ネットワーク初心者からプロを目指す人まで!EIGRP(Enhanced Interior Gateway Routing Protocol)の完全ガイド
みなさんこんにちは!
ネットワークエンジニアを目指しているみなさん、もしくはネットワーク技術をもっと深く知りたいと考えている方々へ向けて、今日はCisco独自のルーティングプロトコルである**EIGRP(Enhanced Interior Gateway Routing Protocol)**について詳しく解説します。
EIGRPは、Ciscoのネットワーク機器を扱ううえで欠かせない技術の一つです。初めて聞く人にとっては少し難しそうに感じるかもしれませんが、ポイントを押さえて学ぶと、その魅力と利便性が見えてきます。今回は、初心者でもわかりやすいように丁寧に説明していきますので、ぜひ最後までお付き合いください!
1. そもそもEIGRPとは?
EIGRP(Enhanced Interior Gateway Routing Protocol)は、Ciscoが独自に開発したルーティングプロトコルの一つです。その名前が示す通り、従来のIGRP(Interior Gateway Routing Protocol)を改良して生まれました。EIGRPの最大の特徴は、ネットワークの効率的な運用と管理を可能にし、特に障害発生時の迅速な対応能力に優れている点です。
では、EIGRPの基本的な特徴を確認しましょう:
Cisco独自のプロトコル:Cisco製品でしか利用できません。
拡張ディスタンスベクタ型:従来のディスタンスベクタ型を改良し、動作が効率的。
迅速なコンバージェンス:ネットワーク障害時の再計算が非常に速い。
トラフィック量を削減:必要な情報だけを交換し、ネットワークに負担をかけません。
認証機能を搭載:セキュリティ面でも安心。
2. EIGRPの特徴を徹底解説
EIGRPの魅力を一つずつ掘り下げていきましょう。基本をしっかり押さえることで、より高度な知識へとステップアップできます。
1. Cisco独自のプロトコル
EIGRPは、Ciscoによって設計されたため、基本的にCisco製品でのみ使用可能です。そのため、EIGRPを活用したネットワーク構築は、Cisco製品を採用している企業で特に重宝されています。ただし、近年の拡張仕様では、マルチベンダー環境にも対応しつつあります。
2. 拡張ディスタンスベクタ型
EIGRPはディスタンスベクタ型を基盤としつつ、その短所を補っています。従来のディスタンスベクタ型プロトコル(例:RIP)は、全ての経路情報を周期的に送信するため、トラフィックが多くなりがちでした。しかし、EIGRPは「変更のあった部分だけ」を送信する仕組みを採用しており、ネットワーク全体の効率を大幅に向上させています。
3. 高速なコンバージェンス
ネットワーク障害が発生すると、EIGRPはDUAL(Diffusing Update Algorithm)を使って最適な経路を計算します。このアルゴリズムは、事前に予備経路(フィージブルサクセサ)を選定しておくことで、障害時の再計算を省略し、迅速に切り替えることが可能です。
4. トラフィック量の削減
EIGRPは「Helloパケット」による生存確認を行い、必要なタイミングでのみ経路情報を交換します。そのため、従来型プロトコルのように無駄なトラフィックが発生しません。
5. 認証機能でセキュリティを強化
EIGRPでは、MD5を用いた認証機能がサポートされています。これにより、不正なルータからの情報を防ぎ、信頼性の高い通信が可能になります。
6. 複合メトリックの採用
帯域幅や遅延、信頼性、負荷など複数の要因を考慮して経路を選択します。この複雑な計算により、より合理的なルーティングが実現されています。
3. EIGRPの動作の流れを追ってみよう!
EIGRPがネットワーク内でどのように動作するのか、流れを追って見てみましょう。
ネイバーの検出 EIGRPでは、まず隣接ルータを検出するために「Helloパケット」を送信します。これにより、隣接ルータ同士がお互いを認識します。
経路情報の交換 隣接ルータと経路情報をやり取りします。この情報は「Updateパケット」によって送信され、変更があった場合にはその差分だけが通知されます。
最適経路の計算と登録 受け取った情報をもとに、DUALを使って最適な経路を計算します。最適な経路は「サクセサ」としてルーティングテーブルに登録され、予備経路は「フィージブルサクセサ」として保持されます。
4. 障害発生時のEIGRPの対応力
EIGRPは障害時に素早く対応できるのが大きな強みです。
フィージブルサクセサが存在する場合 障害発生時、事前に選定されている予備経路に即座に切り替えます。この際、再計算を行わないため、通信の中断を最小限に抑えられます。
フィージブルサクセサがない場合 ネットワーク内の他のルータに「Queryパケット」を送信し、迂回経路を探索します。応答が返ってきたら再計算を行い、新しい経路を選定します。
5. EIGRPならではのユニークな機能
EIGRPには、他のルーティングプロトコルにはない以下のような機能があります。
1. 不等コストロードバランシング
通常のロードバランシングでは、同じコストの経路だけを使用します。しかし、EIGRPでは異なるコストの経路も使用できる設定が可能で、ネットワーク資源をより柔軟に活用できます。
2. SIA(Stuck In Active)防止
Queryパケットが応答されない場合、一定時間後にネイバー関係を解除する仕組みがあります。これにより、通信障害時に無限ループに陥ることを防ぎます。
6. 初心者がEIGRPを学ぶ際のポイント
EIGRPの仕組みを学ぶことは、ネットワークエンジニアとしてのスキルアップにつながります。特にCiscoの資格(CCNAやCCNP)を目指す方には必須の知識です。以下のポイントを押さえましょう:
基本用語を理解する サクセサやフィージブルサクセサ、DUALなど、EIGRP特有の用語をしっかり覚えましょう。
動作の流れを実際にシミュレーションしてみる Ciscoのシミュレーター(Packet Tracerなど)を使って、EIGRPの設定や動作を試してみると、理解が深まります。
トラブルシューティングを練習する 障害時のQueryパケットの動きを把握し、迅速に問題を解決できるスキルを身につけましょう。
まとめ
EIGRPは、Cisco製品を使用するネットワーク環境において、非常に強力かつ効率的なルーティングプロトコルです。その特徴である高速なコンバージェンスや柔軟な経路選択は、多くのネットワークエンジニアから支持されています。
初心者の方も、まずは基本的な仕組みを理解し、実践を通じてスキルを磨いていきましょう。EIGRPをマスターすれば、ネットワーク技術者としての自信が大きくアップするはずです!
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