第4回 立憲民主党未来世代委員会 内容報告
8/24 19:00-21:00 第4回 未来世代委員会
自己紹介
こんにちは、未来世代委員会の委員長を務めさせていただくことになりました、芹ヶ野瑠奈と申します。2019年、高校2年生の時に気候変動マーチに参加したことをきっかけにFridays for Future や350.orgなどの気候変動グループで政府・企業・投資家・一般市民などに対して様々なキャンペーン活動を行ってきました。今は大学で政治経済を勉強しながら日本若者協議会などの団体で様々なアクターとの連携を大切にしつつ、政策提言を中心に活動しています。
意気込み
委員長の役割はみんなの意見をまとめたり公の場で未来世代委員会を代表することで、委員長の出番は多くはないと思います。しかし、未来世代委員会の委員・委員長という貴重な機会を頂いたので、メンバーが個々の強みを活かしてじっくりと熟議し、私たちの描く理想の未来を実現するために必要な政策を報告書にまとめられるようにリードしていきたいと思います。
前回の振り返り
前回はメンバーの黒瀬君(CYJ)に簡単に一般的にどのような価値観があるのかやその価値観の定義についてインプットしていただき、その後に東北大学の明日香壽川先生にウェールズで設置されている未来世代委員会のバリューと指標についてインプットしていただきました。その後にブライクアウトルームに分かれてこの委員会として大切にするべき価値観について短時間だけ話し合いました。
なぜ最初にバリューを決めるのか
今回の委員会ではCYJ、COND、FFFなど計10個の団体から11人が参加していて、もちろん全員気候危機をどうにかしたいという方向性は一緒なのですが、何をどのくらい大事にしていて具体的に何をどうするべきなのかという思いや手段はバラバラかもしれません。そこで、初めにこの11人が全員大切だと納得できる価値観を4つほど決め、その価値観を今後政策を話し合う上での羅針盤として使いたいというのがバリュー決めの趣旨です。
今回定まった4つのバリュー
1:長期目線で政策を考える
私たちは未来世代にも地球の資源を残し、彼らの生活を保障したいという思いを共有しています。この目標を実現するために、政策を考える時には長期の目線で考える必要があると同意しました。それでは長期目線とはどれくらい長期の目線でしょうか?未来世代とはどの世代を指すのでしょうか?様々な定義があるとは思いますが、私たちは2つの視点を定義に含めました。まず、自分の子、孫、ひ孫。。。。となるべくずっと先の世代まで美しい地球を受け継ぎたいという大きな目標を私たちは持っています。しかし、そこまで長期だと想像力が働かなかったり現実的な政策提言ができなかったりと限界があります。そこで、その長期的な視点に加えて私たちが想像しやすい、かつ当事者性を持っている今からおよそ60年先を考えて政策を考えるという視点を加えました。つまり、美しい地球をずっと先の世代に受け継ぐという長期目標のために、次の60年を生きる当事者である私たちがその60年間で何をするべきか、してほしいかを政策を考える上で検討するということです。
2:健康で文化的な最低限度の生活を人々に保障する政策を考える
私たちは日本国憲法の25条に書かれているように、全ての人の健康で文化的な最低限度の生活が保障されるべきだと考えます。そのためには、最低賃金の保障、住まいの確保、孤独を感じる人が少ないコミュニティづくり、自然へのアクセス権、文化芸術に触れる機会の保障などが重要です。
3:公平性を重要視した政策を考える
私たちは人々が人種、信条、性別、社会的身分等によって差別されず、公平に機会が与えられ、生活が保障されるべきだと同意しました。そして現代の世代の人同士の公平性、将来の世代の人同士の公平性、現代と将来の世代間の公平性が守られるべきだと考えます。そのため、現代に生きる人々はもちろん、現代の世代と将来の世代の間でも、公平に充分な資源や住みよい環境が与えられることが必要となります。
4:自然との調和を重要視した政策を考える
私たちは自然との調和を重要視します。バリュー2で述べたように、人々の生活を保障しつつ、自然環境も守るべきだと考えます。自然環境は水、空気、食糧、住居、衣類など人間の生活に欠かせないだけでなく、癒しや生き甲斐などを与えてくれます。ずっと先の世代の生活を保障するには自然環境を守ることが必須です。地球の限界を越えずに人間のニーズも保障するドーナッツ経済のような考え方を重要視します。そのためにはプライベートジェットの使用や使い捨てプラスチックの使用などの贅沢をする自由を制限しないといけない面も出てきます。
おまけ:なぜ経済を価値に含めなかったのか
例えばSDGsなどの目標には環境・社会・経済のバランスが謳われていますし、私たちの議論の中でも「経済的な合理性」が価値観の候補として挙げられましたが、私たちはバリューの中にこれを含めませんでした。それは、経済はゴールではなく、あくまでもゴールを達成するための手段だからです。最終的に達成したいのは経済発展によってGDPの数値を上げることではなく、自然との調和が保たれた中で将来世代も含めた全ての人の健康で文化的な生活が保障される世界です。そのため、経済をこれらの目標を達成するための手段とみなし、価値には含めませんでした。
今後に向けて
2回の委員会をかけて11人が共有できるバリューが4つ定まりました!これで準備が整ったので、次回からは実際に政策について検討していきます。未来世代委員会では、大きく3つの政策テーマ(エネルギー政策、経済政策、意思決定への参画)を取り扱う予定です。今回決めたバリューと政策を照らし合わせながらみんなで熟議していきたいと思いますので、今後もよろしくお願いいたします。
次回は8月28日です。エネルギー政策について議論します。
立憲民主党未来世代委員会では、オブザーバーの環境系若者団体を募集しています。
未来世代委員会では隔週程度で会議を行なっていますが、会議に参加したい団体は下記フォームから記入をお願いします。