第30話 拍子と変拍子【後半】

おはようございます。FITです。

前回は基本的でよく音楽界で使用される4拍子と3拍子について解説しました。

今回はそれ以外の拍子である「変拍子」と、それがどのような場面で使用されているのか解説しようと思います。

それではドウゾ。

1.変拍子その1

まず最初に紹介するのは「5拍子」です。

[1]2345[1]2345…のように[1]のところの手拍子だけ強く叩いたときのリズムです。めっちゃ気持ちが悪いですね。

本当にこんな拍子が使われるなんてあるのか??という疑問があるかと思われますが、結論を言うと「めったに使われません」。

そもそも変拍子自体があまり使われないです。が、使われるときもあるので紹介程度に見ていきます。

1.ネイチャーロードBGM(マリオカート8)
作曲:任天堂

マリオカート8に収録されているネイチャーロードのBGMは実は5拍子という変拍子を採用しています。

確かに聴き返すと独特なリズムが特徴ですね。3拍子にも4拍子にも合いません。

試しに「1234512345」と口に出してみると確かに5拍子であることが分かります。

2.Seven Days
作曲:Sting

これも全パート5拍子です。同じ5拍子なだけあって「ネイチャーロードBGM」と似ていると思ったのは自分だけでしょうか。

次の曲からは4拍子と5拍子の混ざった曲です。

3.ゴジラ
作曲:伊福部昭

なんとこのゴジラのテーマ曲にも5拍子が採用されています。注目箇所はサビの部分です。

デデデンデデデン<-4拍子
ででででででデン<-5拍子
デデデンデデデン<-4拍子
ででででででデン<-5拍子

文字に起こすと滑稽ですね…。そればかりは表現のしようがないので申し訳ないです。

この曲では部分的に5拍子が使われるという構成です。こうしてゴジラの不気味さを際立たせているのが作曲者のこだわりを感じます。

4.U.N.オーエンは彼女なのか?
作曲:ZUN

大人気シューティングゲーム「東方」の楽曲と知られるこれまた大人気曲「U.N.オーエンは彼女なのか?」にも5拍子が使われています。

使用されている箇所はイントロです。あの独特なリズム感は実は5拍子が使用されていたのです。実際に12345と声に出してカウントしてみるとわかると思います。

というのもこの曲は様々な拍子にいろいろ変化しているので、どこで変わっているのかを考えながら聴いてみるのも面白いかもしれません。

2.変拍子その2

次に紹介するのは「7拍子」です。文字どおり7拍目を区切りとするようにリズムを取ります。これまた手拍子にすると気持ちが悪い…。

ていうか色々探したけど7拍子を採用している楽曲が少なすぎる!!これしか見つけられなかったので1曲だけ例を紹介します。

1.ナナヒツジ
作曲:シナリオアート

凄い完成度です!変拍子なのに違和感がないくらいJPOPとマッチしています。爽快感があっていい作品です。初めて「シナリオアート」というグループを知りました。今度いろいろ聴いてみようかなと思います。

3.問題作

次に紹介するのは作曲者自身が公認してる「クソ変拍子」曲です(それでも曲として完成されているのが凄い)。先ほど紹介した5拍子や7拍子が盛り込まれているので是非聴いてみましょう。

幾望の月
作曲:なきゃむりゃ

作者曰く「変拍子でカッコいい曲を作りたかった」だそうです。しかしバンドメンバーからは「ノリにくいから4拍子に戻して」と不評。

かくして「クソ変拍子」というワードは誕生しました。

ではその拍子を見ていきましょう。

0:00〜 イントロ (5/8 ×3 + 6/8)×8
0:37〜 1番Aメロ 4/4 ×16
1:05〜 1番Bメロ 7/4 ×3 → 4/4 ×2
1:17〜 1番サビ 4/4 ×7 → 4/4 ×4
1:36〜 間奏① 6/4 ×8
1:57〜 2番Aメロ 4/4 ×16
2:25〜 2番Bメロ 7/4 ×3 → 4/4 ×2
2:37〜 2番サビ 4/4 ×7 → 4/4 ×2
2:53〜 間奏② 4/4 ×18
3:25〜 もっかいBメロ 7/4 ×3 → 4/4 ×2
3:37〜 ラスサビ 4/4 ×7 → 4/4 ×2 → 4/4 ×7 → 4/4 ×9
4:21〜 アウトロ (5/8 ×3 + 6/8)×5 → 5/8 ×3 → 4/4

YouTubeコメントから抜粋

う~んクソ変拍子。でもカッコいいから好き!

まとめ

個人的に変拍子はゲームのBGMに用いられることが多いと思っています。

しかし意外と歌ものにも採用されているのが多いんですね。あと変拍子にするととてもテクニカルでクールな曲になるんだなぁとも思いました。

皆さんも日常で違和感のあるリズムに出くわしたら、どんな拍子なのか考えてみるとより一層音楽が楽しくなるかもしれません。

今日はここまで!

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