AWSのELBを徹底解説!負荷分散の仕組みを理解してスムーズな運用を実現しよう
こんにちは!AWSを使って効率的なシステム運用を目指しているみなさん、今回は**Elastic Load Balancing(以下、ELB)**に焦点を当てて、その仕組みや使い方を解説していきます。
ELBは、AWSのサービス群の中でも特に重要な役割を果たすものです。サーバーやアプリケーションの負荷分散を担うことで、システムの安定性と効率性を確保します。このブログでは、初心者にもわかりやすく、かつ実践的な内容を盛り込んで説明しますので、最後までお付き合いくださいね。
1. 負荷分散とは?その必要性を理解しよう
まずは基本的な質問から。負荷分散って何でしょうか? これは、システムにかかるトラフィックやリクエストを複数のサーバーに均等に振り分ける技術のことを指します。大規模なWebサービスやアプリケーションを運営する際、アクセスが集中すると一部のサーバーが過負荷状態になり、最悪の場合サービス全体がダウンしてしまうこともあります。
このような事態を防ぐために、負荷分散技術が必要です。負荷分散装置(ロードバランサー)を使えば、トラフィックを複数のサーバーに分散させ、効率的な処理が可能になります。
たとえば、大人気のオンラインショップで一斉にセールが始まると、多数のユーザーが一気にサイトにアクセスします。このとき、負荷分散が適切に行われていないと、一部のユーザーが「サイトが開かない」「エラーが出る」といった不満を抱くことになります。そんなトラブルを未然に防ぐのがELBの役割なのです。
2. AWSのELBとは?3種類のロードバランサーを徹底比較
AWSのELBは、負荷分散を簡単に実現するためのクラウドサービスです。AWSが提供するELBには以下の3種類があります。
Application Load Balancer(ALB)
ALBは、アプリケーションレベル(OSI参照モデルの第7層、いわゆるレイヤー7)で動作します。HTTPやHTTPSのトラフィックを扱い、リクエスト内容に基づいてサーバーを選択する「ホストベースルーティング」や「パスベースルーティング」が可能です。
たとえば、URLがhttps://example.com/productの場合はAサーバーに、https://example.com/loginの場合はBサーバーにリクエストを振り分ける、そんな使い方ができます。
Network Load Balancer(NLB)
NLBは、ネットワークレベル(OSI参照モデルの第4層)で動作するロードバランサーです。TCPやUDPといったプロトコルを扱い、高速で安定した通信を実現します。ALBよりも高いスループットを持つため、大量のトラフィックをさばくリアルタイム通信アプリやゲームアプリケーションに向いています。
Classic Load Balancer(CLB)
CLBはAWSで最初に導入されたロードバランサーで、ALBやNLBほどの柔軟性はありません。現在では新規開発においては推奨されないケースが多いですが、古いシステムの互換性確保のために使われることがあります。
3. ELBの基本機能を徹底解説
3-1. ヘルスチェック機能でサーバーの健全性を保つ
ELBの大きな特徴のひとつが「ヘルスチェック機能」です。この機能は、サーバーが正常に動作しているかを自動で確認し、不具合が検出された場合にはトラフィックを別の正常なサーバーに振り分けます。これにより、ユーザー体験の低下を防ぎます。
3-2. アクセスログでトラブルシューティングをサポート
ELBを通過する通信データを記録する「アクセスログ」機能も注目です。これにより、送信元IPアドレスやリクエストの詳細などを把握できます。トラブルが発生した際の原因分析やセキュリティ監視に役立ちます。
4. スケーリング機能でリソースを最適化
AWSのスケーリング機能とELBを組み合わせることで、動的なリソース管理が可能になります。
スケールアウト: トラフィック増加時にサーバーを追加
スケールイン: トラフィック減少時にサーバーを削除
スケールアップ/ダウン: サーバーの性能を変更して対応
たとえば、年末セールなどのイベント時にはスケールアウトを設定してリソースを増やし、終了後にはスケールインでリソースを削減するといった運用が考えられます。
5. ELBのセキュリティ機能を活用しよう
セキュリティ対策も忘れてはいけません。ELBでは、SSL証明書を利用した通信暗号化が可能です。これにより、クライアントとサーバー間の通信内容が第三者に盗み見られるリスクを軽減します。
AWSの**Certificate Manager(ACM)**を使えば、SSL証明書の発行や更新が簡単に行えます。これをELBに設定すれば、セキュアな通信を実現できます。
6. 実際の利用シーンとメリット
ELBの具体的な活用例を挙げてみましょう。
6-1. EC2 Auto Scalingとの連携
急激なトラフィック増加に対応するために、EC2 Auto Scalingと連携するケースが多いです。これにより、新しいインスタンスが自動的に起動され、ELBがトラフィックを適切に分散させます。
6-2. WebSocket対応でリアルタイム性を強化
リアルタイム通信が必要なアプリケーション(例えばチャットや株価表示)では、WebSocketを利用した双方向通信が効果的です。ALBはこれに対応しており、効率的な負荷分散を実現します。
7. ELBの導入でシステム運用をもっと効率的に
ELBは、負荷分散だけでなくシステム全体の安定性やセキュリティ、運用効率を向上させるための鍵となるサービスです。適切なタイプのロードバランサーを選び、AWSの他のサービスとうまく組み合わせることで、柔軟でスケーラブルなシステム運用が可能になります。
みなさんも、この記事を参考にぜひELBの導入を検討してみてください。システムの安定性が劇的に向上するはずです!
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