英語と留学vol.1 はじめに
毎週水曜日は「英語と留学」のお話をしています。
今日のテーマは「Vol.1 はじめに」というお話をしたいと思います。
2020年、COVID-19(新型コロナウイルス)が社会生活に影響を与え、留学計画の変更や中止、留学からの途中帰国も含めて「留学ロス」という言葉が生まれるぐらい、多くの方が何かしらの影響を受けました。さらに、世界中の国々でビザ申請やパーミット受付が停止したり、審査の厳格化や複雑化、隔離が要請されるなど、留学手続きにも大きな影響を与えました。これらの影響は日本人の留学生だけではなく、世界中の留学しようとしていた方、さらには、日本へ留学に行くことを楽しみにしていた方、留学産業に従事している方、語学の先生も含め、様々な形で留学ロスによる影響が出ました。
一方で、現在、ほとんどの国で新型コロナウイルス以前の状態に戻り、急速に留学市場が盛り上がってきており、当地、カナダでもたくさんの日本人留学生を見かけるようになっています。しかし、この数年のリバンドもあり、少し、留学が過熱してきている現状も見て取れます。また、これから留学を考えている方、将来、お子さんの教育を考え留学をさせたいと考えている保護者の方、もちろん、今すぐ留学をしたい方、など、それぞれの留学を取り巻く状況は実に多岐に渡り、異なるたくさんの悩みがあるのではないでしょうか。
そこで、「英語と留学」シリーズでは本質的な視点に立ち戻り、それぞれに合った留学の本質を考え、どのように留学するべきなのか、どのように語学を身に着けるべきなのか、と迷っているみなさんの一助となるように、これからの留学を探ります。留学の大きな目標の一つとして、語学(英語)習得があげられますが、留学計画と語学(英語)学習のバランスをどのように取るべきなのか。カナダの大学院で教育学修士を取得したという知見や経験をもとに、特に、カナダや北米への留学や英語学習の視点から、その最適なバランスを考えます。
留学や英語習得には、どうしても、お金と時間がかかります。中でも、富裕層ではない方、何とかしてお子さんに留学や英語学習をさせてあげたいと考えている保護者の方、自力で留学や英語学習をしようとしている成人の方、海外に縁もゆかりもなく、周りにもそのような環境がない中でチャレンジしようとしている方などを対象に、お金や時間などの貴重な資源を無駄にすることのないように、自ら最適な留学計画、英語学習計画の考案のヒントになれば幸いです。
なお、批判的応用言語学の知見に基づいて執筆しようと心掛けていますが、学術論文ではないため、一部、根拠の確認をしていない個人的な見解、単なる個人の経験に基づく記述も多く含まれており、客観的に正しい答えではないということをご了承ください。また、展開されている議論は、たくさんある視点のひとつであり、それぞれの状況によって見方が変わることもあらかじめ断っておきます。