存在を示す」ことがテーマであった。「貴様らに歌届けるために」活動を始めた百瀬。れるりりや草野といった音楽界の名手に才能を認められながら、世間にはなかなか存在を認知されないギャップには忸怩たる思いがあったはずだ。
このままで「歌を届け」られてると果たして言えるのか。そのような危機感、焦燥感が下地にあったように感じられた。事実、開催発表以来毎日のようにTwitterで拡散、宣伝のお願いをしていた。
この停滞した現状をひっくり返すために。万民の耳目を"奪ってやる"。登録者数6千余の小童に何ができるか、そんな先入観を"奪ってやる"、所詮虚は虚であり実とは世界が違う、そんな偏見を"奪ってやる"────だから「番狂わせ」なのだ。
百瀬はこの日、巨大で険しい音楽界に1本の火柱となって現れた。その火は、やがて天を焼き、地を焦がし、人心に「百瀬ヒバナ」の焼印を打ち付けるであろう。
百瀬ヒバナ 3D御披露目ライブ「番狂わせ」
2022年6月25日(土)16:00-17:00
セットリスト
①斜陽/百瀬ヒバナ
②果実/百瀬ヒバナ
③CH4NGE/Giga
④チキチキバンバン/QUEENDOM
⑤阿修羅ちゃん/Ado
⑥I beg you/Aimer
⑦蝸旋/Jon YAKITORI feat.Ado
⑧烈火/百瀬ヒバナ
⑨不死鳥/百瀬ヒバナ
スタジオ・技術協力 Live cartoon
PA つこ
マニピュレーター あすきー
映像 Chaosgroove
会場アナウンス・運営補助 九条棗・羽天ひより
3Dモデル制作 おいたん
キャラクターデザイン あらへなす
OP映像 しゅうへい
OP原画 Suico
百瀬ヒバナ Twitter