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製造業の革命「3Dプリンター万能説」

 次なる産業革命が求められる時代になったと思う時があります。特に日本なんかは斜陽国家化しつつあるようにも思えます。大手メーカーの相次ぐ倒産や暗い話題を聞くたびにそう思うようになりました。

 時代は常に移り変わります。技術を誇る日本であるならば、世界の最先端の技術を積極的に取り込み、一つのやり方に拘泥しない社会を目指さなければこれ以上の発展は望めないのでしょう。

 18世紀初頭から始まったとされる産業革命からすでに200年が経ちました。産業の在り方は多少変わってきたものの根本的には「大量生産・大量消費」の理念がいまだ存在しているのではないでしょうか。

 コストを下げて利益を得る。お金を稼ぐ最も単純な理屈ですが、そのやり方はいつまで持つのでしょうか?

 コストを下げるための方法の一つに人件費の安い海外へと工場を移すことが挙げられます。しかし、この方法には限界があります。現地が発展することが障害になるのです。たとえば、中国。中国といえば、人件費が安いことでも有名でしたが、時代が進むにつれて変わっていきました。現在では日本並みの人件費を必要とするところも多いそうです。

 日本企業の海外への生産拠点移動は人件費を安く抑え、製造コストを抑える役割を果たしますが、長期的にみると日本にとって不利に働きます。それは産業の空洞化、国内での生産性の低下など、様々な問題があります。

 ですが、その問題を解決できる可能性が表れてきました。それが「第四次産業革命」です。今回はそれらについて紹介していきます。

1.落ち込む経済成長率

 国際的な経済成長率が低下してきています。中国のような新興国ですら経済成長率はすでに頭打ちとなり、かつてのような伸びを見せているわけではありません。(それでも高い成長率を持っていますけど)

下図:世界の実質経済成長率

 上記の図は世界の実質経済成長率をグラフにまとめたものになります。経済成長率はGDPを用いて計算されます。GDPはGNPとは違い国内生産をもとに計算していますので日本企業が海外で工場を作って経済活動をしたとしても日本のGDP向上には貢献しないことを認識しておいてください。

 この図を見ます全体で経済成長率の伸びが鈍化しているのが見えると思います。先進国に至っては最低クラスの伸びを見せていますのが確認できます。GDPは割合を示すものなので先進国の1%と発展途上国の1%は金額にすると差が表れるはずですが、経済成長という観点で見れば先進国は経済の停滞を見せていることが分かります。

 経済成長を促すためには何をすればいいのか? 疑問になった私はネットで少し調べてみますと至極わかりやすいものが見つかりました。それは

①労働力を増やす

②資本を投入する

③生産性の向上

 この三つが経済成長を促すもとになるそうです。うん、わかりやすいですね。ただ、これを簡単にクリアすることができないからこそ各国は苦労しているのだと思いますけど………。

 今の日本でこの三つの条件を検討してみましょう。ここでは素人の私がなんとなく考察してみますが、人によって千差万別の答えが出てくるかもしれません。

①いうなれば人口でしょうね。日本の人口が増えれば労働力が増えると考えていい気がします。でも、少子高齢化の日本にとっては厳しい条件ですね。

②資本の範囲が広くて何が最適なのか難しいですが、潤沢な資金がいるということでしょうか。お金を稼いでそのお金をもとに事業を拡大、さらにお金を稼ぐという企業のサイクルを回していくほかありません。そう簡単にうまくいくものではありません。すでに市場で行き詰ってしまったところとかもありますし。

③生産性の向上。これが一番達成しやすそうな気がします。言うならば技術革新が生産性を向上してくれるからです。歴史上で見る爆発的な経済成長は上記エンジン然り、大量生産モデル然り、機械製造に然り、生産技術の向上によってもたらされたものでした。これらの経済成長は「産業革命」と言われてきました。

 今回、書きたい内容に近づいてきました。

 そう、今回のテーマは「産業革命」です。

 次世代の産業革命である「第四次産業革命」と呼ばれるものが近づいてきています。

2.次なる産業革命「第四次産業革命」とは

そもそも産業革命は四つもあったの? と疑問に思うでしょう。歴史では産業革命といえば18世紀から始まるイギリスの出来事だろうが、実は産業革命とはこれだけではないのです。

「第一次産業革命」:水力、蒸気力による工場の機械化

「第二次産業革命」:分業に基づく電力を用いた大量生産

「第三次産業革命」:電子工学や情報技術を用いた一層のオートメーション化

 これらの事象がそれぞれ産業革命と呼ばれています。これに加えて「第四次産業革命」と呼ばれるものが近づいてきていると言われています。

3.大量生産から多品種少量生産の時代へ

 第四次産業革命とは何でしょうか?

 いくつかの技術がそのコアになると言われています。

1:lotおよびビッグデータ技術。

2:AI技術。

 これだけではありません。3Dプリンターはさらに発展し、より高度な加工を可能としています。3Dプリンターで拳銃をつくった事件などは皆様も聞いたことがあるかと思います。

 これまでの産業革命は大量生産による人々を対象にした製造業を推し進めました。それは画一的な商品を作り上げることに特化していましたが、これらの技術はより、小さな単位。つまり「個人」を対象にした産業を可能にします。ビッグデータやAIを活用することで私たち個人に対してアプローチをすることが可能になりました。3Dプリンターはそれらのカスタムデザインを容易に成し遂げることができる製造機械として注目されています。

 これからの産業は生産性以上に柔軟性を伴ったモデルが達成できる技術が出来上がりつつあるということです。つまり、大量生産大量消費の時代から多品種少量生産の時代がやってくるということになります。

4.救世主「3Dプリンター」

 第四次産業革命は多品種少量生産の時代が来ると書きました。これを「マス・カスタマイゼーション」と言います。コンピュータ技術を利用した柔軟な生産システムのことです。個人のほしがる特注品が量産品並みのコストで手に入れられるようになります。

 この考えが普及することで大きな経済活動の転換が起きることになるでしょう。このモデルでは工場を海外においてコストを下げる利点が殆どなくなるため、工場を海外移転して日本へ商品を輸入することがなくなります。日本国内に工場を置いたほうがいいことは明白でしょう。新興国での製造を行うモデルから国内でのいわば「地産地消」に近いモデルに変わっていくことでしょう。先進国から失われた雇用が戻る可能性は大いにあります。

5.最後に

 トヨタの看板方式や海外に工場を置くことで人件費を抑えるやり方など産業界における様々な試みがなされていましたが、それらはすべてやり方の改善にすぎませんでした。経済成長を大きくけん引するような発想にはなりえなかったというわけです。技術進化の転換期がやってきています。AIはその中でも最たる技術の一つでしょう。3Dプリンターも加速度的に性能が向上しています。工場でいくつもの機械で作られる製品がプリンター一つで作られるようになる時代も来るかもしれません。私も3Dプリンター勉強してみようかな?

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