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人生に必要なことはすべてリッツカールトンが教えてくれた。

リッツカールトンの存在を初めて知る

リッツカールトンといえば、日本のみならず、世界中のラグジュアリーホテルの代名詞として名を馳せています。

なぜ飛躍的な成長を成し遂げ、長い間成功を収め続け、なおかつホテル業界での確固たる地位や名誉を欲しいがままに受け取っているホテルは稀ではないかと思われるのです。

美味しい料理や高価な調度品を備ている高級ホテルは数多く存在しています。

ザ・リッツ・カールトン大阪のメインダイニング フランス料理 「ラ・ベ」

ザ・リッツ・カールトン大阪のメインダイニング フランス料理 「ラ・ベ」ディナー

しかし、リッツカールトンはそれ以上に大切にしているのが従事しているスタッフなのです。

リッツカールトンでは従業員のことを「紳士淑女」と呼んでいます。

常に従業員に対して敬意を表している名称かと思われます。

人材こそがビジネスの基盤と顕著に表しており「紳士淑女(従業員)を大切する」企業理念が根付いているのです。

仮にお客様と従業員どちらが大切かと尋ねたら、迷うことなく「従業員です」と即答されるのです。

つまり従業員を大切にするから、お客さまに対して立派なサービスが提供できるということです。

私がリッツ・カールトンの存在を知ったのは今から30年前のこと。

当時シティホテルの宴会セールス仕事に従事していたこと、とある富裕層のご夫婦とご縁あり、その方を通じて初めてリッツ・カールトンの存在を知りました。

まだ日本にはリッツ・カールトンが存在していなかったのですが、そのご夫婦がマウイ島のリッツカールトンでの宿泊体験されたエピソードを聞いたり、その写真を拝見して非常に感銘を受けた記憶があります。

その数年後に大阪に日本第1号のリッツカールトンが開業。

身銭を切ってエグゼクティブスイートに3連泊して、今までにない興奮と感動したことを昨日のように記憶が蘇ってくるのです。

クルーズ乗船前に宿泊したホテル・アーツ・バルセロナもリッツ・カールトン

その後、大阪だけでは物足りず世界中のリッツカールトンを訪ねてみたいと衝動に駆られて、欧米やアジアのリッツカールトンの巡礼を旅をしたり、パッケージプランを企画して、集まったお客様をエスコートしたりと猛烈なフアンになっていました。

一人の旅好きの人間を熱狂的なファンにさせたリッツ・カールトンのビジネスモデル。

このビジネスモデルは、単に企業の業績向上のみならず、突き詰めていくと人生を豊かにするエッセンスが凝縮されていることに気づいていくのです。

どこの企業も発展のために、ビジョンや目的、そして価値観を成功の指針を掲げています。

リッツ・カールトンの場合、それを従業員に可視化できるようにまとめたのが「ゴールド・スタンダード」です。

この「ゴールド・スタンダード」こそホテル業界のみならず、ホスピタリティ業界の基準となっているのです。

リッツ・カールトンが提唱する「ゴールド・スタンダード」を区分けしたのが3つあります。

  • クレド

  • ザ・リッツ・カールトンベーシック

  • サービスの3ステップ 

最初にリッツ・カールトンのベンチマークとも言われる「クレド」について記載します。

リッツ・カールトの「クレド」とは

© 2022 The Ritz-Carlton Hotel Company, L.L.C. All rights reserved.

一般的にクレド(Credo)とは、企業全体の従業員が心がける信条や行動指針のことを指します。

1986年米国フロリダ南西部のネイプルズにリッツ・カールトン初のリゾートホテルがオープンしました。

当時、ネイプルズは地図にも載っていないのどかな漁村だったのです。

今やこの「ザ・リッツ・カールトン・ネイプルズ」はリッツ・カールトンを代表するリゾートホテルとして評価が高いのです。

リッツカールトンのクレドはこのネイプルズで出来たのです。

このネイプルズのオープニングには約600名の従業員がいました。

オープニングの日には、わずか3時間前に社員になった人ばかりだったのです。

そこで彼らにリッツ・カールトンの企業理念を2〜3行まとめられないモノなのかと当時のザ・リッツ・カールトンホテルカンパニー社長ホルストシュルツイ氏が「クレド」と命名したのです。

クレドとは「私は信じる」というラテン語から由来。

ボーイスカウトの誓いのようにリッツ・カールトンで働く従業員に3つの実践を誓う形式で 「究極のゲスト体験」をまとめた文章なのです。

リッツ・カールトンのクレドは以下の通りです。

リッツ・カールトンはお客様への心のこもったおもてなしと快適さを提供することをもっとも大切な使命とこころえています。

私たちは、お客様に心温まる、くつろいだ、そして洗練された雰囲気を常にお楽しみいただくために最高のパーソナル・サービスと施設を提供することをお約束します。

リッツ・カールトンでお客様が体験されるもの、それは感覚を満たすここちよさ、満ち足りた幸福感そしてお客様が言葉にされない願望やニーズをも先読みしてお答えするサービスの心です。

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このクレドはベルボーイ、コンシェルジュ、ランドリー担当など仕事の違いに関係なく、すべての従業員にリッツ・カールトンの紳士淑女(従業員)として何をすべきかをはっきり表しているのです。

