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祖父母との毎日

無職になってから、早くも1ヶ月が経とうとしている。
無職であるという罪悪感に苛まれた7月初旬、だんだん仕事に行かない生活に慣れてきた7月中旬、「私本当は働きたくない」という真理に気づき始めた7月下旬の今日この頃である。

非常に良くない流れである。

・・・・・

祖父母とののんびりライフ、これは実に気楽で楽しい。

朝、祖父は6時半に起床し、7時にNHKのニュースを見る。高齢で耳が悪いため、ニュースは爆音。これが私の目覚ましとなる。

布団でゴロゴロしていると、そのうちじゅげむ(ペットのデグー)が、エサをよこせとケージをガタガタ齧り始める。やむなく私は身体を起こす。

じゅげむの世話をしていると、9時ごろに祖母が起きてくる。祖母は膝が悪いので、ゆ〜っくり歩く。ゆ〜っくり歩いて、ゆ〜っくり顔を洗って、ゆ〜っくりトイレに行ったあとでリビングに顔を出す。祖母のモーニングルーティーン中に、私は味噌汁を作って、祖母のリビング到着とともにご飯と味噌汁を食卓に並べることができる。

朝ごはんを食べたら、お昼まで各々好きなことをする。
祖母は、縁側に座って新聞を読んだり庭を眺めたりする。
祖父は、庭いじりをしたりテレビを見たりしている。
私は、畳の上に寝転がってゴロゴロしながら、たまにケージを齧って「構え」とアピールするじゅげむの相手をする。

お昼は各々好きなものを食べる。
祖父母は、たいていパンとバナナを食べ、牛乳を飲んでいる。
私は、最近COSTCOで買った沖縄のソーキそばにハマりそればっかり食べている。

これが実にうまい


昼食を終えたら、夕方まで各々好きなことをする。
祖母は、縁側でお昼寝をしたり本を読んだりテレビを見たりする。
祖父は、庭いじりをしたりテレビを見たりマッサージ機にかかったりする。
私は、畳の上に寝転がってゴロゴロしながら、たまにケージを齧って構ってアピールするじゅげむの相手をする。

夕食は、日によって異なる。
ワタミの宅食が届く日は、ごはんだけ炊けば良い。
そうでない日は、私が何かしら料理を作る。
祖父母はそんなに量を食べないので、さして手間はかからない。

夕食後、私は皿洗いをしてシャワーを浴びる。
祖父は、ゴミ捨てに行く。
祖母は、入れ歯を磨いている。
そしてちょっとテレビをみたら祖父母は寝る。
19時半に就寝である。
じゅげむも電気を消したら寝床に移動する。
私も19時半に床につく。

・・・・・・・

生きているだけの毎日である。
そしてこの生活、ちょっと幸せなのである。

生きていればおもしろい事件はあるもので、例えば最近、祖父が庭で大事に育てていた小玉スイカが実はカボチャであることが発覚した。

/カボチャやで!\

大きくはなるが一向にスイカっぽくならない実を見て、祖父は「苗を間違って買って来たっちゃなかろうか」とぼやいていた。
じゃあ中身を見てみようと、収穫したひと玉を包丁で切ったところ、真っ黄色。誰がどう見ても、これはカボチャだった。
実は苗を買って来たのは私の母で、祖父のぼやきを聞いた母は「濡れ衣だ!」などと憤慨していたが、祖父の言った通りこれは苗の買い間違いだった。

捨てるのも勿体無いので、かぼちゃの煮物にして食卓に出したところ、祖母が「美味しいねぇ!」と気に入ってくれた。
私が「おじいちゃんが育てたカボチャだよ〜」と言うと、祖父はボソッと「まちがいカボチャ」と呟いていた。

・・・・・


早く隠居したい。
私の幸せは老後にあるかもしれない。

と、現実逃避しながらも、そこは真面目な私。
ぼちぼち就職活動を始めている。
今日1社に応募した。
わりと条件が良い求人を見落としており、締め切りが今日までだったので、昨晩徹夜で書き上げた履歴書と課題作文を会社に持参して提出してきた。

そもそも持参する人も少ないだろうし、締切日の午後に提出する人も少ないだろうし、窓口の人は一瞬「・・・?」と怪訝な顔をしていた。申し訳ない。

今日は会社に書類を提出して来ただけなのに死ぬほど疲れ、体力の衰えを感じた。

明日から本気出す。

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