野球評論家を評論しよう!【CBC篇】
先日、中日ヤクルト戦で赤羽由紘という選手が死球離脱した際に、解説者が「避けられた」と言ったことがTwitterで大きな波紋を呼んでいた。解説者が野球を解説して批判されるというなんとも不思議な時代になったものだが、それだけ野球評論家の諸氏の発言がSNS上に残ってしまう時代になったのも事実だ。今回は、そんな野球評論家達を素人の僕が評論してしまおうという、なんともおこがましい企画である。僕は名古屋に住んでいるので、野球中継を盛んにしているCBCと東海テレビの2社に属している解説者を中心とする。今回はまずCBCだ。
川上憲伸
中日ファンなら誰しもが愛する魂のエースも引退から9年が経ち、解説者としてサンデードラゴンズの顔になりつつある。マウンド上での鬼気迫る表情はどこへ行ったのやら、終始にこやかな居酒屋解説である。
ただ、そんなケンシンにも現役時代を彷彿とさせる場面がひとつだけある。それは若手投手への解説。厳しいことをよく言うのだが、セイバーメトリクス度外視の精神論たっぷりな解説は、現代野球が忘れたものを思い出させてくれる。ぜひ中日に入閣して、若手投手陣にエースの極意を伝えて欲しいが解説が聞けなくなるのは惜しいものだ。
小松辰雄
すっかりとベテラン解説者になった小松はOB戦では剛速球を投げられなくなってしまっていたが、話術は衰え知らずの直球勝負。「親会社のお金が無い」や「今の投手は1週間空いても100球で変えてくれるから楽」と言った歯に衣着せぬ発言は聞いていて爽快なものがある。OB会長となっても、今後とも忖度を一切しないで欲しいものだ。
牛島和彦
この人が中日で指導者になっていないのが本当に惜しい。技術論たっぷりの玄人解説はおよそ素人には理解することが出来ないが、彼の解説を聞いているとまるで自分まで投球フォームの専門家になったような気分になることが出来る。テレビではもちろん、ラジオでは数倍フォームの技術論や投手の好不調の理由を聞くことが出来るのでおすすめだ。
彦野利勝
ナゴヤドームのライトスタンドにある焼き鳥屋もさることながら、解説者としても味わい深いのが彦野だ。現役時代に様々な打順をになっていたからか、場面ごとにどう言った打撃をするのかということに重きを置いた解説が多い。ただしそれ以外の解説はほぼただの中日ファンなので、他球団のファンの方は少し聞きづらいかもしれない。
山田久志
星野仙一監督に惚れて名古屋にやってきた彼はもはや在名メディアの顔と言ってもいいだろう。「山Q」という相性まで定着した、ファンに愛される男であるを
彼は中日監督時代、先を見据えたトレードやコンバートで大きなバッシングを受けたので監督に寄り添った解説が多い。「名古屋全体で立浪の応援団にならにゃいかんよ!」という言葉に感動したファンも多いだろう。
荒木雅博
28年間袖を通した中日のユニフォームから背広に着替えた荒木はやはり選手や首脳陣に寄り添った解説をする。選手がちょんぼをやらかすと「昨季まで教えていた僕の責任」といい、首脳陣の連携に少しでもミスが生じると「気持ちはわかるけど…」ということから、彼の自己犠牲心は素晴らしいと感じる。ただ天才の立浪和義監督とは対照的に、二軍からの叩き上げでレギュラーに成り上がっただけあって監督とは合わないのだろうなと思う場面も多々ある。
吉見一起
右の技巧派投手というだけあって、吉見は完全に牛島の後継者だ。口の上手い関西人という共通点もあり、フォームや配球の問題点も上手く言語化する素晴らしい解説者だ。牛島同様に首脳陣になって欲しいという気もするが、彼の解説が聞けなくなるのが残念なので複雑だ。
東海テレビに続く