ザ・リッツ・カールトン東京のアフタヌーンティー

サービスの3ステップ

最高級ラグジュアリーホテルとして、常に質の高いサービスを提供することでリッツ・カールトンは他の追随を許さなかったのです。

例え相手が一個人のゲストでも法人であってもサービスの基本は変わりません。

リッツ・カールトンではサービスを単純化戦略は業績向上には不可欠だと理解しており、従業員が常に携帯している「クレド」にサービスの3ステップが記載されている。

サービスの3ステップ
1.あたたかい、心からのごあいさつを。お客様をお名前でお呼びします。

2.一人一人のお客様のニーズを先読みし、おこたえします。

3.感じのよいお見送を。さようならのごあいさつは心をこめて。
お客様のお名前をそえます。

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上記のサービスの3ステップは従業員が、取引先や納品業者など、リッツ・カールトンに関わるすべての人に接する時の対応のみならず、従業員が新入社員として入社した時から、異動や退職する時にもこの考え方が浸透しているのです。

「家族や友人のように丁寧に接してくれた」と業界を超えての定評があるリッツ・カールトンの根底に「サービスの3ステップ」があるからだと思われます。

ザ・リッツ・カールトン東京のロビー

ザ・リッツ・カールトンベーシック

「ザ・リッツ・カールトンベーシック」とは上記の「クレド」や「サービスの3ステップ」をさらに進化させたものです。

そして、リッツ・カールトンの過去の成功の要因でもあり、事業が発展し継続していくテクニックでもあります。

ザ・リッツ・カールトンベーシックは以下の通りです。

1、クレドは、リッツ・カールトンの基本的な新年です。全員がこれを理解し、自分のものとして受け止め、常に活力を与えます。

2、モットーは「私たちは紳士淑女をおもてなしする紳士淑女」です。サービスのプロフェッショナルとして、お客様や従業員を尊敬し、品位を持って接します。

3、サービスの3ステップは、リッツ・カールトンのおもてなしの基本です。お客様と接するたびに、3ステップを実践し、お客様に満足していただき、常にご利用いただくことでロイヤリティーを高めましょう。

4、「従業員への約束」は、リッツ・カールトンの職場環境の基本です。すべての従業員がこれを尊重します。

5、すべての従業員は、自分のポジションに対するトレーニング終了認定を受け、毎年再認定を受けます。

6、カンパニーの目標は、すべての従業員に伝えられます。これをサポートするのは、従業員一人ひとりの役目です。

7誇りと喜びに満ちた職場を作るために、すべての従業員は、自分が関係する仕事のプランニングに関わる権利があります。

8、ホテル内に問題点がないか、従業員一人ひとりがいつも隅々まで注意を払いましょう。

9、お客様や従業員同士のニーズを満たすよう、従業員一人ひとりには、チームワークラテラル・サービス(部門を超えたサービス)を実践する環境を築く役目があります。

10、従業員一人ひとりには、自分で判断し行動する力(エンパワーメント)が与えられています。お客様の特別な問題やニーズへの対応に、自分の通常業務を離れなければならない場合には、必ずそれを受け止め、解決します。

11、妥協のない清潔さを保つのは、従業員一人ひとりの役目です。

12、最高のパーソナル・サービスを提供するため、従業員には、お客様それぞれの好みを見つけ、それを記録する役目があります。

13、お客様をひとりとして失ってはいけません。すぐにその場で、お客様の気持ちを解くほぐすのは、従業員一人ひとりの役目です。苦情は自分のものとして受け止め、お客様が満足されるよう解決し、そして記録します。

14、「いつも笑顔で、私たちはステージの上にいるのですから」。いつも積極的にお客様を見て対応しましょう。お客様にも、従業員同士でも、必ずきちんとした言葉遣いを守ります。(「おはようございます」「かしこまりました」「ありがとうございます」など)

15、職場にいる時も、ホテルの大使であるという意識を持ちましょう。いつも肯定的な話し方をするよう、心掛けます。何か気になることがあれば、それを解決できる人に伝えましょう。

16、ホテル内でお客様に場所を聞かれたら、ただ指さすのではなく、その場所までお客様をご案内します。

17、リッツ・カールトンの電話対応エチケットを守りましょう。呼び出し音3回以内に「笑顔で」電話を取ります。お客様の名前をお呼びしましょう。保留にする場合は、「少々お待ちいただいてもよろしいでしょうか」とお尋ねしてからにします。電話の相手によって接し方を変えてはいけません。電話の転送はなるべく避けましょう。またボイスメールのスタンダードを守りましょう。

18、身だしなみには誇りを持、細心の注意を払います。従業員一人ひとりにはリッツ・カールトンの身だしなみの基準に従い、プロフェッショナルなイメージを表す役目があります。

19、安全を第一に考えます。従業員一人ひとりには、すべてのお客様と従業員に対し、安全で、事故のない職場を作る役目があります。避難・救助方法や非常時の対応すべてを認識します。セキュリティに関するあらゆる危険な状況、直ちに連絡します。

20、リッツ・カールトン・ホテルの資産を守るのは、従業員一人ひとりの役目です。エネルギーを節約し、ホテルを良い状態に維持し、環境保全に務めます。

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上記の「ザ・リッツ・カールトン・ベーシック」には、如何に会社に依存せず、自主性を持って積極的に仕事をすることを求められています。

ここで一番注目されるのは、従業員の創造力無くして「ザ・リッツ・カールトン・ベーシック」を実践しても、お客様のニーズの先読みをすることは不可能であると思われます。

「ああなったらこうなる」

「こうなったらああなる」

など、様々なパターンのシミュレーションの連続ですので、絶えず創造力をフルに発揮していかないと、お客様の想定外の問題を解決したり、変化し続けるお客様のニーズに応えることは難しいと思われます。

これを自然にできる人がリッツ・カールトンが求めている「才能」ではないかと思う次第です。


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