デジタル遊びという地図の広げかた(CoderDojo神山 #32 開催のご報告)
こんにちは、コーダー道場神山の本橋です。
つい先日、
というご相談をいただきました。
コーダー道場は参加費無料ですのでいつ来ていただいても大丈夫です。とはいえ雰囲気がわからないとなかなか見学にも行きづらいですよね。
そこで今回は、11/18に開催した道場の様子を交えつつ、最近の神山道場の雰囲気について書いておきたいと思います。
どんな子達が参加している?
コーダー道場神山は、地域の子供たちに向けたスペースの「鮎喰川コモン」をお借りして開催しています。普段から子どもたちが大勢遊んでいる場所なので、活動の一環としていつでも自由に触れるパソコンも設置させてもらっています。
そのこともあって道場に参加しているニンジャ(コーダー道場の参加者のことをニンジャと呼びます)たちの年齢層は低め。小学校3~6年くらいがほとんどで、一緒にやってくる弟・妹たちも多くが未就学です。
彼らの多くはGIGAスクールが始まるまではパソコンを触ったことがありませんでした。スマホやタブレットは触っていても、キーボードでの文字入力はあまり体験する機会もありません。
パソコンに興味はあってもキーボードは基本的にアルファベットばかり。ローマ字入力を学校で習い始めたかどうかの彼らは、それこそパソコンと言うと学校で先生たちと一緒に触るもの、と考えているかもしれません。
そんな状況の中で、パソコンに親みながら道具として扱えるようになることをコーダー道場神山の目的に置いています。
プログラミング『も』学べる道場
プログラミングをやりたければいくらでも教えますし、パソコンを使って遊びたければその方向も教えます。とにかく自分たちだけでパソコンを道具として扱えるようになってほしい、というのが僕自身の考えです。
抽象的な話になりますが、デジタル遊びを深堀りしていると、いつの間にか自分はプログラミングをしていたんだ、ということに気づくタイミングがあります。
いま僕らが日々のプログラミングと称してJavascriptだpythonだとアルファベットを打ち込んでコーディングしているのは、それが単にプログラミングしやすく作られたコンピューターを効率よくプログラミングする手段だからです。
目的として、仕事を肩代わりさせたいとかロボットを動かしたいとかゲームを遊びたいとか、別にあるはずです。コーダー道場神山はそんな目的を見つける場になってほしいと思っています。(もちろんコーディングそのものも楽しい!)
で、最初の一歩としてまずはパソコンのセッティングをニンジャたちに任せるようにしました。
彼らはマインクラフトを遊びたい(目的)ので、その衝動に後押しされて電源ケーブルをつないだり、マウスを差し込んだり、パスワードも共有しているのでキーボードからアルファベットを拾い集めて入力(手段)しています。
彼らが困っているとき、大人からは解決策が見えているのでついつい手助けしたくなってしまうんですが、ぐっと我慢します。どうしてもわからないときに助けを求められてから手を出します。この我慢が難しい。
『パソコンに詳しくなる』というのはつまりこういうこと
コーダー道場神山ではゲームも自由に遊べます。
しかし『ゲームをプレイすること』が目的なのではなく、『パソコンでゲームをプレイすること』が目的なので、攻略法を調べたり、彼ら自身によるトラブルシューティングも目的の一つです。
Scratchにあるマインクラフト風のゲームで遊んでいるニンジャがコマンド表を調べています。英語です。
余談ですが僕も昨晩はゲームの音が出なくてあれこれいじってました。
ゲーム専用機ならこういうトラブルも稀ですが、汎用機たるパソコンでゲームを遊ぼうとするとあらゆるトラブルに遭遇します。
ゲームを遊ぶためにconfig.sysをいじってコンベンショナルメモリを確保していた30年前からあんまり状況が変わってない。トラブルシューティングはきっとこの先も一生ついて回るのでしょう。勘弁してほしい。
サポート環境
トラブルシューティングを体験させると行ってもただ自由に触らせて全く先に進めないと嫌になります。解決の道具はできるだけ準備したい。
ローマ字表やキーボードの使い方をプリントしてマウスパッドに挟んで、キーボード練習できるようにしてみました。
プリントのデータはこちらから拝借。
子どもたちが学ぶための道具は色んな所で無償提供されています。しかし道具にたどり着くのは大変。
僕の役割はそれらを集めて子どもたちの見えるところに置いておくことだと思っています。
みんなでマイクラ
この日はエルダードラゴンを倒すことを目的に遊んでいました。時間内に目的を達成するため、まずクリエイティブモードで装備を集めてドラゴンのもとに移動して、サバイバルモードにスイッチして戦っていました。
限られた時間のなかでみんなで遊ぶための工夫ですね。
3Dプリントおじさん活動
道場の一角に3Dプリンタを持ち込んでオモチャをプリントしていることもあります。
この日は未就学の弟たちのリクエストに答えて戦闘機やマイクラのアイテムをプリントしました。
Tiknercadを使えば自分で3Dモデルを作ってプリントすることもできます。とはいえ『自分でオモチャを作ってプリントしよう』とは3Dプリンタのことを知らないと思いつきません。
地図を広げる場のひとつ
触れて遊んで知っておくと、世の中には3Dプリンタという道具があって、こんな問題解決に使えるんだ、という地図が頭の中にできていきます。コンピューターやプログラミングに限らず、ノコギリでもロケットエンジンでも一緒ですね。
地図は広いほど問題解決に使いやすくて、広げた地図は生涯に渡って使うことができます。コーダー道場神山では、地図を広げるお手伝いができればいいなと毎月の活動を考えています。
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