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透析治療におけるエンドトキシンの影響とその対策:発熱を防ぐための重要ポイント

透析治療を受ける際に耳にすることのある「エンドトキシン」。一見馴染みのない言葉かもしれませんが、透析を受ける患者さんにとってその存在はとても重要です。

今回は、エンドトキシンが透析にどのような影響を及ぼすのかを、初心者にもわかりやすく解説します。


エンドトキシンとは?

エンドトキシンは、細菌の一部であるグラム陰性菌の細胞壁に含まれる物質です。これが体内に入ると免疫系が反応し、炎症反応が起こります。透析中にエンドトキシンが混入してしまうと、患者は発熱や悪寒などの症状を引き起こすことがあります。これが慢性的に続くと、全身の炎症が慢性化し、心血管疾患のリスクが高まることもあります。


透析とエンドトキシンの関係

透析中、血液は透析装置を通過してろ過されます。この過程で使用される透析液は清浄であることが求められ、そこにエンドトキシンが含まれていると患者の体内に入り込むリスクがあります。エンドトキシンは免疫反応を引き起こし、急性の場合は発熱や炎症反応として現れます。特に高齢者や免疫力が低下している人にとっては、これが命に関わる問題に発展することもあります。


透析施設でのエンドトキシン対策

透析施設では、エンドトキシンが患者に悪影響を与えないよう、さまざまな対策が取られています。主な対策としては以下の通りです。

  1. 透析液の品質管理: 透析液は患者の血液と接触するため、非常に高い清浄度が求められます。エンドトキシンを除去するフィルターを用いた浄化システムが多くの施設で導入されています。

  2. 透析装置の定期的なメンテナンス: 透析装置内に細菌が繁殖しないよう、定期的な清掃や殺菌処理が行われています。

  3. 水質管理: 透析液のベースとなる水の清浄度も重要です。RO(逆浸透膜)装置を使って水から細菌やエンドトキシンを除去し、高品質の水を使用しています。


患者が知っておくべきこと

透析を受ける患者は、自分が通う透析センターが適切な管理を行っているかを確認することができます。発熱などの症状を感じた際は、スタッフに早めに伝え、適切な対応を受けることが大切です。


まとめ

エンドトキシンは透析治療において注意すべき物質であり、その管理が不十分だと発熱や炎症を引き起こし、患者の健康に深刻な影響を与えることがあります。

透析施設で行われる徹底的な対策に加え、患者自身もその知識を持ち、意識を高めることで、より安全な治療を受けることが可能です。透析治療を安心して続けるために、エンドトキシンへの理解を深めておきましょう。

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