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透析中のトイレ離脱:血圧低下と便意のリスクを知ろう

透析治療中にトイレに行きたくなることは、多くの患者さんが経験する問題です。

しかし、治療中の離脱にはさまざまなリスクが伴います。

本記事では、透析中のトイレ離脱に関するリスクとその対策について詳しく解説します。


血圧低下と便意の関係

透析中に血圧が低下すると、腸管への血流が減少し、腸の蠕動運動が亢進して便意を催すことがあります。

特に透析後半の時間帯に多く見られます。

対策

  • 透析前の準備: 透析開始前にトイレを済ませておくことで、治療中の離脱を避けられます。

  • 離脱前の血圧測定: トイレ離脱を希望する際には、離脱前に血圧を測定し、安定していることを確認することが重要です。血圧が低下している場合、離脱は危険を伴うため、医療スタッフと相談の上、適切な対応を取りましょう。


トイレ離脱のリスク

透析中の離脱は、治療の中断を意味します。これにより、老廃物の除去が不完全となり、体調不良を引き起こす可能性があります。

また、離脱時間が長引くと、透析時間の短縮や再開時の手間が増えることも考えられます。

対策

  • 緩下剤の服用時間の調整: 便秘のために緩下剤を使用している患者には、その効果が透析中に現れないよう、服用時間を調整するよう指導します。医師や薬剤師と連携して適切な服用時間を決定します。

  • 生活習慣の見直し: 便秘予防のため、制限食の範囲で食物繊維の摂取や適度な運動、規則正しい排便習慣を患者に指導し、生活習慣の改善をサポートします。


排便後の血圧低下

排便時には迷走神経が刺激され、血圧が急激に低下する可能性があります。

透析中にこのような状況が発生すると、意識喪失や転倒のリスクが高まります。

対策

離脱中の観察: 離脱中に体調の変化がないか、医療スタッフが適切に観察します。患者も異常を感じたらすぐに報告することが大切です。


血圧低下のリスク

透析中は体内から急速に体液が除去されるため、血圧が下がりやすい状態です。

この状態で急に立ち上がると、起立性低血圧を引き起こし、転倒や意識喪失のリスクが高まります。

対策

  • 緩徐な体位変換の指導: 患者には、透析中や終了後に急激な体位変換を避け、ゆっくりと動作するよう指導します。特に高齢者や糖尿病患者では、起立性低血圧のリスクが高いため、注意が必要です。

  • ベッド上での対応: 患者の状態や希望に応じて、ベッド上での排泄を検討します。紙おむつの使用や差し込み便器の活用により、離脱によるリスクを軽減できます。患者のプライバシーと尊厳を尊重しつつ、適切な対応を心掛けます


まとめ

透析中のトイレ離脱は、血圧低下や治療効果の減少、感染リスクの増加など、さまざまなリスクを伴います。

これらを避けるためには、透析前の準備や生活習慣の見直し、医療スタッフとの密な連携が重要です。

透析治療を安全かつ効果的に行うために、患者自身も積極的に自己管理と情報共有に努めましょう。

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