Catch the Ghost
今日は「海街チャチャチャ」ですごく好きになったキムソノさん主演のドラマについて、好きなポイントを語っていく。
個人的にはハングルの題名の翻訳としては日本語訳の「君のハートをつかまえろ!」ではなく、普通に「幽霊をつかまえろ!」でいいと思います。英題の “Catch the Ghost” もいいと思います。
キムソノさんのファンポイントとしては「海街チャチャチャ」よりも若い時のキムソノさんが出てきます。海チャよりも細くて、色も白いような。まさに好青年といったかんじ。
刑事ドラマとしての内容も面白いのですが、ドラマの中で1番好きだったシーンはソノさん演じるコ・ジソクと彼の認知症のお母さんのシーン。
最初にこのシーンを見た時は、ソノさんのこの姿と話し方に「なにそれ?」となるんだけど、
その理由がわかった瞬間、涙がとまらなくなりました。
ジソクの母は認知症で、自分のことを17歳だと思っています。だから自分に息子がいることをわかっていないし、ジソクを見てもわかりません。お母さんは亡くなったお父さんの若き姿を覚えていて、その時に時間が戻ってしまっているようです。
そんなお母さんを見て、ジソクが亡くなったお父さんに「いいなぁ。亡くなっても素敵な姿で覚えてもらえていて」(みたいなニュアンス)のことを言っているところも切なくて涙が出ます。
お父さんの姿だけでなく、いつもの普段着でも会いに行くんですが、その時はもちろん覚えられていないので毎回「誰なの?」と聞かれるんです。
お母さんは自分を17だと思ってるから「おじさん」とも呼ばれてしまうし。
話数を重ねて、いろんな事件があるのも面白いのですが、少しずつ挟まれる2人のシーンもとても良いです。
中盤くらいで元カノに今の部署にいることを責められるようなシーンがあります。(ジソクはすごく優秀で捜査一課のような所にいたエリートだったんだけど。元カノも同様。お母さんが認知症になったことでもっと楽な部署。地下鉄の警察みたいなものに移る。でもその理由を元カノは知らないので責めちゃうみたい。)
そこでお母さんが認知症になったところを回想するシーンがあるのですが、そこがリアルで悲しいです。
お母さんが涙目で、自分でも何が何だかわからないといった表情で、買い物バッグを持ちながら「ジソク、家に帰りたいのにここがどこだかわからないの」と言います。
認知症になると、初期のあたりで帰り道がわからなくなると聞いたことがあるし、身の回りでも似たようなことがあったのでとても理解ができて、ゆえにこちらも苦しいシーンでした。
ジソクもそんなお母さんをみて、戸惑いながら自分も泣きそうになるけど、その表情はお母さんに隠して、「お母さん大丈夫だよ、大丈夫」というのです。ここのキムソノさんの表情がとっても上手いです。リアル。
また、終盤にヒロイン?の抱えている問題に切り込むところと自分の問題について元カノに話すところがあるのですが、そこも素敵です。
相手役の女の子は双子でその片割れは自閉症。両親を早くに亡くして2人で生きてきた。想像はつくけど、その二人暮らしは辛いことも多くて、たまたま事件の日、ほんの一瞬解放されたいと思ってしまって妹の手を放してしまった。それが問題になってしまう。
彼女はそれをジソクに知られたくなったんだけど、いろいろあって知られてしまう。
軽蔑されるんじゃないかとか心配してたんだよね。
だけど、それを知ったジソクは彼女を責めるようなことはしません。
元カノに自分が地下鉄警察隊に移動した理由を話して、なぜそれを元カノに言えなかったのかもいいます。母が認知症だったこと、もちろんそれは辛いけど、逃げる口実でもあったこと。大人の自分でも辛かったのだからヒロインの女の子も辛かったはずだと。
最後に同情はしない、というところもよかったですね。個人的には少し同情してしまうけど、その後の理解できなくはない、というところもよかったです。
彼女のしたことはだめなことなんだけど、もし自分が 同じ立場になった時にそこで選択を誤らずにいられる自信が私にはありません。
ジソクもきっとわかっているのだなと思いました。かなり胸が苦しくなるような話題の回もあるのですが、このジソクのセリフで救われるような回もあります。
最も切なかったのは、身も心もボロボロなジソクが(お金もなくて)お母さんの病室で寝てしまって起きたお母さんに不審者扱いされてしまうところ。いつもなら上手く乗り越えられるんだろうけど、疲れ切っていたジソクは珍しくお母さんに自分の感情をあらわにします。自分はお母さんの息子のジソクだと。お父さんじゃなくて自分を見てよ、と顔をぐしゃぐしゃにして泣くところが本当に切ないです。もちろん、泣いて訴えかけたところでお母さんは思い出せないけど。うーん。悲しい。
終盤、お母さんが事件に巻き込まれたことで少しの間ジソクを思い出します。やっと親子の会話がみられ、よかったなと思うシーンです。ですが、その後事件が解決してまた会いに行くとお母さんはジソクを忘れていました。
その瞬間のソノさんの顔も忘れられません。ただ、認知症を身近に感じている人からすると、リアルだったなと感じました。何かの衝撃で一時的に思い出すということは、なくはないことではあるかもしれません。だけど認知症のひとだから、やっぱり忘れてしまうのです。犯人がそう望んでいるわけではないから。
その後、ベンチでまたお母さんに会いますが、いつもは「誰なの?」から始まるけど、その日は違いました。「前にもきてたわね?」と。息子だとはもちろんわかっていないんだけど、よく会う人だとは覚えていたのかもしれません。
「どうしてきてるの?誰か家族に入院してる人がいるの?」と聞くお母さんに、
「母がね。でも自分のことは忘れてる」と答えるジソク。
「それは悲しいわね」といわれるけど、
「悲しくはないよ。お母さんはいまが一番幸せそうなんだ」と答えます。
もちろんハッピーエンドかと言われるとそれはわかりません。だけど、すごく現実的で納得のいく場面でした。
他にも最初の方の話にもおすすめあります!
好青年だけど、苦労してるキムソノさん、とても素敵なのでぜひぜひ見てみてください❕
闇金で借金しようとするところもありますよ💰
ジソク、ホン班長と同じくらいすてき
ジソクはもっといい子よりかも。