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第16話「疑似空間」 #限界シェアハウス文学

最近すごいひとのnoteに触発されて同居人がnoteを始めた。モチベーションや目的は殆ど一緒で「ムカついたことの記録」だったり「周囲の停滞の打破」などらしくて本当に共感しかない。負の感情や嫌な体験が発端であったとしてもそれが本物であるならば人を突き動かし、何かを起こせるような気がしている。それはすごいひとの周りでもそうだった。まとまった文章を書く経験や訓練もあまりしたことない自分のnoteに読者がそれなりについたり確実に登場人物たちにダメージを与えて加速させることができたりと、やっていて良かったことしかない。何言っているのかよくわからないファンレターをもらうことも増えたがあの謎の本物のメッセージに応えていきたいという気持ちも芽生えてきた。同居人が「俺がオタクたちを救う」と言っているのと同じように。

再起

すごいひとの今いる家には週3くらいで人が来る。同居人を訪ねてくる気合の入った熱いオタク達、毎週ガルクラのリアタイ鑑賞会に来て翌朝まで考察していくおじさん達、大司教などなど。

すごいひとが来る以前、同居人の会社の破滅によりこの部屋は凄まじく荒れていたらしいのだが有志が掃除や片付けを手伝ったり退去していく元同居人の手伝いなどをした結果この部屋が再生していったらしい。自分が大使館でアスペコンビにマジギレしてブロック塀を殴り骨折したり拳から流血させていた裏で壮絶な人間ドラマが繰り広げられていた。それはそれで凄まじい話なので、すごいひとも一読者として別シリーズの限界シェアハウス文学の続きを楽しみにしたいと思う。私は…間違ってないって思いたいから。

傷が塞がってからも残った痕

そんな再生されていった我が家で最近よく話されている話題がある。定期的に人を呼び食事会やイベントなどを開催して、この部屋の家賃に充当したり会社の立て直しに当てようというものである。幸い住人二人とも人並み以上には料理や家事ができるし、人をもてなすことも苦痛ではない性格をしている。すごいひとも大使館から去り「お母さん」を辞めたが多分自分の性格自体はそれに対しての適性はあると思う。何が言いたいかというとしょうもない奴に対していくら「お母さん」をしても虚無だからやりたくないというだけであったのだ。相応の対価や目的のためにああいう役回りをすること自体は苦痛ではないような気がする。もうこういう本物の話しかしていきたくない。

というわけでこの部屋と会社を守り更なる本物の加速に向けて色々企画、準備中のものをいずれ順次告知していくのでよろしくお願いします。

疑似空間

そもそもこの部屋をすごいひとが「疑似空間」と呼んでいたのには大した理由などない(ていうか家主である同居人はこの部屋を「アインツベルン城」と呼んでいる)。放火魔が以前住んでいた大使館の4階の部屋を「擬似空間」呼んでおりすごいひとが今いる部屋に放火魔が一瞬だけ居候していたからというくらいの由来しかない。ちなみにすごいひとがこの部屋に引越ししてくるという話の時に放火魔が「なんで5月になってもすごいひと全然引越ししてこないんですかね」と家主に尋ねると「なんかすごいひと君は放火魔がいるうちは引っ越してきたくないらしいよ」と返してそれに傷ついた放火魔の新生活もついでに加速した。今は近所で一人暮らしして就活しているらしい。知らんけど。

そんな我が家は3LDKの割と広い家で2人で住むには十分すぎる広さである。全盛期には3人で生活していたらしいと言うだけあって3人分の個室もそれなりに全て広々としている。住人の二人ともが割と自炊をする派なので家に謎に送られてきたり持ち込まれたオタク達からの差し入れやお互いの実家から届いたもので生きている。そこそこに高いQOLが維持されており何もかもがうまく回っている。お陰で月給2万6千円の同居人も快適に暮らしている。

界隈自体の持続可能性はどうでも良いのだが、実際の人間の住環境や人の集まる場所自体の維持はそれなりに大事な課題であると言える。問題はそれをやろうとしていた人物達が目的と手段を混同して「温くて誰も傷つかないし加速もしない」居場所みたいなものと化していた事であって。「冷笑良くないよねー」「お花かわいー」という場所で無くて、それぞれが「加速していくぞ」「こういう話しかしたくない」と言って帰っていくようなそんな場所であれば良いと思う。今はまだ抽象的な表現しか出来ないがそういう場所をもう一度作りたい。

すごいひとは最近「現実」というゲームのプレイを再開しながら新たな加速に向けて準備をしているような生活なのでnoteの更新頻度など落ちるが、最近同居人が凄まじい加速をしてnoteにて限界シェアハウス文学を書き上げたりインターネットバトルをしているので良かったらそちらをご覧いただきたい。

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